【SS】怪人制御冷や麦
某署近くのうどん屋。
署員が食事をしている。
「怪人から予告状だ。」
「今度こそ捕まえる。」
その晩、とある常連客に出された冷や麦は硬かった。
数日後、
「例の怪人来ないな。」
「あきらめたのか。」
署員の士気は低そうだ。
その晩、とある常連客に出された冷や麦はゆで過ぎだった。
常連客は、店主を見て頷いた。
「フハハハハハ、宝物は頂こう。」
怪人は、警備の穴を縫って宝物を盗んでいった。
「畜生、やられた。」
「なぜ警備の緩みが分かるんだ?」
署員は文句を言いながらうどんをすする。
「でも今度は大丈夫。あの探偵がくるらしい。」
その晩、もじゃもじゃ頭の一見さんは、柔らかめの冷や麦を注文した。
店主が、常連客に硬めの冷や麦を出そうとしたとき、外で大きな音がした。
一見さんは隙を見て常連客用の冷や麦と自分の冷や麦を差し替えた。
それから、怪人が厳重な警備の中に現れた。
うどん屋の店主も捕まっている。
「ようこそ、怪人殿。怪人制御冷や麦のトリックは見破った。」
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