アコースティックギター録音を考える-2
Audiostockで曲を販売しているAcore soundsです。
先日「アコースティックギター録音を考える」という内容でまず機材やプラグインを列挙しました。
クオリティーも考え、制作しやすさも考える
アコースティックギターをレコーディングするのに、今自分にとって最も便利だなと思う方法が、ヤマハのSLG200S(サイレントギター)でのレコーディングです。
見かけがさっぱりしていて比較的リーズナブルなので、正直これまでは見向きもせずでした。まあ練習用にはいいんじゃないかな、くらいの印象でした。
サイレントギターは「サイレント」だけの利点ではない
SLG200Sは本体自体の鳴りは小さくとても便利ですが、アウトプット端子やヘッドホン端子で出す音に「箱鳴りを加える」というひと工夫あり、ここも大きな魅力になります。
実際の音比較
Soundcloudに演奏をアップしてみました。
・前半がSLG200Sのピエゾのみを出力した音
・後半がピエゾ+SRTによる箱鳴りの音
です。
ピエゾのみの音は予想通り箱鳴り感がなくプレーンです。それでも、昔のエレアコのピエゾよりはかなり良くなっているなと思います。
それにSRTを使うと、アコギにマイクを向けた音にぐっと近くなり、このままオーディオインターフェースに直結でも曲調によっては十分、という感じがあります。(この手早くやれるところが、曲を量産する上では重要だと思います。)
場合によってはピエゾのみの音も、アンサンブルの中で鋭い音が欲しい場合には使えるかもしれません。しかし、アコギを弾いてきた者にとっては箱鳴り感があるほうがだいぶ自然な感じがします。
もうマイク録りは不要?
・・・そうはいかないと思います。
曲の主役がアコギでなくバックでそれらしく鳴ってくれればOKという場合ならこの音で相当いけますが、ギター伴奏+ギターメロディーというような、ギターが主役的になる場合はこの音はちょっと平たい感じがします。
とはいえ、例えばバンド系サウンドの中でエレキギターのクリーントーンでストロークの演奏をしたものと比べると、俄然アコギ感は得られます。こういう機会が一番多いので、強力な選択肢を1つ得た感じがします。
ストック販売をはじめて、別の意識が加わった
昔はビンテージギターや憧れの高級な楽器の情報を集めては、いずれは欲しいなぁと考えるのが最も楽しかった(いわゆるマニア的なギター趣味)です。
しかし、実際に使ってもらえる音楽製作者になりたいという方向に変わってくると、楽器への向き合い方も変化が出てきました。
曲が量産でき、最低基準の音の質感は絶対に守る、ということに頭を集中させている状態です。
でも趣味的な部分はこれはこれですごく楽しいので、あくまでストックミュージック対策での考えが加わった、という風に思っています。