あかね空の帰り道
ある夏の日。
夕陽が子どもたちの帰りの時間を告げている。
わたしの少し前を小学校中学年くらいの女の子が歩いていた。
そして、さらにその前を高学年くらいの男の子が歩いていた。
どうやら兄妹のようだ。
妹は不意に歩くのをやめ、しゃがむ。
どうやら靴紐がほどけた様子だった。
前を行くお兄ちゃんは、全く気づくことなく歩き続ける。
やがて、妹は靴紐を結びなおし、お兄ちゃんを追いかける。
追いついたあと、ふたりとも交差点で立ち止まる。
一緒に安全を確認して、一気にふたりが走り始める。
お兄ちゃんはすこし走るのが苦手な様子。
今度は、妹がお兄ちゃんを置き去りにしていく。
あかね色の道を走るふたりは、どんどん遠ざかっていく。
走っているふたりの影は楽しそうだった。
これからも兄妹仲良くね。