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愛する娘へ、たくさんのごめんねとありがとうを。#大好きな家族


あなたが産まれたあの日のことを、
ママは絶対に忘れない。
あの時の充足感、達成感、幸福感は、うまく言葉にできないほど、間違いなく人生で一番特別な瞬間だった。

あなたのママになれて、あなたにやっと会えて、
とてもとても嬉しかった。

でも、本当は同時に少しだけ、怖かった。

とうとう、母親という、逃げることが絶対に許されない任務が始まってしまった、
こんな私にできるだろうか、と怖かった。


ママは、ママになるずっと前、うつ病という病気になったことがあった。

それは、ママのお母さん、つまりばーばが、
ママに対して酷いことをたくさんしたからなってしまったんだと思っていたの。

だから、自分がお母さんになるときは、絶対にしないようにしようと心に決めていたことがたくさんあった。

あなたには、ママのように傷ついて欲しくなかったの。


愛されていると感じて欲しかった。

産まれてきたあなたは、本当によく泣いたね。

抱っこをしていないと声が枯れるまで泣き続けるから、ママは24時間ほとんどずっとあなたを抱っこしていた。

疲れても、ママなんだから頑張らなきゃ!と思って
ご飯を食べている間も、夜寝る時も、
ずっとずっとあなたを抱いていた。

パパには、抱っこしなくても自然に泣き止むから大丈夫だと言われたけれど、
少しでも抱くのをやめたら、あなたが不安を感じるんじゃないかと思うと、抱き上げる手を止めることができなかった。


自分を好きになって欲しかった。


ママは自分のことがなかなか好きになれないの。

その分あなたには、どんな自分でも大好きになってほしいと強く思った。

だから、あなたのことをたくさん褒めた。
できないことを指摘するより、できた時にとにかく褒めるようにと気をつけた。

でも、あなたが段々賢くなって、色々ないたずらをするようになってきて、
どこまでは良くて、どこから叱らなければいけないのか、線引きがすごく難しくなった。

感情的に怒ったことも何度かあるよね。
ごめんね。

でもほとんどの時ママの頭の中は、「今、叱らなきゃいけない時?どういう風に言えば伝わる?できれば叱らずに分かって欲しい。でもそれじゃあこの子のためにならない?」って、たくさん葛藤しているんだ。


自分で道を切り開ける人になって欲しかった。


できる限り、あなたが自分でできるようになるのを待とうと思っているの。

でも気づいたら、つい先回りして手を出してしまう。

本当はもう一人で出来るかもしれないのに。
自分で決められたかもしれないのに。

過保護に過干渉に育てられると、自分で決める力がつかなくなってしまうって、ママは自分自身の経験から思うの。

なのに気づくと、手伝ってしまう。
待ってあげられない。

こんな風にしていて、あなたがママのように自分で選択することが怖くなってしまったら…、ママはそれが怖い。


プレッシャーを感じて欲しくなかった。


あなたが産まれた時、健康に育ってくれさえすれば、
それだけでいいと、本気で思った。

でもあなたは周りの子より少しだけ成長が早くて。
言葉が出るのが早かったり、歩けるのが早かったり、
あっという間に大人の言っていることもどんどん理解できるようになったね。

そんなあなたが、とても誇らしかった。
まるで自分がすごいことを成し遂げているようで、鼻高々だった。

次第に、将来どんな風になって欲しいか、そのためには何をしてはダメで、何をして欲しいか、そんなことをたくさん考えるようになった。

もちろん、あなたが将来、本当にやりたいことを楽しんでできるようになったら、それはとても嬉しい。

でも、プレッシャーだけは、かけないと決めていたのに。
ママはそれにとてもとても苦しんだのに。
自分が同じことをしていると気づいた時、愕然とした。

特にあなたはひとりっ子て、ひとりでその重圧に応えなければいけないのに。
もし、ママとパパの期待を既に重たいと感じ始めて、
いい子に振る舞おうとしていたなら、ごめんね。


あの子は君じゃないよ。


ママが、自分がされて嫌だったことをしないように、
自分がされたかったことをしてあげられるようにと考え過ぎている時、パパに言われるの。

「○○(娘)ちゃんは、君じゃないよ。」

そう、あなたはママじゃない。
ママはあなたのように自己主張が強い子じゃなかったし、あなたのように活発でもなかった。

何度パパにダメだと怒られても同じことを繰り返すあなたを見て、性格は頑固で怒りん坊で粘り強くて賢いパパによく似ているなぁと思うの。

それに、ママとパパ両方とも全然違う面もあるよね。
ママもパパも内向的でインドア派だけれど、あなたはとっても社交的で、行動派。

あなたは小さな頃の私じゃない。
あなたという一人の人間なんだ。


全部、私がなりたいものだった。


愛されていると感じたいのも、
自分を好きになりたいのも、
自分の力で人生を切り開きたいのも、
プレッシャーを感じずのびのびと生きたいのも、
全部全部ママだった。

だったら、なればいい。
今からだって、なればいい。
時間がかかっても、少しずつでも、
諦めずになればいい。

それがきっと、廻り廻って、あなたにも伝わる。

ママはあなたをコントロールできない。


別々の人間だから、当たり前だね。

きっとあなたはこれから、どんどん一人で出来ることが増えて、ママの手伝いがいらなくなるね。

そしてそのうち、ママが想像していたことと違う道を歩むことを選ぶようになるのかもしれない。

その時、あなたの本当の気持ちを大切にして支えて応援してあげられるような、そんなママになりたい。




肩の力が入ってばかり、
気を張っては爆発してばかりのママでごめんね。
具合が悪くなった時、ばーばのうちにひとりでお泊まりさせてごめんね。
お料理が得意じゃなくてごめんね。
疲れた顔をしてしまってごめんね。


元気に大きく成長してくれて、ありがとう。
ママを好きと言ってくれて、ありがとう。
ママ、大丈夫?と心配してくれて、ありがとう。
ほっぺにたくさんキスしてくれて、ありがとう。

ママとパパのもとに、産まれてきてくれて、ありがとう。


これからも、きっとたくさんのありがとうとごめんねを繰り返すと思う。

一緒に、成長させてね。

あなたがひとり立ちするその日まで、よろしくね。

大好きな娘へ。



🍀初めて、企画というものに参加させていただきました。
#大好きな家族
これより濃いテーマはないだろうと思うテーマ。
誰について書こうか迷いに迷ったけれど、結局最愛の娘に対する懺悔と感謝の手紙になりました。
知らず知らず、自分の心の奥に眠っていた気持ちを綴っていて、思いもよらぬ気付きがたくさんありました。

江村恵子さん、素敵な企画を本当にありがとうございました!🍀

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