なんて悪いミルクだ。

もう何もかも嫌、みたいな絶望の瞬間が、
たいしてドラマチックでもない日常に突然訪れることが多々、ある。

多々あるのは私がそそっかしいからであり、
仕事と火事と育児で(主に育児で)わりとてんてこまいだからかもしれないが。

こどもにテレビを与えて、うまく気に入って静かにしてもらえたので
今の間にご飯を作ろう、あー、洗濯もしないとな〜面倒だな〜
でも静かにテレビ見てるしわたしもカフェオレの一杯くらい飲んでいいかな、いいな、そうしよー

と牛乳を出した瞬間手が滑り
床を牛乳の海にしてしまう

時が止まるよね…

とりあえず「ああああーーーー」
と叫んでみる。

すると夫が飛んできて
「なんっ……なんて悪いミルクなんだ!
こぼれたりしてありいちゃんを苦しめるなんて!!!!」

とぷんすかミルクに怒りながらふいてくれた。

拭いてくれたことは嬉しい。
だけど、私はこのとき、牛乳をこぼしてしまった自分を自分で責めて絶望していたので

夫がすごい勢いで牛乳を責めていたのを見て
笑ってしまったし
なんだかとても心が救われたのであった。

自分は悪くない、他のものが悪いという他責の思考は、普通は褒められたものではないのかもしれないけど

牛乳ならいいよね?

そして私は、こういう夫が大好きである。

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