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台風災害と保険
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台風10号が各地に大きな被害をもたらしています。
被害にあわれた皆様に心よりお見舞い申し上げます。
台風に近い地域だけではなく、遠く離れた静岡県や神奈川県でも河川の氾濫や土砂崩れ等が発生しています。
雨風とも非常に強い台風とのことですので、十分にご注意ください。
本日は台風被害と保険についてご説明します。
Ⅰ.各地の台風被害
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各地の台風による被害がニュースで報道されています。
・土砂崩れで家屋が倒壊した
・竜巻にような突風で屋根瓦が飛んだり、窓ガラスが破損した
・突風で角材が飛んできて家屋の壁に突き刺さった
・河川が氾濫して家屋の床上まで浸水してしまった
・河川は近くにないが内水氾濫で家屋が浸水した
・道路が冠水して車が動かなくなった
・河川の氾濫で車が泥水につかってしまった
等
昨日も東京都内を車で走行しましたが、豪雨の中、幹線道路が「冠水」により通行止めになっていたり、東京都と神奈川県の境にある多摩川も氾濫しているかもしれないといった水かさで、怖さを感じました。
まだ台風は紀伊半島沖にありますので、十分に注意しください。
Ⅱ.台風災害と保険について
台風10号は、大型台風であり速度がゆっくりであることから、強烈な風や豪雨による被害が各地で発生しています。
台風による被害と保険について、下記にポイントのみ記載します。
詳細は、皆様のご加入されている保険契約の内容をご確認ください。
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①家屋の被害
台風で家屋が床上浸水した、窓ガラスが破損した、屋根瓦が破損した、屋根が破損して家の中が水浸しになった、土砂崩れで家屋が損壊した、等
【 家屋の被害と家屋をお守りする火災保険 】
火災保険の主な補償内容は
『火災・落雷・破裂・爆発・風災・ひょう災・雪災・水災』
による家屋の損害が補償されます。
今回の台風被害に対応する補償は、上記の『風災・水災・落雷』により補償の対象となります。
また最近の火災保険契約では、自己負担額(免責金額)を設定している契約も多くありますので、その場合、確定した損害額から自己負担額を差し引いた金額が保険金として支払われます。
補償内容含め、"お住まいの火災保険の補償内容はどのようになっているのか”、あらためてご確認ください。
(風災)
宮崎県で竜巻のような突風により大きな被害が発生しましたが、台風による被害で一番多いのが強風による家屋の損害です。
尚、長期の火災保険契約(保険期間が30年を超える火災保険等)の場合は、風災の補償がフランチャイズ方式の補償内容となっており、20万円以上の損害が発生した場合に初めて補償の対象となる契約もあります。
火災保険契約の契約時期や保険会社毎に補償内容に違いがありますので注意が必要です。
(水災)
土砂崩れや河川の氾濫、内水氾濫による家屋の損壊は水災の補償対象です。
ただし、多くの火災保険では、『地盤面より45㎝を超える浸水、または損害割合が30%以上の損害』と補償の条件があります(保険会社により条件の差異もあります)。
河川が近くに無いので水災を補償を除いている保険契約も多々あるようですが、河川の氾濫に寄らない内水氾濫もあります。
また土砂災害も水災補償の範囲ですので、ご自宅(家屋)を守る保険として「水災」の補償は必要不可欠です。
保険料が安くなるからと安易に補償を削減するのではなく、一度立ち止まって熟考いただきたいところです。
(落雷)
台風にかぎらず、最近は線状降水帯が発生するケースが多いです。
風雨のみならず雷雲も発生し、落雷による被害もでています。
「落雷によりテレビが壊れた」という損害も補償の対象となります。
②自動車の被害
各地で河川の氾濫等による水害で、駐車中の車両、走行中の車両が水没してしまった損害が多く発生しています。
家屋の損害は火災保険ですが、自動車の損害は自動車保険の補償の範囲となります。
昨日もニュースで水没した車両(購入後3か月の新車だったそうです)の所有者が、「保険(車両保険)に入っているので費用面ではよかった」と話されていました。
【 自動車の水没災害と車両を補償する自動車保険 】
自動車保険は、契約内容により車両保険や人身傷害保険の有無がありますが、基本的には対人・対物賠償保険、人身傷害保険、車両保険がセットされている保険です。
豪雨等により水没した車両は、自動車保険の中の「車両保険」で補償されます。
車両保険は、補償内容の違いにより、「一般自動車」「エコノミー車両保険(車対車+A)」の2種類がありますが、豪雨による水没の場合、どちらの種類の車両保険でも補償されます(呼称は保険会社により異なります)。
自動車保険の車両保険の付保が必須です。
(車対車+Aの車両保険とは)
車対車+Aの車両保険は、一般条件の車両保険の補償範囲を狭くした補償内容になっています(その分、保険料は安くなっています)。
一般条件で対象とされている、ガードレールに接触、車庫入れに失敗等、相手がいない自損事故の場合は、エコノミー車両保険(車対車+A)では補償されません。
また、当て逃げ等の相手が不明な場合も補償されないため、エコノミー車両を『車対車』と呼んでいます(相手の車両等が確認できることを前提として補償するという意味合いです)。
しかし最近では、相手が不明な当て逃げを補償する保険会社もあります。
(車対車+Aの『+A』とは)
では+Aとは何でしょうか。
保険会社により車両危険限定補償特約等の名前で呼ばれていますが、補償内容は、運転者の過失によらない下記の事故類型を「+A」の補償としています。
〈 +Aの補償内容 〉
火災、爆発、盗難、台風・竜巻・洪水・高潮、落書き・いたずら、窓ガラス、飛来中・落下中の衝突 等
*保険会社の新人の頃、+Aの補償内容を「カバ(火災・爆発)とタコ(台風・洪水)、2ソウ(騒じょう・窓)、2ラク(落書き・落下)」と唱えるように覚えました。
Ⅲ.被害にあられた方へ
各保険会社が台風10号による被害を受けられた方向けに、被害に関する連絡や各種相談等の窓口および各種関連情報を、各社ホームページ上に公開していますのでご参照ください。
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