涙が出ない理由
今日は地域活動支援センターの行事で、
利用者の仲間に久しぶりに会った。
かがみの孤城のアニメ観たよ〜
から始まり、
近況を話し合ったりした。
「小川糸って人の『とわの庭』って小説読んだんだけど、
泣ける話みたいなんだけど泣けなかった。
パラパラっと読んだからかな」
私が言うと、すぐに突っ込まれた。
「え、パラパラっと読んでも泣けるとき泣けなくない?」
「そうだよね、なんか客観的に読んでしまったからかな」
私自身、腑に落ちないまま、
その会話は終わった。
家に帰りゆっくり思い返してみる。
読んだ直後は、
すごく刺激受けて、胸がいっぱいだったことを思い出す。
〝あの頃よりだいぶ元気になったとは言え、
客観的に見たら、わたしは決して健康とは言えない。
いまだに精神安定剤を飲まなければ日常生活が営めないし、
生理だって気まぐれにしかやってこない。
それに、家庭を築くためには、どうしてもお金が必要なのだ〟
ー『とわの庭』小川糸著より
かがみの孤城の主人公の体験も、
私は共感するものがあったけど、
『とわの庭』は共感する以前に、
私の現実と似過ぎていたからかもしれない。
〝生きているって、すごいこと〟も、
私の日常の闘いからしても、
普段の考えてることからしても、
当たり前に私のなかで根付いている。
だから泣けなかったのかもしれない。
だから、読んで胸がいっぱいになったんだ。