着の身着のままゲーム機

とある休日。某国の閣僚等は非常参集を余儀なくされた。
全員が全員、着の身着のままゲーム機を背負っていた。
寝巻の者、肌着の者、ズボンを履いていない者、格好はまちまちであったが、ヘッドマウントディスプレーを装着してゲーム機を背負っている点は共通していた。

メディアはこの珍事を面白おかしく書き立てた。
「政治はゲームではない」と批判するメディアもあった。
原因究明と再発防止が国会内で何時間も議論された。

閣僚等によれば、メタバース内で緊急の打合せをしていたらしい。
メタバース内で非常参集の連絡を受けた閣僚等は、即刻打合せを切り上げて、メタバース内で着替えて、車に乗って参集したそうだ。

一方、現実世界では、誰一人現地に集まらず、気をもんだ補佐官等が閣僚の自宅に行って、ヘッドマウントディスプレーをした閣僚等をとりあえず車に乗せて運んだのだという。

ところで、ゲーム機業界に大きな補助金が付くらしい。
いったい何のための補助金なのだろうか。