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「WebLogic Server standard edition」とか「WebLogic Server Enterprise edition」とか「WebLogic Server Suite」とか。。。なんやねん!
※ この記事は書籍「OracleWebLogicServer構築運用ガイド11g」の内容を自分なりに解釈して記述したものです。
WebLogic Server Standard Edition
エディションの特徴
WebLogic Server Standard Editionは、以前の「WebLogic Server Advanced Edition」と同等の機能を提供。
提供する機能
このエディションは、以下のすべての機能を提供するJava EE(エンタープライズエディション)規格に完全に準拠したアプリケーションサーバーです:
HTTPサーバー機能:
ウェブページを提供するための機能。
サーブレットコンテナ機能:
Javaサーブレットを実行するための環境。
EJB(EnterpriseJavaBeans)コンテナ機能:
EnterpriseJavaBeansを実行するための環境。
単一サーバーのリソース最適化
単一のサーバーでハードウェアリソースを最大限に活用するため、以下の機能を備えています:
アプリケーションごとの処理配分制御:
各アプリケーションに必要なリソースを効率的に配分します。
内部スレッドの自動最適化:
システム内での作業を効率化するために、内部スレッドを自動的に最適化します。
アプリケーションの無停止入れ替え:
サーバーを停止せずにアプリケーションの更新や入れ替えを行うことができます。
追加の機能と利用可能なツール
さらに、高機能AjaxフレームワークであるADF(Application Development Framework)や無償の開発環境もこの製品に含まれています。これにより、最新のウェブ技術を利用したアプリケーション開発や運用が可能です。
WebLogic Server standard editionは、Java EE規格に完全準拠し、単一サーバーでのハードウェアリソースの効率的な利用を実現するアプリケーションサーバーです。これには、重要なウェブ技術や無停止での運用管理機能が含まれ、さらに開発者向けのツールも提供されています。
WebLogic Server Enterprise Edition
概要
WebLogic Server Enterprise Editionは、以前の「WebLogic Server Premium Edition」と同じ機能を提供する企業向けの実行基盤です。これは、複数のサーバーをまとめて制御し、可用性(システムの稼働率)と管理性を向上させるための機能を備えています。
提供する機能
WebLogic Serverのフル機能:
一括デプロイ: 複数のサーバーに対して一度にアプリケーションを配置・更新する機能。
一括管理機能: 複数のサーバーを一元的に管理する機能。
全層クラスター: サーバー全体をクラスターとして運用し、高可用性と負荷分散を実現する機能。
高速Java VM(JRockit):
Javaアプリケーションを高速に実行するためのJava仮想マシン。
問題分析と診断機能: JRockitには、問題の解析や診断を行うためのツールも含まれています。
具体的な機能
HTTPセッションとステートフルセッションEJBのレプリケーションとフェイルオーバー:
セッション情報を複製して、サーバー障害時に自動的に別のサーバーに切り替える機能。
JMS(Java Message Service)の分散メッセージングサポート:
メッセージングシステムを複数のサーバーに分散させて運用する機能。
MAN/WANレプリケーションとサーバーマイグレーション:
地域ネットワーク(MAN)や広域ネットワーク(WAN)間でのデータレプリケーションと、サーバーの移行をサポート。
監視、通知、分析レポーティング:
WebLogic Server、Java VM、レプリケーションの状態を監視し、問題が発生した際に通知し、分析レポートを生成する機能。
JRockit関連の特別な機能
JRockitの監視と問題解析(JRockit Mission Control):
JRockitの動作を監視し、問題を解析するためのツール。
JRockit Flight Recorder:
実行中のアプリケーションの動作を記録し、トラブルシューティングや解析を容易にする機能。
WebLogic Server Enterprise Editionは、大規模な企業向けの強力な実行基盤であり、複数のサーバーをまとめて制御することで、システムの可用性と管理性を向上させます。特に、高速なJava仮想マシンであるJRockitとその診断機能を提供し、システムの監視や問題解決を支援します。
WebLogic Suite
概要
WebLogic Suiteは、複数のハードウェアをまとめて利用し、CPUやメモリといったITリソースを効率的に最適化するためのアプリケーション実行基盤です。これは大規模なシステムや企業向けに設計されています。
提供する機能
WebLogic Suiteは、WebLogic Server Enterprise Editionの全機能に加えて、以下の追加機能を提供します:
インメモリデータグリッド機能(Oracle Coherence Enterprise Edition):
データをメモリ上に保持し、データアクセスを高速化する機能。
JRockitのガベージコレクション(GC)制御機能(JRockit Real Time):
Java仮想マシン(JRockit)のメモリ管理をリアルタイムで制御し、アプリケーションのパフォーマンスを向上させる機能。
Webアプリケーションの高速化と信頼性向上(インメモリセッション共有:Coherence*Web):
セッション情報をメモリ上で共有し、Webアプリケーションの速度と信頼性を向上させる機能。
利用用途
WebLogic Suiteは、次のような用途に適しています:
Oracle Fusion Middlewareの基盤:
Oracleの上位製品群(SOA Suite、BPM Suite、WebCenter Suiteなど)を支える基盤。
Oracle Applications製品群の基盤:
Oracleのアプリケーション製品を動作させるための基盤。
特長
WebLogic Suiteは、以下の特長を備えています:
パフォーマンス:
高速なデータアクセスやリアルタイムのメモリ管理機能により、アプリケーションのパフォーマンスを向上。
対将来性:
拡張性があり、将来のニーズにも対応できる設計。
安定性:
大規模なシステムでも安定して動作する。
リソース効率性:
ITリソースを効率的に利用し、コストを削減。
アプリケーショングリッドの実現:
複数のコンポーネントが連携して動作し、全体の効率性を高める。
要するに、WebLogic Suiteは、大規模な企業向けに設計された、ITリソースを効率的に最適化するためのアプリケーション実行基盤です。これには、データアクセスの高速化、リアルタイムのメモリ管理、Webアプリケーションのパフォーマンス向上などの機能が含まれ、Oracleの上位製品群やアプリケーション製品群を支えるための基盤として利用されます。