どうしてキッピーはお湯に浮くのか?
我が家の風呂には、キッピーと呼ばれる黄色いひよこの水鉄砲がある。
まるまる太った黄色いひよこは、お腹に空気をため込んでいで、
お湯に沈めると浮かんでくる。
お湯の中でキッピーのお腹を押すと、ブクブクブクと空気を吐いて、
お腹の中に水をため込む。
そして、お腹の中が水でいっぱいになると、
キッピーは浮かんでこなくなる。
息子とお風呂に入ると、キッピーやケロッピー(カエルの水鉄砲)で遊ぶ。
どこにいても何をしても息子の好奇心は止まらず、
格好つけたいパパは、息子の質問にあたふたしながら一生懸命考える。
息子「どうしてキッピーはお湯に浮くんだ?」
パパ「水とか、お湯には浮力が働くからだよ。」
息子「浮力ってなんだ?」
パパ「水の中のものを浮かせる力だよ。」
息子「・・・」
パパ「・・・」
パパ(ん?浮力が水の中のものを浮かせる力だって説明、何にも説明になっていない?浮力について考えたこともなかった。なにか、よい説明は・・・)
パパ「あ、そうだ。息子君は、重力ってわかる?」
息子「ものが下に落ちる。」
パパ「そうそう。パパも息子君も地球に引っ張られてるんだよ。そんで、キッピーも、お風呂のお湯も、地球に引っ張られてるんだよ。」
息子「うん。」
パパ「空気が入っているキッピーと、お湯が入っているキッピーとどっちが重たい?」
息子「お湯が入ったキッピー。」
パパ「それじゃあ、お湯が入ったキッピーと、空気が入ったキッピーは、どっちがより地球に引っ張られるかな。」
息子「お湯が入ったキッピー?」
パパ「そうだね。それじゃあ、お湯と空気の入ったキッピーでは、どっちがより地球に引っ張られるかな?」
息子「お湯?」
パパ「そうそう。そうすると、お湯は下に、キッピーはお湯の上に行くよね。」
息子「ふーん。」
パパ「空に飛んでいく風船ってあるじゃん?」
息子「うん。」
パパ「あれって、風船の中に空気よりも軽いガスが入っているんだよ。」
息子「浮力があるのか。」
パパ「そうそう。多分そうだと思うよ。」
・・・
その後、パパが風呂からあがって浮力について調べたことは書くまでもないことだが、調べてみて正直なところがっかりした。
水中の圧力は物体の上と下で異なるらしいが、なぜ異なるのかわからない。浮力の原因がアルキメデスの原理で説明されるらしいので、それも調べてみたけど、「その物体の押しのけている流体の重さと同じ大きさで上向きの浮力を受ける」という。どうしてそうなるのかわからない。
息子の「どうしてだ?」はパパ譲りなのかもしれない。実はパパも「どうしてだ?」が止まらない。
もしかして浮力って、水の重さと重力だけで説明できるんじゃないか。もしそうなら、空気の重さと重力だけで風船が飛んでいくことも説明できるし、そうすれば、気体と液体の両方に適用できる『浮力』を定義できるんじゃないか。もしかして、気体と液体の違いって大したことないのか。
などど、考えているうちに、夜が更けてきました。
息子の質問に答えるために、パパも一生懸命勉強しなくちゃ。