作品作りと時間の関係
日常生活では時短や効率を重視しているのに、
作品作りはかなり矛盾している。
私の作る刺繍作品はまさに時間をかけないと完成し得ないもので、
縫ってる最中は途方に暮れてしまうことだってある。
「私、今なんのためにこんなに縫ってるのかな・・・。」
「これ縫ったとて、作品できたとて・・・云々」
作品を見てもらう環境がSNSのみになってきた今となっては、そんな言葉が頭をよぎることが多い。
いいねの数が私の生面線になってきている。
長時間かけて完成したものが納得いかない出来上がりになった時は絶望に浸る時だってある。
うまくいった作品をうまく写真に収められない時もまたしかり。
しかし、時間と作品作りについて考えを巡らす時。
失敗した時間も 全部 ぜーーーんぶ まるっと含めて1つの作品を作る時間と捉えると
作品作りには無駄だと思える時間こそ必要な時間なんじゃないか。
時間や金銭の制約に囚われて無理やり作り出したものよりも
時間をかけて自分と向き合いながら作り出す物の方が納得感と達成感がすごい。
効率を重視して小さなモチーフをたくさん作るより、
大きな作品を時間をかけて1つ1つ仕上げていく。
「うん。これだこれだ」
と思える物づくりができるのだ。
それが物づくりの原点的考え方でもあるんじゃないかな。
作り手の納得感は作品に現れる。
1つ1つ丁寧に愛情込めたものづくりを通して
それに触れ合う人の心と生活を少しでも豊かにできたらと思う。
今日もまた時間と物作りの矛盾に挟まれながら私は針を持つ。
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