鈴鹿でレースを見て、京都で観光するツーリング:1994.07
1994年7月、高校からの友人に誘われ、鈴鹿サーキットまでバイクで行くという初長距離ツーリングを計画。
当時、毎年夏に開催してた鈴鹿8耐。バイクレース好きとしては一度は見たいレースということで即決。
出発当日、AM5:00に出発しひたすら国道をひた走る。計画としては夜から高速に乗り、どこか適当なSAで一晩明かそうという、今考えると超無計画。
そして、この適当さが見事的中。
真夏日の中をひたすらひたすらひたすら走り、
照りつける太陽の下、ひたすらひたすら走る。
兵庫県で高速に乗るが、この高速、都市高速です。都市高速なのでSAはかなり少なく、止まれない。
こりゃ無理だということで西宮市あたりで一旦降りたところで友人が気分が悪くなって高速のガード下の公園でダウン。
今思えば熱中症だったのかも。危なかったな。
このまま公園のベンチで一晩過ごそうかと思い、バイクを置いていた公園前の家の人らしき人をたまたま見つけ、バイクをそのまま置かせてもらうようお願いしておく。
かなり遅い時間だったのだか少ししてその方に家に泊まるよう声をかけられる。
かなり驚いたが、友人の気分が悪いこともあってお言葉に甘えることにした。お風呂に入れてもらい、布団で寝させてもらった。そして翌朝、朝ご飯も用意していただき、感謝してもしきれないほどの優しさに触れました。
翌朝、声をかけてもらった女性とその家族の人達に何度もお礼を言って、これまた国道をひたすら走って鈴鹿を目指す。夕方前にはサーキットそばのキャンプ場に到着。
別の友人から前日に借りたテントを早速組み立てをしようと、しようと、しようと???
どう考えてもパーツが足りない。
すでに記憶が薄れてるのだが、たぶん、ポール2本とフライしかなかったかと。
つまり、テント本体がなく、テントの上に被せる屋根のようなシートがあるだけ。
さすがに途方にくれてしまったがどうしょうもない。ポール2本とフライ、あとはロープとかテープを駆使して何かテントっぽいものを建ててみた。テントではない。テントっぽいものだ。
いや、夏の蒸し暑い夜だ。床なんてなくても良いかもしれない。地面から20センチくらいは壁はないが、これも風が入ってきて良いかもしれない。
これはもはや新時代のテントだ。そうに違いない。いいぞ、俺たちはこの新時代テントで寝るのだ。遅くまでイベントをやっていたために寝るのは遅くなったが、疲れていたためぐっすりと眠ったのであった。
翌朝。さすが新時代テント。
地面は冷たくて気持ちよく、爽やかな空気、周囲の人達のざわめき、目を開ければ目の前にテント。ん?目の前??
確か天井は1メートルくらい上だった気がするのだが、その天井が今まさに目の前にある。
もはやテントの形ではなく、シートが体に覆いかぶさっているだけ、2人用寝袋と表現しても良いような謎の物体だ。寝袋としても新時代の寝袋だ。袋じゃないけど。
なんとか這い出し、新時代テント改め新時代ニ人用寝袋、、、のようなものは
立派なテントが立ち並ぶキャンプ場の中で異彩を放つ物が哀愁よろしくたたずんでいたのであった。まさに兵どもが夢の跡。つわものじゃないけど。
その後、8耐に熱狂し、京都も何事もなく無事に観光できたとさ。
おわり
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