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不器用な運動に悩む人は発達性協調運動障害かもしれない。

リハビリ施設で運動を教えていると、「この人、運動が少し不器用だなぁ」と感じることがあります。例えば、ミラーリング運動のように動きを真似するトレーニングでも、うまくできない人がいます。また、力を抜くのが苦手な人もしばしばいます。

こういった人たちは、力を抜いてリラックスするように伝えても、なかなかできません。その結果、本来使うべき筋肉と一緒に、他の筋肉にも力が入ってしまい、動きがぎこちなくなることが多いです。
ストレッチの際も同じようなことが起こります。ストレッチの効果を最大限に引き出すためには、力を抜くことが重要ですが、それが難しい人が多いのです。


発達性協調運動障害を知っていますか?


最近、「発達性協調運動障害」(DCD)という障害があることを知りました。この障害を持つ人は、体の動かし方がうまくいかず、模倣や力の調整が難しいことが多いです。

このことを理解することで、運動が不器用な人たちへの指導が少し変わってくるかもしれません。運動が不器用な人がDCDであるとは限りませんし、可能性は低いかもしれませんが、
力を抜くことや正しい動きを教えるために、もっと工夫や他者への理解が必要なのだと感じています。

参考になるリンクを貼っておきます。

発達性協調運動障害(DCD)とは・基本情報 | NHK ハートネット

調べた内容について簡単にまとめてみました。

発達性協調運動障害(DCD)とは?運動が不器用な人たちへの理解とサポート


発達性協調運動障害(DCD)の特徴

DCDは運動能力の発達が遅れたり、運動の協調が難しかったりする状態を指します。主な特徴としては以下のようなものがあります:

1. 運動のぎこちなさ:
走る、ジャンプする、バランスを取るなどの基本的な運動が難しい。

2. 細かい運動スキルの問題:
鉛筆を持つ、ボタンを留める、靴ひもを結ぶなどの細かい運動が困難。

3. 運動計画の困難:
新しい運動を学ぶのに時間がかかり、一連の動作を計画して実行するのが難しい。

DCDは子供の約5〜6%に見られると報告されています。つまり、教室にいる子供の約1人に1人がDCDを持つ可能性があるということです。

大人への影響

大人についての具体的なデータは限られていますが、子供の頃にDCDを持っていた人の多くは、大人になってもその影響を受け続けることが知られています。大人になっても以下のような困難を経験することがあります。

1. 職場での作業
細かい手作業や素早い動作が求められる仕事が難しい。

2. 日常生活のスキル
料理、掃除、車の運転など、日常生活で協調運動が必要な場面で困難を感じる。

3. 社会的な状況
スポーツやレクリエーション活動への参加が制限されることがある。

適切な支援と介入を受けることで、大人でもDCDの影響を軽減し、生活の質を向上させることが重要です。

運動指導者としてのアプローチ


既述しましたが、
運動が不器用だなと感じる場合、原因は他にもあるかもしれませんが、DCDという障害があることを知っておくことは重要だと考えています。もしかしたら...と思うと、指導のアプローチを変える事ができます。

運動について指導したり、人の身体をケア、サポートしていく上で、この障害について理解することは欠かせません。スクールコーチや教師、運動指導者はもちろんのこと、子どもを育てる親にも是非この障害について知り、理解する心を持って欲しいと思います。

DCDを理解し、適切なサポートを提供することで、運動が不器用だと感じる人たちがもっと楽しく、効果的に運動できるようになることを願っています。

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