セクシャリティなどに関する個人的なスタンス
私自身、セクマイ当事者で、LGBTQ+のアライでもありますが、同じ立場の人と考えが合わないシーンがもちろんあります。
同じ当事者だからこそ、同じアライだからこそ余計にスタンスの相違がないか不安になるという方も多いかと思います。
ここでは、私個人の基本的なスタンスを書きますので、ご参考にしていただければと思います。
基本情報
・シス女性
性違和はないが、女性であることにこだわりがないので、消極的なノンバイナリーと言えるかもしれない。
・アロマンティックアセクシャル
現実において恋愛や性交渉を望まない。
・フィクトセクシャル(2次元コンプレックス)
女性キャラが主なセクシャルオリエンテーションの対象で、男性キャラがロマンティックオリエンテーション、かつセクシャルオリエンテーションの対象。とはいえ、夢女子ではなく、単なる一般的なキャラオタク。
・イーゴセクシャル
「他者に性的に惹かれず性的関係を望まないものの、性的空想やポルノや自慰などを楽しむことはするという性的指向のことです。」
引用元:エーゴセクシュアル(エーゴセクシャル)/ Aegosexual)とは何ですか? 定義は?
個人的な好悪のスタンス
・いわゆる性嫌悪はないが、AロマAセクとしての体験談は別として、私自身に関する恋愛や性の話題を聞いてこないでほしい(自己身体性への嫌悪感があるため)
・どちらかと言えば、女性同性愛者よりも女性異性愛者の気持ちの方が理解できるが、自らの異性愛者性に嫌悪感がある
・性的対象は2次元女性>2次元男性ではあるが、主に女性の性産業に従事する方の写真や動画も好む
・単なるキャラオタクのため、ロマンティックオリエンテーションの領域でフィクトセクシャルである人と連帯感を持っていいのか迷う(こっちがよくてもあっちは…?)
思想的なスタンス
総合して、あらゆる行動に移さない欲望、もしくは非実在の人物への欲望を肯定しています。また、そういった欲望が実際に実在の人物に対して行動に移される時、すべては潜在的に暴力になりうるものだ、とも考えています。
私自身は実在他者と性交渉を望みませんが、誰かと性交渉を望む人を否定しませんし、性産業に従事する人を肯定します。
実在者へのあらゆる性加害を肯定しませんが、例えば女性キャラクターがスカートをたなびかせている画像が実在女性への性被害そのもの、もしくは性被害を維持する一因になるとは考えません。
以下、具体的な例を書いていきます。
・根源的に全ての恋愛的まなざしの開示や性交渉は暴力になりうるが、同意のある関係だけは例外である。とはいえ、同意のある全ての関係が暴力に該当しないとは言いきれない。
・小児性愛それ自体を忌避すべきもの、性犯罪者予備軍であると扱ってはならない。例えば、同性愛者から異性愛者に対する、恋愛的なまなざしそれ自体を非難するのと同じことであるため。
異性愛者同士であれ恋愛関係が成立しえないのは珍しいことではないし、対象への告白自体が性暴力になる(なりうる)のは、対象が小児である場合に限らない。
チャイルドマレスター(児童への性加害者)のうち小児性愛者であるのは3割にとどまる。実行すると加害となる欲望を持つもののそれを行わないでいることは、程度の差こそあれ全ての人が行っていることである。
・年齢の幼いキャラのイラストそれ自体が非倫理的であると扱ってはならない。年齢の幼いキャラは実在の児童ではない。
・女性キャラを女性一般の表象であると扱ってはならない。女性キャラは実在の女性ではない。
・女性の特定の格好が、本人自身、もしくは別の女性への性被害の原因だと扱ってはならない。
・暴力的なフィクションが好みな人を非倫理的、あるいは潜在的に非倫理的であると扱ってはならない。非同意の表現が好みである男性は性加害願望がある、非同意の表現が好みである女性はその願望があると考えてはならない。
・性産業やその従事者をスティグマ化してはならない。
・恋愛欲求や性欲がないことを人格不全であるとみなしてはならない。恋愛・性的願望のない人に対して「いつか好きな人ができるよ」と言うのも、今は未成熟だという意味に等しい。
・他者と交際している(したことがある)ことが、人格の円熟度を判断する指標であると判断してはならない。個々人が交際する相手を決める判断基準として用いること自体は問題ないが、単純な好悪の話でしかない。
個人的なスタンスに関しては以上です。
個人的な好悪とは別として、一貫して内心の自由や非実在者へのあらゆる欲望を尊重しています。それと同時に実在者への被害はできるだけ減るような仕組みづくりや意識改革を行っていってほしいという考えでいます。
そのためにはまず、「キャラクターは現実の人物の象徴ではない」ということを皆が本質的な意味で理解することが重要だと思っています。
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