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自分探しの旅 (4) 変わりゆく舞台の行先は

運命を感じた別の出来事は、営業時代、担当していた新製品がヒットした時だった。バブル経済がはじけ、主力製品が下火になる中、私が担当していた開発品に日が当たった。私も、斬新で画期的な工夫をしたことは確かだ。 しかし、ビジネスの命運というのは、7~8割は”運”だということをその時知った。問題は、その時その場に私がいたということだ。私はツイている。何かが私を押し上げている、そう確信した。

それから私は冒険を再開した。舞台は、日本中、そして世界へと広がっていった。米国、シンガポールに住み、訪れた国は数えきれない。       結婚後の15年間だけでも5回の引越し。その度に家族には苦労をかけたと思うが、「家族は離れてはいけない」という私の信条を理解してか、文句も言わず、ついてきてくれた。行く先々で、日本では味わえない感動を共有し、絆も深まったと思う。
外国暮らしということもあるが、妻は家庭に専念してくれた。妻が子供に注ぐ愛情の深さを見ていると、私の母が私に注いだ愛情は一体何だったのか、と思うこともあったが、とにかく、妻のおかげで私は、安心して仕事に専念でき、いくつもの限界を突破してきた気がする。

運命を感じると、人生は平凡ではなくなる。              次から次へと問題が押し寄せるが、同時にチャンスもやってくる。それを正しく組み合わせるだけで問題は解決する。これを繰り返しているうちに、「ああ、また来たか。でもそのうち解決策は見つかるさ」と思えてくる。次々と限界が外されて行き、不可能という概念が消えていく。やがて出来事が起こる意義も理解し、その出来事と自分との関係を考えるようになった。

「自分は何かに導かれている」

私が次になすべきことは・・。 いよいよクライマックスが迫っている。

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(つづく)

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