フォーミュラEシーズン5 ドライバー紹介

(記事中の数字はシーズン5第1戦ディルイーヤ終了時のもの。)

アウディ・スポーツ・アプト・シェフラー (シーズン4チームランキング1位)
〇ルーカス・ディ・グラッシ (カーナンバー:11) 
・国籍:ブラジル
・生年月日:1984年8月11日
・フォーミュラE出走数:46、優勝数:8、表彰台数:27、PP獲得数:3
・シーズン4ドライバーズランキング:2位

 元はルノー育成ドライバーであり、ユーロF3やGP2を経て2010年にヴァージンからF1にデビューした。F1への参戦はこの一年限りであったが、2013年からはアウディのワークスドライバーとして世界耐久選手権(WEC)に参戦すると共に、開発能力を生かしてフォーミュラEマシンの開発担当にも起用された。この2つの活動での高評価からアプトのレギュラーに抜擢され、記念すべき初戦のウィナーともなった。シーズン1,2と僅差でタイトルを逃し続けていたが、シーズン3でようやく王座を獲得。シーズン4も序盤は苦戦したものの、後半は7戦連続で表彰台を獲得してランキング2位に食い込むなど、フォーミュラEのトップドライバーとして活躍を続けている。

〇ダニエル・アプト (カーナンバー:66)
・国籍:ドイツ
・生年月日:1992年12月3日
・フォーミュラE出走数:46、優勝数:2、表彰台数:8、PP獲得数:2
・シーズン4ドライバーズランキング:5位

 父はアプト・スポーツラインを経営するハンス=ユルゲン・アプト、叔父はレーサーのクリスチャン・アプトというレーシング一家に生まれる。GP3やGP2への参戦を経て、シーズン1の開幕時から父のチームであるアプトより参戦。当初はチームメイトのディ・グラッシに大きく後れを取り、「親のコネ」との批判も根強かったものの、シーズン4では香港のレース2で初優勝を達成(後に規定違反が見つかり失格)、その後も2勝を挙げる活躍をして批判をはねのける活躍を見せた。ワークス間戦争が激化する中で、今シーズンは昨シーズンの活躍がまぐれではないことを証明するための大事な一年になりそうだ。

DS・テチーター・フォーミュラEチーム (シーズン4チームランキング2位) 〇ジャン=エリック・ベルニュ (カーナンバー:25)
・国籍:フランス 
・生年月日:1990年4月25日 
・フォーミュラE出走数:44、優勝数:5、表彰台数:16、PP獲得数:8
・シーズン4ドライバーズランキング:1位

 下位フォーミュラ時代からレッドブルの支援を受け、2012年にトロロッソからF1デビュー。2014年までF1に参戦するが、レッドブルへの昇格を後輩であるクビアトに先を越される形となってチームを放出される。しかし、同年の12月にアンドレッティからFEデビューした初戦でオールポジションを獲得して速さを見せつけた。参戦当初はバトルの荒さや電費管理に課題を抱え、優勝までは時間を要したものの、シーズン3最終戦で初優勝すると、シーズン4では全戦入賞する安定感を身に着けてチャンピオンを獲得した。今シーズン、チームはヴァージンに代わってDSのワークス体制を獲得し、王座防衛に余念がない。

〇アンドレ・ロッテラー (カーナンバー:36) 
・国籍:ドイツ
・生年月日:1981年11月19日
・フォーミュラE出走数:13、優勝数:0、表彰台数:2、PP獲得数:0
・シーズン4ドライバーズランキング:8位

 ジャガーのテストドライバーを経て2003年に来日。2017年を最後にスーパーフォーミュラへの参戦を取り止めるまでの15年の長きにわたって日本のレースに参戦した一方で、アウディやポルシェでもLMPチームのエース格であった。一発の速さには揺らぎない評価がある一方で、三度のル・マン総合優勝に代表されるような耐久レースでの強さも兼ね備えている。フォーミュラEにはシーズン4から参戦し、初年度ながら2度の表彰台を獲得する速さを見せたが、チームメイトのベルニュと接触する場面も見られた。世界耐久選手権(WEC)ではポルシェの撤退によりプライベーターでのレースを余儀なくされているが、フォーミュラEでは初優勝に手が届くか。

・エンビジョン・ヴァージン・レーシング (シーズン4チームランキング3位)
〇サム・バード (カーナンバー:2)
・国籍:イギリス
・生年月日:1987年1月9日
・フォーミュラE出走数:46、優勝数:7、表彰台数:15、PP獲得数:4
・シーズン4ドライバーズランキング:3位

 ユーロF3、フォーミュラ・ルノー3.5を経て、2013年にはGP2でシリーズランキング2位となる。この間、メルセデスAMGから若手ドライバーテストにも参加した。2014年からは耐久レースに主戦場を移し、現在はフェラーリのセミワークスであるAFコルセから世界耐久選手権(WEC)に参戦。フォーミュラEにはシーズン1から出場し、初戦から変わらずヴァージン・レーシングで参戦している。ディ・グラッシと共にすべてのシーズンに勝利を上げている数少ないドライバーの一人であり、年間順位も5位、4位、4位、3位と安定した成績を収めているが、今期はいよいよチャンピオンに手を伸ばしたい。

〇ロビン・フラインス (カーナンバー:4)
・国籍:オランダ
・生年月日:1991年8月7日
・フォーミュラE出走数:23、優勝数:0、表彰台数:1、PP獲得数:0
・シーズン4ドライバーズランキング:― (シーズン2,3参戦)

 フォーミュラ・ルノー3.5でルーキーながら王座に輝くなど、早くからその才能を嘱望されていたが、絶えず資金面の問題に悩まされたドライバー。2013年にはザウバー、14年にはケータハムとリザーブドライバー契約を交わしたものの、結果としてF1にレギュラーシートを得ることはできなかった。2015年からはアウディ系のドライバーとしてGT3で活躍、2018年にはドイツツーリングカー選手権(DTM)のレギュラーにも選ばれた。フォーミュラEにはシーズン2,3にアンドレッティから参戦していたが、チームがBMWとの関係を強化する中で放出。今期はアウディ製のパワートレインを搭載するヴァージン・レーシングから2シーズン振りに参戦する。

マヒンドラ・レーシング (シーズン4チームランキング4位)
〇ジェローム・ダンブロジオ (カーナンバー:64)
・国籍:ドイツ
・生年月日:1994年10月18日
・フォーミュラE出走数:46、優勝数:2、表彰台数:8、PP獲得数:2
・シーズン4ドライバーズランキング:14位

 GP2時代は小林可夢偉のチームメイトとして知られ、2011年にヴァージンからF1デビュー。翌年はレギュラーシートを失ったものの、ロータスのリザーブドライバーとしてレースに帯同、出場停止処分が下ったグロージャンの代役も務めた。フォーミュラEにはドラゴンレーシングから4シーズンに渡って参戦し、その間に2勝を上げているが、いずれもトップチェッカーを受けたディグラッシの失格に伴う繰り上げ優勝。今季、ドラゴンから新天地となるマヒンドラ・レーシングに移籍し、「真の」3勝目を狙う。

〇パスカル・ウェーレイン (カーナンバー:94)
・国籍:ドイツ
・生年月日:1994年10月18日
・フォーミュラE出走数:0、優勝数:0、表彰台数:0、PP獲得数:0
・シーズン4ドライバーズランキング:― (初参戦)

 メルセデスのジュニアドライバーとして2013年からドイツツーリングカー選手権(DTM)に参戦。2015年には史上最年少となる21歳でチャンピオンを獲得した。翌年にはメルセデスとの関係を深めたマノーからF1デビュー。2017年にはザウバーに移籍し、両年とも戦闘力に劣るマシンで入賞を成し遂げる活躍を見せた。F1シートを失った後、HWAのドライバー候補にも挙げられていたが、2020年のシート争いを睨んでメルセデスとの契約を解消。現在はフェラーリのテストドライバーへの起用が取り沙汰されている。アピールのためにも今季マヒンドラからフォーミュラEに参戦するが、第一戦はメルセデスとの契約の関係上、欠場となった。

日産・e.dams (シーズン4チームランキング5位)
〇セバスチャン・ブエミ (カーナンバー:23)
・国籍:スイス
・生年月日:1988年10月31日
・フォーミュラE出走数:44、優勝数:12、表彰台数:21、PP獲得数:11
・シーズン4ドライバーズランキング:4位

 レッドブル育成チームのドライバーとしてユーロF3、GP2を経由し、2009年にトロロッソからF1デビュー。成績不振を理由に2011年を以ってレギュラーシートを失うが、その開発能力は高く評価されており、現在もレッドブルのシミュレータードライバーを務める。加えて2012年からはトヨタのLMP1プロジェクトに参加し、エースドライバーの一人として2014年の世界耐久選手権(WEC)のタイトルや2018年のル・マン総合優勝に貢献した。さらに、DAMSから参戦しているフォーミュラEでは初年度よりタイトル争いを展開。シーズン2では王座に輝いている。シーズン4は未勝利に終わったが、ルノーから日産に体制を変えた今シーズン、再び王者争いに挑む。

〇オリバー・ローランド (カーナンバー:22)
・国籍:イギリス
・生年月日:1992年8月10日
・フォーミュラE出走数:2、優勝数:0、表彰台数:0、PP獲得数:0
・シーズン4ドライバーズランキング:― (シーズン2スポット参戦)

 イギリスの下位フォーミュラで頭角を現し、RSFやBRDCからスカラシップを得てヨーロッパのフォーミュラに参戦。2015年にフォーミュラ・ルノー3.5でチャンピオンとなると、翌年からはGP2/F2に転じて2017年には年間3位を獲得した。2018年はウィリアムズでリザーブドライバーを務める一方で、マノーLMP1やGT3レースにスポットで参戦を行っている。当初日産・e.damsのドライバーに予定されていたのは2018年のF2にDAMSから参戦していたアレクサンダー・アルボンであったが、アルボンのトロロッソへの起用に伴い、ローランドが急遽シーズン前テストに起用。そのままレギュラードライバーも務めることとなった。

パナソニック・ジャガー・レーシング (シーズン4チームランキング6位)
〇ネルソン・ピケjr. (カーナンバー:3)
・国籍:ブラジル
・生年月日:1985年7月25日
・フォーミュラE出走数:46、優勝数:2、表彰台数:5、PP獲得数:1
・シーズン4ドライバーズランキング:9位

 父は三度のF1チャンピオン、ネルソン・ピケ。F1への階段を順調に登り2008年にルノーからデビューしたものの、アロンソ中心の体制にクラッシュゲート事件が重なってわずか一年半で離脱に至った。以後はNASCARや耐久、ラリークロスなど様々なカテゴリーに挑戦している。フォーミュラEにはシーズン1にチャイナ・レーシングから出場、激戦のタイトル争いを制して初代王者として歴史に名を遺したが、翌シーズンは入賞2回と低迷。シーズン4からはジャガーに移籍したものの、3勝目はおろか表彰台にも上がれないレースが続いている。ジャガーの戦闘力向上と共に復活を期待したい。

〇ミッチ・エヴァンス (カーナンバー:20)
・国籍:ニュージーランド
・生年月日:1994年6月24日
・フォーミュラE出走数:25、優勝数:0、表彰台数:1、PP獲得数:1
・シーズン4ドライバーズランキング:7位

 マネージャーは元F1ドライバーのマーク・ウェバー。ニュージーランドからヨーロッパに渡り、2012年にGP3でチャンピオンを獲得すると、2016年まで4シーズンに渡ってGP2に参戦、通算5勝を上げた。また、ウェバーの手引きでポルシェLMP1のテストに参加した経験も持つ。シーズン3から参戦を始めたジャガーは選考を経て初年度のドライバーにエヴァンスを選出。初のシーズンは苦戦したものの、シーズン4にはチームに初表彰台、初ポールポジションをプレゼントしただけでなく、チームメイトの元王者ピケを上回る成績を残した。今後の飛躍が最も期待されるドライバーである。

ヴェンチュリー・フォーミュラEチーム (シーズン4チームランキング7位) 〇エドアルド・モルタラ (カーナンバー:48)
・国籍:スイス
・生年月日:1987年1月12日
・フォーミュラE出走数:10、優勝数:0、表彰台数:1、PP獲得数:0
・シーズン4ドライバーズランキング:13位

 ユーロF3、GP2での活躍により、2011年にアウディのドイツツーリングカー選手権(DTM)のドライバーに起用され、2016年にはBMWのマルコ・ヴィットマンとタイトル争いを繰り広げた。翌年にはメルセデス陣営に電撃移籍を果たし、今年はDTMやGT3レースに参戦している。特筆すべきはマカオグランプリでの活躍であり、2009年、10年にはF3で、2011年、12年、13年、17年にはGT3で優勝を飾っている。フォーミュラEでも市街地での速さを見せており、参戦2戦目の香港では一時トップを快走する姿を見せた。シーズン4はDTMと重なるレースを欠場したため、今シーズンはフル参戦する初のシーズンとなる。

〇フェリペ・マッサ (カーナンバー:19) 
・国籍:ブラジル
・生年月日:1981年4月25日
・フォーミュラE出走数:1、優勝数:0、表彰台数:0、PP獲得数:0
・シーズン4ドライバーズランキング:― (初参戦)

 フォーミュラ・ルノー2000、ユーロF3000でチャンピオンを獲得し、2002年にザウバーでF1デビュー、2006年には同郷の先輩であるバリチェロに代わってフェラーリに起用される。フェラーリではエースのシューマッハ、ライコネン、アロンソを支える一方で、2008年にはマクラーレンのハミルトンを相手に最終戦までタイトル争いを展開した。フェラーリ離脱後はウィリアムズに移籍し、2017年を最後に惜しまれながらもF1を引退。約一年の休養期間を経て、F1時代より関心を示していたフォーミュラEに今季初参戦する。フォーミュラE史上一番と言っていい「大物」の活躍は今シーズン一番の注目点になるだろう。

NIOフォーミュラEチーム (シーズン4チームランキング8位)
〇オリバー・ターベイ (カーナンバー:16)
・国籍:イギリス
・生年月日:1987年4月1日
・フォーミュラE出走数:35、優勝数:0、表彰台数:1、PP獲得数:1
・シーズン4ドライバーズランキング:17位

 GP2までミドルフォーミュラの道を歩み、2012年にマクラーレンと契約。以後、開発ドライバーとしてファクトリーでの作業に取り組む一方、プロトやGTレースにも参戦した。2015年から16年にかけてはマクラーレンとホンダの繋がりを生かして、スーパーGTへの挑戦も行っている。フォーミュラEにはシーズン1の最終ラウンドから出場。初参戦ながらピケのチャンピオン獲得を支援する走りを見せた。翌シーズン以降は競争力に劣るNIOのマシンに苦しみながらも、元王者と遜色のない走りでピケ離脱後のエースへと成長。今季はチームメイトにディルマンを迎え、初優勝を目指す。

〇トム・ディルマン (カーナンバー:8)
・国籍:フランス
・生年月日:1989年4月6日
・フォーミュラE出走数:11、優勝数:0、表彰台数:1、PP獲得数:1
・シーズン4ドライバーズランキング:18位

 2007年にレッドブル育成ドライバーに選出されたが、早くも翌年には成績不振を理由に育成から放出されてしまう。ここから彼の長きに渡るミドルフォーミュラ生活が始まり、GP3、GP2を経て2016年にフォーミュラV8で念願の王者を獲得する。代役として定評があり、フォーミュラEや耐久レースの他、2018年にはピエトロ・フィッティパルディの代役として参戦したスーパーフォーミュラでも度々速さを見せた。フォーミュラEにはシーズン3でテチーターに移籍したサラザンの、シーズン4ではドイツツーリングカー選手権(DTM)と日程が重複したモルタラの代役として参戦し、シーズン5はフル参戦する初のシーズンとなる。

GEOX・ドラゴン (シーズン4チームランキング9位)
〇ホセ・マリア・ロペス (カーナンバー:7)
・国籍:アルゼンチン
・生年月日:1983年4月26日
・フォーミュラE出走数:21、優勝数:0、表彰台数:2、PP獲得数:0
・シーズン4ドライバーズランキング:17位

 2003年からルノーの育成プログラムに参加し、F1チームのテストドライバーも務めたものの、夢破れて帰国。母国アルゼンチンのツーリングカーレースを中心に活動を行っていたが、2013年に世界ツーリングカー選手権(WTCC)のアルゼンチンラウンドに参戦していきなり優勝。そのまま翌年にはシトロエンのワークスドライバーに抜擢され、3年連続のチャンピオンを獲得するというシンデレラストーリーを歩んだ。2017年からはトヨタLMP1のドライバーにも起用されている。フォーミュラEにはシーズン3にヴァージンから参戦を開始し、シーズン4はジャニの代役としてドラゴンから出場。ミスをする場面も見受けられる半面、速さには定評がある。

〇マクシミリアン・ギュンター (カーナンバー:6)
・国籍:ドイツ
・生年月日:1997年7月2日
・フォーミュラE出走数:1、優勝数:0、表彰台数:0、PP獲得数:0
・シーズン4ドライバーズランキング:― (初参戦)

 弱冠21歳は今シーズン参戦するドライバーの中では最年少となる。2011年に四輪レースにデビューすると、2015年からは3シーズンに渡ってヨーロッパF3に参戦。メルセデスのサポートを受けながら2年目にシリーズ2位、3年目には3位の安定した成績を残す。ドイツツーリングカー選手権(DTM)やスーパーフォーミュラのテストも経験したが、2018年はアーデンからF2にステップアップした。チームメイトの福住仁嶺共々、多発するマシントラブルに翻弄されながらも、イギリスラウンドのレース2ではリバースポールから優勝。同じくF2ドライバーのアントニオ・フオコとの選考を勝ち抜いて、今期ドラゴンからFEデビューを果たす。

BMW i・アンドレッティ・モータースポーツ (シーズン4チームランキング10位)
〇アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ (カーナンバー:28)
・国籍:ポルトガル
・生年月日:1991年8月31日
・フォーミュラE出走数:42、優勝数:2、表彰台数:2、PP獲得数:1
・シーズン4ドライバーズランキング:15位

 レッドブル育成の一人ではあったが、2013年のフォーミュラ・ルノー3.5で伸び悩んだことなどを理由にF1への昇格は見送られてしまった。代わって、レッドブルからの支援を受けながらドイツツーリングカー選手権(DTM)に参戦し、以後BMW系のドライバーとして地歩を固める。今シーズンはフォーミュラEに加えて世界耐久選手権(WEC)でワークスカーを操る。フォーミュラEにはシーズン1から参戦し、混戦のブエノスアイレス戦を制してチームアグリに初優勝をプレゼントした。しかし、その後はチーム体制の混乱に悩まされて低迷。BMWとの提携が強化された今年、これまでの経験を生かして再び上位に顔を見せる年にしたい。

〇アレクサンダー・シムス (カーナンバー:27)
・国籍:イギリス
・生年月日:1988年3月15日
・フォーミュラE出走数:1、優勝数:0、表彰台数:0、PP獲得数:0
・シーズン4ドライバーズランキング:― (初参戦)

 レース中に眼鏡を着用する珍しいドライバーの一人。GP3までフォーミュラの道を歩んだが、2012年にマクラーレンのファクトリードライバーとしてGTに転向。2014年からはBMW陣営に鞍替えしてイギリスGT選手権を戦った。近年はBMWのGT3使い筆頭格として2016年のスパ24時間を制したほか、北米のウェザーテック・スポーツカー選手権(WTSCC)でもワークスカーを操っている。アンドレッティのリザーブドライバーとしてシーズン3から登録されていたが、シーズン5がフォーミュラE本戦への初参戦のシーズンとなる。シーズン前テストで見せつけた速さをシーズンでも示すことができるかが注目点となりそうだ。

HWA・レースラボ (初参戦)
〇ゲイリー・パフェット (カーナンバー:17) 
・国籍:イギリス
・生年月日:1981年3月24日
・フォーミュラE出走数:1、優勝数:0、表彰台数:0、PP獲得数:0
・シーズン4ドライバーズランキング:― (初参戦)

 2002年にドイツF3のチャンピオンを獲得して翌年国際F3000に参戦したものの、シーズン途中にチームが撤退。同年にF3時代のチームからドイツツーリングカー選手権(DTM)に参戦したことを契機に、以後メルセデスのワークスドライバーとして活躍する。DTMでは2004年にチャンピオンを獲得してからタイトルに手が届いていなかったが、2018年に二度目の王座を獲得してメルセデスの活動最終年に花を添えた。マクラーレンやウィリアムズで長年テストドライバーを務めた経験はあるものの、F1出走経験はなし。今シーズンは37歳ながら久しぶりのシングルシーターへの挑戦となる。

〇ストフェル・バンド-ン (カーナンバー:5) 
・国籍:ベルギー
・生年月日:1992年3月26日
・フォーミュラE出走数:1、優勝数:0、表彰台数:0、PP獲得数:0
・シーズン4ドライバーズランキング:― (初参戦)

 2013年にマクラーレンの育成プログラムに入り、フォーミュラ・ルノー3.5、GP2で活躍。2年間のGP2参戦中に達成した優勝11回、ポールポジション8回はいずれも最多記録である。2016年には日本のスーパーフォーミュラに参戦して2勝を記録、またアロンソの代役として参戦したF1では初参戦ながら入賞を果たすなど適応力の高さを示した。2017年からはマクラーレンでフルシーズンデビューを果たすが、マシンの競争力の低下と共に低迷。2018シーズンを以ってF1を去ることとなった。トト・ウォルフ(メルセデスAMG代表)直々のオファーでフォーミュラEに転向することになったが、F1復帰のためにも活躍が期待される。


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