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グリーンカーボン、ブルーカーボンの話①「森林伐採=悪」ではない

※「グリーンカーボン」とは陸上の植物が、光合成を通じて二酸化炭素を吸収して固定する炭素の総称です。そして「ブルーカーボン」とは沿岸海域の海洋生物によって固定された炭素の総称です。

地球環境のことでよく言われること「森林伐採を止めないと」とか、「木を使わないからエコです」とかいろいろ聞きますよね。最近ではこれが正解ではない(間違いでもないけど)ことを知ってる人が増えてきましたが、まだまだかなあと思ってます。

基礎的な知識として

ややこしくなるので二酸化炭素を炭素で表現しますね。
「木は炭素(二酸化炭素)を減らすのではない」ということ。わかりやすく言えば「空気中の炭素(二酸化炭素)を取り込んで自分を構成する原料にしている」って感じです。

炭素が二酸化炭素の形で「空気中」に増えて地球温暖化が進んでいるのは間違いないです。なので地球温暖化を止めようとおもったら「空気中の炭素(二酸化炭素)を減らす」ことが必要なのですが、地球上の炭素の量は基本的に同じなので「空気中でない」どこか別の場所に置かなければならない。

その時に活躍してくれるのが木ですね。木が空気中にある炭素を自分の体に取り込んで固定化してくれているのです。

伐採しちゃだめなんじゃない?

炭素を吸収しているなら伐採したら炭素が空気中にでちゃう?
いえいえ伐採しても木材として使っているうちは炭素は固定されているのです。でも燃やしたら空気中に出ちゃいますが。

それと、もう一つ、木って成長しすぎると炭素を固定化しなくなっちゃいます。人間と一緒で若いうちはガンガン成長するのでその分、炭素を体に取り込んで固定化していきますが、年取っちゃうと成長が止まるイメージです。なので、木を切って木材として使い、伐採した場所に新しい木を植えてやるとまた炭素を取り込んでくれるのです。

ということで、炭素は結局はまた空気中に出る運命なのですが、木や材木の中に固定されている量が多くなればなるほど、空気中の炭素の割合は減るので地球温暖化防止には有効だということです。

木造住宅の見直し

日本は木造建築の歴史を持っていましたが最近は非木造(鉄骨造、コンクリート造など)が増えてきています。

総務省が平成20年におこなった調査によると、住宅の構造は「木造」が2923万戸で住宅全体の58.9%、鉄骨やコンクリート造などの「非木造」は2037万戸(41.1%)。
昭和53年には木造が約8割を占めていましたが、近年は木造と非木造がほぼ半々に近づいてきている。

マンションは木造はほぼないですからね…人口が減ってきているし土地が余ってくる中でほんとにマンションに住まなくてはいけないのか。今回のテーマのグリーンカーボンのことを考えると日本の木造住宅はグリーンカーボンを底上げしてきたと思うんだけど、これが減っていくのは森林伐採に近いのかもしれないなあ。住み替えるなら木造!って言っておこっと。

林業の復活

1月23日に投稿したnoteでは竹林の維持の話をしました。

ここでは触れていませんが、森林の管理もずっと昔からの問題です。伐採されず手入れされない森林は炭素を固定化する能力が下がってしまいます。自然林ではなく人の手が入る里山として森林を管理していかないといけません。昔(100年以上前)神戸の六甲山はハゲ山だった。それを740万本もの植林をして復活させたのが神戸の誇り。

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でも、今の六甲山はそれほど管理ができていないので、グリーンカーボン量としては減っているかもしれないです。ちゃんと間伐し、伐採し、植林しつづけていかないといけないなあと思いながら、動けていない自分が情けないですが。

でも、神戸市役所の防災課も動き始めているし、何といっても神戸にはシェアウッズ山崎正夫さんが活動してくれているのが何よりの希望です。


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