『ノマドランド』詩の中に生きる。空の下の果てしない大地で。
ヴァンが果てしない大地を走る。幾多の表情を見せる空の下で。カメラは縦軸にも横軸にも果てなきほど広がっており、観るものに大きな広い世界を走らせる。
ジャオは、脚本も演出もおそらく完璧には決めておらず、良い意味でラフで、偶然の奇跡を捉えているよう。
マクドーマンドは多くのショットでそれぞれ違う顔を見せており、しかも自然体で、映画に溶け込んでいる。
夏は終わるように、人生は終わるが、詩の中に生きている限り、永遠の夏はある。素敵じゃないか。ヴァンはないが、僕はどこまでも歩いていくよ。