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「無難」を越えたところに喜びがあると信じてる。

ぶ‐なん【無難】
名・形動]
危険のないこと。また、まちがいのないこと。また、そのさま。無事。「—な日を送る」「貴重品は持って行かないほうが—だ」

欠点のないこと。特にすぐれているわけではないが、格別欠点も見当たらないこと。また、そのさま。「—な歌い方」「—にまとめた演技

出典:デジタル大辞泉(小学館)

以前、業務委託契約で働いていたWEB広告会社の若き社長と、1対1のオンラインミーティングをしていたとき、私はふと気づいた。

社長の左手の薬指に、見慣れぬ指輪が光っていることを・・・。

当時社長は独身だったはずだが、彼女と同棲中と聞いていたので、知らぬ間に結婚していたのだとしてもおかしくはない。

私は働き始めて1年ほど経った頃だった。
ミーティング後に、社長に思い切って聞いてみた。

「社長、あの、指輪、もしかして・・・」

「あぁ、実はまもなく入籍するので、先につけちゃおうかって妻と話して、つけてるんです」

「わぁ!(聞いて良かった!)おめでとうございます!!!」

という流れで、しばらく社長のおめでたい話を聞かせてもらう時間となった。

あぁ、結婚かぁ、おめでたい~社長夫人、うらやましい~とホクホクしながら、会話の一部始終を夫に話したところ、

「え、よく聞いたね。もし結婚じゃなかったらと思うと私は聞けないな」

「・・・え?」

(何言ってんだ、指輪し始めた人が結婚じゃないことってありうるんだっけか…学生とかならまだしも、社長31だぞ…)

結果オーライ、勇気出して聞いて、社長におめでとうが言えたから、良かったのよ。聞かなかったら、この喜びは味わえなかったんだから。

*****

今週、地域の交流イベントのボランティアスタッフで、年度末の打ち上げのような、茶話会があったので参加した。

イベントの今後の展開として、
もっと子どもの参加者を増やして、地域の関わりを強くしたいですね、という話になり、そこから、登下校時に小学生を見かけたら、声をかけているか、という話題になった。

私よりも10〜20歳ほど年上の女性2人が、
「今時、小学生に声なんてかけたら、声掛け事案として、通報されるもんねぇ?」と言って、挨拶などしていないという。

「え…女性でも、通報なんてされますか…?」
私は唖然として聞いたところ、
「男性も女性も関係ないわよ、ねぇ?」という。

マジ…?
地域交流ボランティアに参加するような、いい意味でおせっかいな人たちですら、そうやって無難を選んで関わりを引っ込めてしまうの?

通報なんて、されないでしょう。
優しそうな女性が、おかえりとか、こんにちは、とか話しかけて、子どもが怖がるの?

怖がるのだとしたら、その子どもの経験が圧倒的に足りてないし、地域の大人が関わらなければ、その経験をさせてあげられない。悪循環じゃないか。

見知らぬ人と話さずに、怪しい、怪しくないのアンテナを、子どもたちはこれからどうやって養えばいいのだろうか。

私は知っている。
子どもたちに笑顔で声をかけたら、元気な声が返ってくることを。
顔見知りの子どもたちには、名前も呼んでいるうちに、笑顔を返してくれるようになることを。

「無難」を越えたら、そこには温かい世界が待っているのに。もったいないんだよ。


「無難なコミュニケーション」シリーズです。
よろしければどうぞ!笑

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