形而上学とは?
物理的形態や行動とは一切関係がない
「形而上学」という言葉は、Metaphysics(メタフィジックス)を日本語に訳した呼び名です。
メタフィジックスの「メタ」は超越するという意味であり、「フィジックス」は物理的なものを意味します。
つまり、
メタ・フィジックスとは、物理的なものを超越していくこと、あるいは、それを超越したもの、
という意味になります。
つまりは、それは、物理的、肉体的なことについてのものではないというこです。
(ちなみに、物理的な形態や行動といったことについては「形而下」というふうに呼びます。)
そう、「形而上学」は、物理的形態や行動とは一切関係がないわけです。
そう、コース(奇跡のコース/奇跡講座)が教えている内容について、それを「コース形而上学」というふうな呼び方をするわけですが、その学びは物理的な行動、肉体的な行為とは一切関係ないということです。
コースは形態レベル、行動レベル(形而下)のことについては一切述べられていないということです。
むしろコースはそれらを超越していく教えなのだということです。
そういうことを知っておくことは、コースを学んでいく上でも、とても大事です。
というのも、コースの教えを形態レベル、行動レベル(形而下)と混同してしまうならば、コースの教えを歪曲して学んでしまうことになるからです。
とは言いましても、たしかに、三部作(テキスト、ワークブック、教師のマニュアル)の中で、形態レベル、行動レベルのことについて語られているような表現もされてあったります。
ですが、それらはすべて比喩的表現であるということ、つまり、自分は肉体であると信じている私たちにとって理解できる言いまわして表現されているだけということをわきまえておかなければなりません。
コースは形而上に関する教えであるにもかかわらず、もしそれを形而下のこととして混同するならば、もはや、それはコースの教えではなくなってしまいます。
なぜ、それほどまでにそのことに警戒しなければならないのかというなら、私たちがコースを学んでいくとき、私たちはいとも簡単にそのレベルの混同をしてしまうからです。
実際に、そのようにレベルの混同がなされてしまって、曲解されてコースが学ばれているケースがごく当たり前のように起きているのが現状です。
そうなってしまうなら、いくらコースを学んでいったとしても、無益な学びとなってしまうだけです。
というのも、それではコースの学びの階梯を上っていくことはけっしてあり得ないからです。
そのことについてワプニック博士は、
「学びの階梯の一番下に留まらないようにしなさい!」
というふうに云っています。
ワプニック博士のその言葉は、コースの学びと実践において「レベルの混同」をしないように充分に注意して学んでいくことがいかに大事かということについて警戒を促してくれているわけです。
その忠告は何度も聞いても聞き足りないといえます。
というのも、私たちはそれでもコースの教えを形態のレベルと混同してしまうからです。
レベルを混同するとは、コースの教えをこの世界の中のこととして持ち込もうとするということです。
さらに、ワプニック博士は云います。
「形而上学から離れないでください!形而上学から外れないでください!」と。
それは、コースの形而上学をしっかりと学んでいくことはもちろんのこと、その形而上学が正しく理解されていくことがとても重要なのだということを伝えているわけです。
コース学習者の私たちにとって、形而上学は私たちが実践をしていくための基盤となるものです。
ようするに、形而上学なしにはその実践もけっしてあり得ないということをしっかりと肝に銘じておきましょう。