****** 1.[抄訳]Daniel はイングランドのノーフォーク Norfolk で生まれた。主に独学でギターを演奏していたダニエルは、2005年にロンドンに移り住み、そこで人生の転換期を迎える。ギタリスト John Russell のもとで2年間学び、イースト・ロンドン East London にある ヴォルテックス The Voltex (Vortex Jazz Club)で、John Edwards(ダブルベース)、Tony Marsh(ドラム)、Evan Parker(サックス)のトリオを聴きながら多くの夜を過ごし、ロンドンとその周辺のフリー・インプロヴィゼーション・シーンを吸収した(知識や情報などを自分の中に取り込んだ)。これらが相まって、彼の音楽の方向性を決定づけた。 (中略) Daniel は EMPTY BIRDCAGE RECORDS の創設者で芸術監督を務めている(※1)。このレーベルは、フリー・インプロヴィゼーションの記録をリリースすることに専念している。 ******
※1[メモ]Daniel Thompson のWebサイト内 empty birdcage records のページによると、レーベルの設立は2020年。
****** 1.[抄訳]幸運なことに私は音楽一家で育ち、子供の頃は数年間バイオリンを弾いていて、それは楽しい思い出です。私がギターを始めて、音楽について真剣に学び始めたのは10代後半で、一生懸命に練習しました。私には、ジャズ、クラシック、ロック、ブルースなどについて、一般的にいうような演奏経験はありませんが、研究と鑑賞の両方を通じて、これらの音楽すべてに大変な興味を持っています。よく覚えているのは、いつでもギターに魅了されていて、その楽器の探究を望んでいたことです。割と速い段階で、フリー・インプロヴィゼーションを演奏したいという気持ちがあるということは発見していて、それをようやく確信できたのは、20代前半に移り住んだロンドンで Evan Parker trio(John Edwards と Tony Marsh のトリオ)を聞いた後でした。
音楽学校や大学での音楽を学ぶような環境には属していなかったので、あるギグ(ライブハウスやクラブでの単発的な演奏・セッション)で初めて John Russell に出会い、その演奏を聴くまでは、ほとんど独学でした。そのギグで彼は Evan Parker、Ken Vandermark、Phil Wachsmann と共演していて、場所はロンドンでした。そのギグの後、私たちは(とりわけ)私が彼を訪ねてレッスンを受けることができるかどうかについて話し合いました。それから1年ほど経った頃、私たちはレッスンを開始して、最終的には約2年間、私は John と共に学ぶことになりました。それは音楽的に豊かで有意義な経験で、決して忘れることはないでしょう。John は心が広く思いやりのある人物で、素晴らしい演奏家で素晴らしい教師です。彼はいつでも、私より前に、私が知る必要のあることに気付いているようでしたが、それが何なのかをはっきりと教えるようなことはしませんでした。それよりも彼は、知る必要のあることを私自身で発見できるよう、私を正しい方向に導こうとしました。それは私にとって啓示であり、私の音楽人生の中でも真に重要な期間でした。 幸運にも共演することができた演奏家達は、私に最も重大な影響力を与え、また与え続けています。ライブや録音で聴いて影響を受けた音楽のリストは、おそらく網羅的なものになるでしょう。(なぜなら)そもそも、あらゆるものが影響となり得るし、そうなってきており、時には、とても奇妙で思いがけない場所からやってきます。
2.[抄訳]そのような一つの音楽作品はありませんが、ロンドンに移り住んですぐに、前述した The Vortex での Evan Parker trio (ドラムは Tom Marsh、ベースは John Edwards)のライブを聴きに行きました。そこでは、音楽こそが自分の人生を捧げたかったことだと確信し、特に即興の音楽を自由に演奏することを望んでいたと確信しました。Evan Parker trio の音楽が驚くほどに良かったというだけではなく、その音楽が、献身的に、演奏者同士が協力するのみならず観客とも協力して構築されていく様をはっきりと覚えています。私は、何か似たようなものに参加したいと思ってコンサートを後にしました。それは文字通りに人生を変える経験でした。 ******
2.[抄訳] JBN: – ギグ、ジャム、オープンアクト、スタジオセッションでの思い出について話してもらえますか? DT: – 多分2006年かそのあたりに、ロンドンの The Voltex に the Foxes Fox Quartet(ピアノが Steve Beresford、ダブルベースが John Edwards、サックスがEvan Parker、ドラムが Louis Moholo-Moholo)を聴きに行きました。その観客の中に Kenny Wheeler(トランペット、フリューゲルホーン)がいて、2ndセットで、彼がカルテットの演奏に加わったのです。少しの間、クラブハウスの屋根が吹っ飛び、私の心臓も飛び出しました。今までに(それまでに?)聴いた(聞いた)中でも、最も魔法のような演奏体験(出来事)でした。 ******
[参照Webサイト]
《1》“about”. home (danielthompsonguitar.com). https://www.danielthompsonguitar.com/about.html, (参照 2024-11-02) 《2》“empty birdcage records”. home (danielthompsonguitar.com). https://www.danielthompsonguitar.com/empty-birdcage-records.html, (参照 2024-11-02) 《3》Miguel Copon. “PREPARED GUITAR: Daniel Thompson 13 Questions”. PREPARED GUITAR : A place to support Independent Sound Art. 2014-04-18. https://preparedguitar.blogspot.com/2014/04/daniel-thompson-13-questions.html,(参照 2024-11-02)(【1】について参照) 《4》Interview by Simon Sargsyan. “Interview with Daniel Thompson: Jazz should be a considered element of this learning: Video”. JazzBluesNews.com. 2021-10-28. https://jazzbluesnews.com/2021/10/28/daniel-thompson/,(参照 2024-11-03)(【2】について参照)
[参照動画]
Daniel Thompson の演奏の様子が窺える動画として参照する。
動画タイトル:Tom Jackson and Daniel Thompson at Greylight Studios, Brussels, 2021-01-26公開 チャンネル:T Jackson 情報:Tom Jackson (clarinet), Daniel Thompson (guitar) Filmed and edited by Bas Schevers on Sunday March 5th 2017.
こちらの動画では、何度か Daniel Thompson のギターを弾く手がクローズアップされている。
動画タイトル:Wachsmann / Hackett / Thompson trio -- 15/01/17, 2017-04-14公開 チャンネル:mopomoso 情報:Phil Wachsmann (violin), Martin Hackett (electronics), Daniel Thompson (guitar) at the Mopomoso free improvisation afternoon event on the 15th January 2017 at the Vortex, London.
[レーベルのbandcampページ]
Daniel Thompson のレーベル Empty Birdcage Records の bandcamp ページ。