大阪西成の家屋崩壊から、自分の宅地が斜面地に建っていたり擁壁がある場合のリスクを考える
大阪の西成区で起きた家屋の倒壊が結構騒ぎになっていますね。インパクトがすごいですからね。
これって、今後ぜったに大きな問題になるであろうことが含まれています。それは「家の法面(のりめん)問題」です。
神戸なんかは特に斜面地が多いので、多くの家が斜面地に建っています。当然斜めの土地には家が建てられないので、土を盛ったり【盛土(もりど)という】、切ったり【切土(きりど)という】して平らな部分を作るわけですが、そこで作られるのが擁壁です。
もともと地盤としてあった場所を削っているのが切土ですので、切土の場所は地盤と同じくらい強度があり、盛土は後で土を持っているので地盤の強さが切土より弱いのが一般的。
もっとも危ないとされているのが盛土と切土の境界線に建っている家です。
大震災が起こって家が傾いている場合はこういう場所である確率がそこそこあります。
思い返せば東日本大震災後に仙台に行った時にニュータウンの家がこんな感じで激しく傾いていましたね。
そして阪神淡路大震災でもたくさんの宅地擁壁が崩れたり、破損したりして、住民が自らの費用で直すことがとっても大変だったと聞いています。
そしてもう一つ大事なことは家が建っている敷地の山側と谷側に法面や擁壁があるとすれば、山側【上法(うわのり)】は他人もので、谷側【下法(したのり)】は自分のものであることが一般的です。
なので上の擁壁が崩れそうで自分の家が危ない!となったら上の土地の所有者に何とかしてもらわないといけないし、下の擁壁が崩れそうで下の人の家が危ない!となったら自分が何とかしないといけないのです。
今回の西成で倒壊した家の件で言えば、あのスカスカの石垣は倒壊した家の所有物だと思われます。この事故がだれのどういう責任なるのかまだわかりませんが、自分の持っている土地に下法(谷側の擁壁)がある場合は要注意ですね。新しい土地を購入するときも経年劣化して自分で維持管理することもよく考えてから法面付きの家は買った方がいいですね。
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