本来の自分を思い出すことを先延ばしにする必要などあるのでしょうか？
私たちの心は分裂をきたしている
コース（ACIM／奇跡のコース／奇跡講座）の学びが進んでいくにつれて、自分の内側（心）では相反する思考によって葛藤しているのを自覚するようになると言うことができます。
いわゆる、内側（心）が分裂していることを自覚／認識するようになっていくということです。
つまりは、それが分離の思考体系というものであり、自分は今やその分離の思考体系と同一化している、ということが明らかになるということです。
要は、自分がいかに分離した思考をしているか！そのことにますます気づくようになっていくということです。
例えば、コースの学びをもっと深めていこうとする自分もありながら、
そのもう一方で、コースを学ぶことに抵抗が起きてきたり、先延ばしにしようとしたり、内側を直視しようとはしない自分がいるのを自覚するわけです。
そういうことから見ても、心が分裂しているのがはっきり見て取れます。
その葛藤状態こそがまさに自我の思考体系であることを、コース形而上学で学んできたわけです。
ただし、私たちが理解しておかなければならないのは、その葛藤は個人的なものではないということです。
この世界にいる私たちは誰もみんなそうなのだということです。
テキストの中にも、この世界にいる私たちについて、そのことを表現した箇所があります。
あなたが見ている世界は、罪悪感により狂ってしまった者たちによる妄想的体系である。この世界をよく見なさい。そうすれば、その通りだとわかるだろう。（T-13.In.2:2-3 ）
この世界の誰もが狂ってしまっている、ということです。
コースはそのように教えてくれているわけですが、通常、この世界にいる私たちは、誰もの心（精神）が分裂していてそのような状態にあるということなどまったく認識していないと言うことができます。
でも、コースの学びが深まっていけばいくほど、私たちがそのような状態であることがはっきりと認識できるようになっていきます。
と同時に、
心（精神）に分裂をきたした状態のままで幸せになることなどあり得ない、
と気づいている正気（正しい心／聖霊）の自分が自覚されていくようになります。
精神が分裂してしまっている狂気の自分を自覚していくなら、当然、その状態のままでいいわけなどない、となるわけです。
その狂気の自分（自我）を咎めずに正視していくことによって、正気（正しい心／聖霊）の視点が培われていくことになるといえます。
実際のところ、私たちはその真実についてまったく無自覚的に生きているといえます。
いわゆる、無智な状態になっています。
その真実を知ろうとすらしません。
心（精神）が分裂しているのは自分自身であるにもかかわらず、それを外側に投影して、自分はまともだと思っているのです。
この世界にいる私たちはみんな心（精神）に分裂をきたしているのです。
その真実を自覚／認識させようとしてくれているのが、コースだといえましょう。
そう、コースが教えていることを真に理解していくならば、「自分には癒しが必要である」ということをますます自覚していくようになるはずです。
自分は自我になっている、心が分裂している、ゆえに、自分は癒しが必要である、と自覚するとき、そこからが本格的な癒しのはじまりだといえましょう。
正気、本当の平安、本当の幸せへの歩みは、その自覚したところからはじまるということです。
覚えておかなければならないのは、正気こそが、本当の自分なのだということです。
本来の自分を思い出すことを、先延ばしにする必要などあるでしょうか。
コースは、そのための霊性の道です。
まず、私たちがどんな状態にあるのか？
そして、そんな状態の私たちは何をしているのか？
さらに、どのようにしたら、その状態から脱却できるのか？
コースは、そのことについて体系立てられたカリキュラムで導いてくれているスピリチュアリティだといえましょう。
そのためには、まず、
自分たちが分離した思考によっていかに狂っているか！
その狂気さ、愚かさを自覚／認識していくことが必須だということです。
コースの本格的な学びと実践は、その自覚／認識からはじまるということを知っておくと良いでしょう。