「Outer Wilds」がとにかく素晴らしかった話(ネタバレ多分なし)
「Outer Wilds」、DLCであるEchoes of the Eyeまでクリアしまして、あまりにも素晴らしかったので感想を書きます。なぜなら今、クリアした後の余韻ですでにプレイした人の感想を無限に検索して読んでいるため、また私ももれなく布教したいという衝動にかられたためです。なので今回、ネタバレなしの作品紹介とネタバレありの感想を別々に同時に公開しています。
この記事はネタバレなしの作品紹介ですが、それすら読まずに遊んだ方が面白いだろうし、ネタバレの基準は人それぞれなので、すでにOuter Wildsの評判を聞いていて興味があるという人はこの時点で迷わずこの記事をブックマークかなんかに入れて閉じ、すぐにでも遊んでください。
どんなゲームか
信頼できる任天堂Indie Worldの紹介記事をよむのがいちばん。この記事書いてる時点ではまだですがSwitch版も配信予定です。
本当にこの記事の通り。22分を繰り返しながら宇宙を探索し謎を解明していくゲームです。
2023/11/15追記:
ようやくSwitch版の発売が決定しました。12月8日。
けっこう人を選ぶ
Outer Wildsはかなり難しいです。3D空間の宇宙を冒険するので慣れないうちは操作は難しいし3D酔いもあるし、オープンワールドなので全体像を把握するのがとにかく大変。自分も本編クリアに約30時間、DLCクリアに約18時間でランチャーに表示されたプレイ時間は2日を超えました。
ざっくり言うと、好奇心が強い人、ループものが好きな人、宇宙に興味がある人、一人称視点3Dゲーム耐性のある人なら遊べます。逆に言うとそこがダメな人にはどうしてもダメだと思います。残念ですがこればっかりは仕方がない。けっこう人を選ぶゲームなのです。
また、最後まで気になったのは翻訳の質。これでも致命的な誤訳や誤字はなくなったらしいのですが、表現がかたい部分やシンプルに文字の抜けが多く、気になるところが多いです。とはいえ、最後までクリアできるので最低限のクオリティは保たれています。
2023/11/15追記:
2023年9月に配信されたアップデートで日本語の誤字脱字はほぼなくなり、かなり遊びやすくなっています。日本語版の改善を待っていた方もぜひ。
Outer Wildsの何がすごいか①得られるものは情報のみ
このゲームにはキャラクターや設備の強化・レベルアップという概念がありません。また、いくら仕掛けを作動させても時間が来たらループに巻き込まれ、初期状態に戻されます。無限ループのなかで宇宙を探索して得られるものは「情報」のみ。
ループを繰り返したプレイヤーの知識と経験だけで宇宙をサバイブし、謎を解明していく、という面白さがこのゲームには猛烈な密度で詰まっています。
たとえるなら「風来のシレン」。未知の敵やエリアに挑み、万が一持ち物と経験値を失ってもプレイヤーのスキルと知識は失われない。ジャンルは全く違いますがそんな面白さに通じるものがあります。
Outer Wildsの何がすごいか②宇宙の全てが詰まってる
宇宙ってなんかよくわかんないですよね。不気味だったり不思議だったり。
そんな漠然とした宇宙への感覚がしっかり味わえるのがこのゲームの魅力でもあります。
最初は何もわからないまま探索しても謎が増えるばかりなのでかなりしんどいんですが、何とか食らいつきながらプレイを続けていくと本当に少しずつですが点と点がつながり、自分が探索してる不気味で不思議な宇宙のことがわかり始めてきます。このわかり始めるまでが非常にしんどいんですが、これからプレイする方やいったん積んでしまったという方にはぜひ根気よく遊び続けてほしいです。
そうしてたどり着いた結末はとても美しく、日常では味わうことのない感情が体全体を覆いつくします。久しぶりにゲームで肩を震わせて泣きました。
ARGとOuter Wildsの共通点
ARG(代替現実ゲーム)では様々なメディアを通じて情報が提示され、プレイヤーがその断片をつなぎ合わせて物語を読み解く、という手法がしばしば取られます。これを考古学的ストーリーテリングと呼びます。ARGについて詳しくは以下のサイトへ。
Outer Wildsは、そんな考古学的ストーリーテリングに近いものがあります。さまざまな惑星に残る痕跡や情報を整理しつなぎ合わせることで意外な事実が見えてきたり、次にすべきことがわかる。
ARGをプレイする現実の自分がレベルアップしないように、Outer Wildsの主人公もレベルアップしません。ですが、知識や情報を蓄積することで思うようにゲームを進めることができるのです。ここがARGとOuter Wildsの共通点だと思います。ARGゾンビは全員Outer Wildsを遊べ。
そしてOuter Wildsゾンビへ
Outer Wildsはその性質上、ほかの人がどんなプレイをし、どんな感想を抱いたのかがメチャクチャ気になる作りになっています。なので、本編のクリア後とDLCのクリア後にはそれぞれ感想の記事を検索して読みまくる時間が発生しました。
時間がかかるというのと何度も同じことをしそうだという事前の予感から動画配信などはせずに遊んだのですが、今思うとやっておけばよかったと強く後悔しています。他人が見るかはともかく、自分でもどんな順番でプレイしたかをあとで見返したかったなあと思っているので、これから遊ぶ方で環境が整ってるという方はぜひ配信や録画をしながら遊んでみてください。
また、私は先人のOuter Wildsゾンビに助けられました。
Twitterで「詰んだわー」などとつぶやいていたらねとらぼ副編集長の池谷勇人さんが(おそらく)検索から見つけて声をかけていただき、DMでヒントをもらい先に進めた、ということがありました。
この経験から私も、Outer Wildsで詰まってる人を見つけたら積極的にヒントを出しにいこう、と強く思いました。新たなOuter Wildsゾンビ誕生の瞬間です。
作家の砂義出雲さんがヒント用の掲示板を作られていたのですが、びくびくしながらヒントを検索してたため気づきませんでした……。この記事、これからプレイする人のための情報が過不足なく載っててすばらしい。自分もこれを知ってればもっと快適に遊べたのに!というきもち。
そして池谷さんのOuter Wilds紹介記事はこちら。さすが、どんなゲームかが非常にわかりやすい。
さいごに
よかったところ
ループというシステムのおもしろさ
宇宙のすごさ
考古学的ストーリーテリング
物語の美しさ
残念なところ
操作が難しい
慣れてても3D酔いがある
面白く感じ始めるまでがしんどい
こわい(DLC)
人を選ぶ作品ではありますが、ここまで読んで興味を持ったという方はもう本当に遊んでほしい。なかなか味わえない感動と衝撃があるゲームです。わかんないところがあったらネタバレにならないようにヒント出しますからTwitterのDMで言ってください。
そしてクリアしたらネタバレあり感想も読んでね。