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『ビッグ・リボウスキ』コーエン兄弟の奇想天外な伝説的コメディ


突然ギャングに脅された無職の男。相手は彼を同姓同名の大富豪と勘違いしていたのだった。彼は本人に賠償を求めて押しかけるが相手にされず。しかしその富豪の妻が誘拐され、彼は身代金の受け渡しを頼まれる。

インターネット・サーバーより

 コーエン兄弟のこの作品はプロットもタランティーノか?ってくらいよくできていて、面白おかしく、観ててよく声出して笑った。
 演出にしても、ロサンゼルスの夜景の上空を飛ぶデュード、ボウリングのファニーな取り入れ方、バッドトリップのビジョンのあり得ない展開など、イカしたところをあげても切りがないが、コーエン兄弟はこの時期本当にキレッキレだった。

無職でもかっこいいジェフ・ブリッジス

 コーエン兄弟についてばかり書いたが、主演のジェフ・ブリッジスのやさぐれたかっこよさも最高。ぼろっぼろになるし、服装も安っぽいんだけどスタイリッシュで、ずっと見てられる。頭に血が登ってばかりのジョン・グッドマン、会話に入ろうとするも、全部無視されるスティーヴ・ブシェミの絶妙な馬鹿な演技。この3人組のバディムービーでもある。
 ロジャー・ディーキンスの撮影のレトロ感(90年代だから公開当時レトロじゃないやけど)あるざらついた映像も味わい深い。
 本当にたくさんの魅力が詰まった映画で、天才的な作品だが、一編の人間ドラマでもあり、ほろ苦さもあり、こうして伝説はできたんだ、と公開から四半世紀経って、冷房の効いた快適な夏のベッドルームで味わいつくした。

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