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インフォメーションからコミュニケーションへ 本当に危険な災害情報を伝えることに対するアナウンサーの戦い

NHK取材ノートを読んで、報道の方たちも日々奮闘しているのだなと感じました。結構長い記事ですがのめり込んで読めます。

最近、大きな災害時には危機感迫る感情的な報道を耳にしていた記憶があるが、こういうことだったんだなと分かりました。

これまでは冷静沈着に落ち着いて事実を知らせるのが報道の役割だと思っていたのをちゃぶ台をひっくり返したのが東日本大震災の大津波でした。

このときもマニュアルであらかじめ用意されたことばはあった。

「川の河口付近から離れて下さい」と何度も伝えた。
しかしこのとき、河口から3キロ離れた学校も津波に飲み込まれていた。

「ビルの3階か4階以上に避難して下さい」と何度も呼びかけた。
しかし4階まで水に浸かって多くの人が亡くなった病院があった。

「どんな事態でも冷静沈着に」「放送で命を守る」
そう思って訓練を重ね磨き続けてきたことばに、このときどれほどの力があっただろう。

ここからアナウンサーたちの改革がはじまります。インフォメーションからコミュニケーションへという考えのもと、「逃げてください」という呼びかけを、冷静に伝えるのではなく、感情を込めて、危機感をしっかりあおって視聴者に訴えることにしていきます。

さまざまな意見交換や検証、考察を経て、東日本大震災から1年たった2012年3月11日、新たな表現を盛り込んだ呼びかけのハンドブックがまとまった。

このなかの「今すぐ可能な限り高いところに逃げること。」という呼びかけは、ハンドブックを象徴するような表現だ。

「可能な限り」という表現には、「大丈夫」という予断を持たないで、避難にベストを尽くしてほしいという思いがある。
そして「逃げてください」ではなく「逃げること」という命令口調には、異常な事態だと認識してもらうねらいがあった。

「東日本大震災を思い出してください」は確かにあの津波の映像を見た人にはハッと思わせる言葉だと思う。素早く頭を切り替えて行動を起こすスイッチになりうるなと思った。

でも東日本大震災からもう10年が経つ。この言葉もあと10年もすれば東日本大震災を経験していない人たちが大人になっていく。そういう意味では報道も常にアップデートしていかないといけないですね。

素敵な記事に出会えました。

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秋田大介(社会課題解決コーディネーター)
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