美術館女子、って何?美術手帖をオンラインで見ていた時に、ふいにこのワードが目に飛び込んできた。記事を読み、ネット上でこのワードが大炎上を引き起こしていることを知った。 事の発端は、美術館連絡協議会(以下、美連協)と読売新聞オンラインによる新企画。このワードや企画のコンセプトをめぐって、いろんな人がいろんな議論を繰り広げている。 冒頭の美術手帖の記事で指摘されているジェンダーバランスへの意識の欠如、アートの役割の軽視、といった点に個人的には全く異論はなく、至極もっともな分析
先行き不透明なカオティックな時代に、「アートだからできること」とは これを書いている今、世界は未曾有の事態に見舞われ、混沌としている。 今年1月頃から猛威を振るっている新型コロナウイルスは全世界に感染拡大し、世界規模でウイルスとの戦いが繰り広げられている。私の住む東京でも4月7日に緊急事態宣言が発令され、5月25日に約7週間ぶりに全面解除されたものの、引き続き予断は許さない状況であり、今後はこの正体不明のウイルスといかに共存するか、という新たなフェーズに突入していくことと
「奈良美智の作品の女の子に似てるね」 大学に入学したての頃、後に少しだけお付き合いすることになる軽音楽サークルの先輩に言われたひとことがきっかけだった。 奈良美智の名前や彼の肩書、作品のことはうっすらとは知っていた。似ている、と言われたことでちょっぴり親近感を持ち、大学の生協の書店で初めて奈良美智の作品集を手に取ってみた。おかっぱ頭、左右で色の違うつりあがった目、ふくれた頬、文句を言いたげな生意気な表情。小さな子供が描いたような、可愛い、の一言では片づけられない、静かな不