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『ブロークバック・マウンテン』恋により失い、恋により得た人生

 アメリカ中西部の広大な山地を舞台にした、2人の男のフラジャイルな恋。結婚生活が上手くいかなかったのは、彼ら2人の気質か?それとも、秘密の恋の時間があったからか?その両方か?
 ヒース・レジャーはほぼ表情を変えず、ときに変えた瞬間、エモーションが爆発していた。ギレンホールはすぐに所作にあらわれる役で、2人の交錯する演技と一線を越える際のリアルさが最大の見もの。
 同性愛を異質なものというより、誰でも踏み越えてしまう近いものとして描かれているようで、観ていてどこか居心地が悪くもあった。そんなストレスを解き放つのは、ブロークバック・マウンテンの広大な自然だった。   
 そして最後に、2人が着ていた思い出の服を見つめながらの、彼の言葉が救いであり、この映画の希望だった。

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