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コミックマーケットに40歳で初参加してから翌年オフィスビルの同人誌でサークル参加に至るまでの話

明けましておめでとうございます。人生で初めてコミケで即売会参加したので熱が冷める前に書いておこうとお正月からなにやら記録を書いてます。

40歳って書いてしまうと大台に乗ってしまう感じですが・・・昨年から一昨年に掛けて温めていた企画がいくつかありました。オフィスビルを17年?18年くらい見てきた自分が公私ともによく言われるのは

「生粋のオフィスビル好きですよね」

と言われるのですがそんな事なくて、オフィスビルの世界に足を踏み込んでからオフィスビルが好きなのかも?と胸を張って言える様になったのはここ数年の事です。

若干のポジショントークもあるのだけど、建築出身でもない自分が東京都内にある無数のオフィスを歩き写真に収めそれらのデータを個人的に収集して土日にデータを打ち込んでそれらを本にするというのは、やっぱり好きなのかもと思います。

オフィスビルにこだわりはじめた理由

僕がこの世界に足を踏み込んだ時にはそれこそオフィスビルの調査でした。オフィスビルの写真を撮りまくるアルバイトがありまして、そのビルの調査(下見)において超人たちが沢山いて、さらにはオフィスビルの師匠みたいな人もいました。

下見の超人は1日にビルを180棟とか写真に収めてきていて自分との差を大きく感じました。僕は1日頑張っても80棟とかそんなもんでした。そもそも大して好きでもないオフィスをずっと写真に収めるというアルバイトだけど沢山やると褒められるのでそれが嬉しくて頑張っていたのがスタートです。


そのまま社会人になってもこの業界で働き、変わらず師匠の教えをまもって毎日ビルを見ていました。社会人になると営業時間は営業しろと言われたので夜に自転車で行ったり、夜中やら土日に下見していました・・・時代ですので察してください(笑)

ただし、自分は凝り性なのでビルを1日5棟、10棟見続ければいつか師匠や超人たちに追いつけるのではないか?と思って、その下見をずっと続けており今も続けています。するとどうでしょう?都内の著名なビルで知らないビルが無くなりました。

18年で9,000~10,000棟はビルを見たと思います・・・多いのか少ないのかわかりませんが・・・

気づくと著名なビルについて詳しくなったのですが、外観と立地と坪単価以外・・・何も知らないのです。

そのビルを造ったいきさつや思想、設計士・設計会社・ゼネコン、ディベロッパー、入居している企業の事を何も知らない。

だからもっと知ろうと2周目からはテナント構成や建築設計やゼネコンの建築手法なども少しづつ研究を始めました。それで10年くらい過ごしてきました。

数人の意気投合した人たちが本にまとめようという話になった

それこそきっかけは、2015年頃にTwitter・Xでの出会った人たちと数人で研究成果を本にして出そうという話になり、そこに僕も参加しました。
ただ、結論から申し上げると知っている人は知っていると思うけど、これは上手くいかなかったというのが実際起きた話です。

元々は、もっと内輪でマニアックな人たちに伝わるオフィスビル研究同人誌を作ろうというのが発端だったのですが話が大きくなってしまい一般に向けてしまったのが良くなかったなと今では思います。

ここは原点回帰してちょっとマニアックでアングラな感じの方が良いのだなと思っていたところ、前回上手くいかなかったデータはそのまま全部引き継いで好きに使って良いよという言葉までもらえました。

大チャンス!

そんなチャンスをもらえたので、これは自分の好きを存分に発表する場としても良い機会だなと思って今回の同人誌冊子製作を始めたのです。まだ夏の暑い中だったので少し朦朧としながら決意固めた気がします。

2023年冬コミ参加

ちょっと時系列がバラバラなのですが、同人誌即売会として一番有名なのはコミックマーケット(通称コミケ)かと思います。

2023年に一般参加で午前チケットを買って調査に行きました。するとこういった漫画やアニメでは無い二次創作外で活動する「評論島」と呼ばれるジャンルがある事がわかりました。

温泉巡りから税金や確定申告の話から声優分析や、グルメ本など沢山のジャンルで個人の方が30ページから60ページくらいのまとめ本やレポマンガを様々なジャンルで書かれていました。

これは面白い・ここならやれるかも

と思ったのです。

だけど、この時はもっと一般層に向けた本を出そうみたいな流れがあったので、ただ冬コミを堪能するという視察に終わったのでした。

コミケ初参加に向けた同人誌作成

そもそも同人誌とはという話ですが下記に記載があったので貼っておきます。要約すると本を出すというか個人でやっている同好会みたいな話で、すごくでっかい規模でやっている自主制作マンガや自主制作小説などのお祭りだと思ってもらえると良いかと思います。

以下が同人誌の定義(抜粋)

同人誌とは、同じ趣味や志を持つ人同士が集まり、同人活動と呼ばれる創作活動から製作をする冊子のことです。プロの漫画家がアマチュア(個人の趣味)として、同人誌を出すこともあります。紙媒体の冊子だけでなく、電子媒体もありますよ。
漫画、アニメーションやゲームの二次創作同人誌のイメージも強いですが、古くは、純文学分野での製作が始まりとされています。明治時代の硯友社の「我楽多文庫」など、小説、文学、俳句や短歌の同好者が発表の場を求めて初めて刊行し、文豪と呼ばれる作家を輩出したことで同人誌としての地位を確立しました。

https://raksul.com/magazine/column/difference-doujinshi-manga/#:~:text=%E5%90%8C%E4%BA%BA%E8%AA%8C%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%81%E5%90%8C%E3%81%98,%E9%9B%BB%E5%AD%90%E5%AA%92%E4%BD%93%E3%82%82%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%82%88%E3%80%82

前回の企画がとん挫して心折れる中、2024年7月くらいから急遽やったるかーという気持ちになって開始したこのコミケサークル参加なのです。

帰宅後の平日の23時~25時くらいをデータ作成とまとめ、土曜日の12時~17時くらいの時間を原稿製作に時間を費やしました。
あとは現地撮影。

オフィスビルの写真を撮るのは晴天と曇天で全く写真の出来が違います。

つまり公式や過去の写真を引用するよりも自分で晴れた土日祝に現地を下見して良い感じのアングルで写真を撮影しないといけないのですがこれが割と厳しかったです。そもそも移動に1時間くらいかかるので今日は天候が良い撮影日だ!とやる気を出さないと実行できない。やっぱりオフィスビルが好きなんでしょうね

そういった事で作り上げた同人誌を頒布(即売会などで販売や無償で渡すことをそう呼ぶ)するために印刷所の登録してみたり紙質を選んだりそれらを発注したり割と手間暇が掛かります。

特にオフィスビルの本はオールカラーで印刷したので割と原価が掛かった印象です。これもやってみなければわからなかった。

コミケではコピーの白黒本でも200円やら500円つく理由が良くわかります。趣味じゃないと出来ない・・・原価計算しちゃったら成り立たないのがこのイベントですね。同人誌即売会は一部のサークルを除いて利益出ないというのは痛いほどわかりました。

いざコミケ(初日へ!)

初日は2次創作やブイチューバーなどの創作本や小物作成のサークルなどが盛んです。

あとはゲームなどエンタメ系やジャンプのパロディ創作などが多くこれらの二次創作巡りをしつつですが今年は人が多かったです。午前入場のリストバンドは手配済みでしたが、視察を兼ねているので11時半くらいの午前と午後の間くらいの入場でしたがすでに入場したら頒布終了や完売の札が付いている壁サークルさんが多く・・・なるほどこれがコミケ午前かと思いました。

コミケ初日
会場内1日目はまだまだまばら・・・

なんとなくイメージや雰囲気もわかり・・・色々準備の足りなさもあったので準備を再度するために早く帰りました。ポップとかテーブルクロスとかは用意したけどもう少し色々持ち込まないといけないなと思ったのです。家で準備してコンビニで印刷してという計画性の無い前日の突貫準備が始まった。

ちなみにこのエリアのオフィスビル好きとしてはしっかり押さえておきたいのは有明ビックサイト前の3棟です。

有明セントラルタワー
有明フロンティアはA棟とB棟に分かれています。
有明フロンティア

良いビルなんですよ。それ以外にもTOC有明やや色々紹介したいビルは沢山あるのですが・・・話がそれました。

事前サークル受付に見本誌を投函して本日は終了

サークル参加した事ないので緊張して事前サークル参加受付をしたのですがこれは当日でもなんとかなった模様。泡沫サークルなので何もわからずとりあえず準備を早くやろうと張り切ってしまった。

いざコミケ(サークル参加へ!)

今回はオフィスビルの同人誌を2つ発行しました。1つは都内の大型オフィスビルをまとめた60棟の本。これは色々あった本を供養する為にも結構自分の思いや自分のこだわりを濃縮したフルカラー本です。結局構成も自分だし上手く出来た部分も失敗した部分もあるけどそれらを含めていまできる最大の出来ではありました。

もう1つは渋谷区に特化したオフィスビルの歴史やら僕個人の好きなビルを紹介するという冊子です。これは表紙がカラーで中身は白黒です。内容はフルカラー本の渋谷版なのですが、なんというか渋谷に色々なオフィスビルがある(過去にあった)というのが紹介できればと思って作成した1冊になります。個人的にはこっちも大分力をいれました。

サークル入場は8:00から・・8時30分にはサークルとして入場が出来ました

果たして需要があるのか・・・?

これは本当に心配でした。独りよがりなオフィスビルのデータブック。しかも業界の人が来るようなカンファレンスでは無い(ある意味日本規模の一大カンファレンスではあるけど)

来場者数は前日が15万人だったそうです。さて今日も15万人きたとして1冊も頒布できなかったとしたら僕の17年-18年の結晶は誰の目にも止まらない徒労に終わるのかもという恐怖や失望が前日からありました。

更に言えば、僕はオフィスビルで働く人を増やしたくてオフィスビルの魅力やこのオフィスビル業界に入ってくる人を増やしたい気持ちでずっと活動していました。だいぶ遠回りな啓蒙活動なんだと自分でも笑っちゃうのですがこの啓蒙活動の1発目で最も大きなフェスで0冊は避けたかったというのが本音です。

それは来場者が決める事なのでまずはサークルのパイプ椅子の追加を申請したり売り子さんにポップの準備や設営などをお願いして(威圧感を少しでも軽減できればと接客得意そうな売り子さんにお声がけをしました)自分は色々会場内を探索してなるべく少しでも大きなポップや目立つ位置はどこか試行錯誤させました。

(もっと前から準備せい!っていう話です)

サークルの隣の方とご挨拶をしてたわいもない雑談をちょっとして・・・リアルでのコミュニケーションは実はとても苦手な自分なのですが・・割と気さくに話してくださってサークルの近い方に恵まれた席でほっとしてさぁ10時半開幕です。

当サークルは「オフィスビルだいすき」という直球なサークル名での参加です。ドキドキしながらついにスタートします。

2冊・・・できれば5冊は頒布したい

自己満足でつくっているけどせっかく準備したのでまず手に取ってほしかったです。そしてなんかええかもって思ってくれたらなと思っているのですが。そもそも初参加なので自己サイトも発表もしていないのでこのサークルを知っているのはコミケカタログかコミケのサイトのみ。
そして、あとはわずかながらの同業者の方々のみです。

そして同業者は来ないだろう

と思っていました。なぜなら僕の告知も遅いし、そもそもこの12月30日には皆さん予定があると思っています。一人のビルオタクの為に数時間の入場列を並ぶとは思えません。だから僕はまだ見ぬ誰かのためにこのオフィスビル好き丸出し解説本を世に広めないといけない・・・・

広まるのか?

そんな疑心暗鬼の中、11時についに1名購入してくれる方が出ました。なんというか、オフィスビル仲介で初契約をしたときのようなホッとした気持ちと自分の本が1名には欲しいと思ってもらえたんだという気持ちでした。

見本誌を読んだうえで買ってくれるって本当に嬉しいですね。という事で合計2冊がここで頒布できたので当初の目的は達成されました!!

なんというか千里の道も一歩からだと思いつつこれで一安心したので僕は売り子さんにお任せして周辺の評論島や西館のオリジナル創作本を買いに行こうと売り子さんに留守を任せて旅立ちます

驚きの売れ行きと完売

定期的に売り子さんから「売れないと思っている本だけどなんか買ってく人がいる、怖い」「なぜ?なんなの」というラインが入るのでまぁ1時間に1冊-2冊売れるんかーーわー良かったなぁと思っていたのですが・・・。

午後になってから様子が変わります。戻ってみると作者と話たいという方がいらっしゃって話を聞いてみると「本社ビルを専門でビル写真を撮っている」という方や、実はお仕事が建築設計で・・・とかゼネコンでというような話をされる方が当サークルを来訪してくれるではないですか!!

これですよ!これ!

こういった方々にしっかり届く冊子になったのが何よりうれしかったです。

まぁそれでもこの冊子がなんの役に立つのかわからないですが業界内でこういった冊子の良さがわかってくれる方や、ビルの写真を撮り続けているという同じような趣味を持つ方と一期一会の出会いが出来たことがとても嬉しかったです。

そして、あれよあれよと来てくださる方がいらっしゃって、14時には見本誌を含めて全ての冊子が頒布完了となりました。

やったー!!

予想もしてなかった、完売しましたのポップを急遽手書き

ちなみにこのポップの左がオフィスビル君右が免震ビル君です。

初参加のコミケは手に取ってくれる方の感想や、そこから購入くださる流れまでがわかるのでとても良い経験になりました。そして趣味としてこの活動を続けていく事にも意義はできたと思います。

願わくば手に取った方の何かの参考になれば良いですし遠い未来や近い未来にオフィスビル業界のどこかでお会い出来たら楽しみだなと思っております。

多分オフィスビルの啓蒙活動をしていて遠回り何だろうけど自分の好きを沢山の人にお伝え出来る機会は少なくそれが少なくとも何かしら手に取ってもらえる事が何にも代えがたい喜びでした。

※追伸※
個人的に一昨年くらいから布教していた「オフィスビルおみくじ」も割と好評でして10名くらいの方がチャレンジしてくれて面白がってくれて、これも予想をしていない成果で嬉しかった。

2024.12.30 サークル オフィスビルだいすき

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