【SS】鋭利なチクワ
ネリー王国は『トウフの角』という鈍器を持つダーイズ帝国の侵略を受けた。
抵抗は無駄だった。
帝国騎士長トーニューは非常に強かった。
そして今、敵の精鋭が王国の玉座に迫る。
「父上、逃げてください」
「ワシも戦う」
「仕方ない。本気を出します」
帝国の精鋭が王子に襲い掛かった。
王子は、棒の先に鋭利なチクワを付けた槍で応戦し、瞬く間にトウフの角を破壊していった。
武器を失った敵兵は、蜘蛛の子を散らすように逃げていった。
ついにトーニューとの一騎打ちが始まった。
振り下ろされるトウフの角は地面を抉ったが、王子の槍がトーフをの角を貫き、今度は丸腰になったトーニューが拳を振り上げた。
王子はトーニューの拳を避け、槍で突いた。
槍の先端につけた鋭利なチクワは、ヘニョっと曲がった。
刺さるわけがない。
「ここからが本気だ」
チクワがずれ、尖った棒の先端がトーニューに刺さった。
「武器が限界突破したようです」
「皆の者、チクワを外せ!」
王国の反撃が始まった。
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