平安、鎌倉、室町からの示唆
私は日本は比較的古い物語が、原書で読み継がれてきたのではないかと思っている。
それが可能だったのは識字率が比較的高く、母国語の使用が続いていて庶民でも寺子屋や義務教育などで古典に触れる機会があること。古都の名所旧跡からの資料で生活文化を学べる環境があったから。勿論、伝承されたものもあったろう。
その中には、有名な竹取物語や桃太郎から老夫婦が授かる命というテーマもあるし、今昔物語、平家物語、徒然草、方丈記から無常観、政治の混乱や殺伐とした世の中などが決して珍しいことではなく繰り返し発生していると理解できる。
跡継ぎへの問題、窃盗や詐欺、治安や衛生面の不安や不満など現在と変わらない問題も予見できるので、共通認識が高まれば比較的対処法を考えやすいのではないだろうか。
ただ現実は、アルゴリズムによって、見たいもの聞きたいことを突き詰めてしまって解像度は下がるばかり。甘いささやきや誘惑が充満した付和雷同型の世界なのかもしれない。無理が通り過ぎて、不安定になったピラミッドはどこに着地するのだろうか?