包括利益の表示

「包括利益」とは、ある企業の特定期間の財務諸表において認識された純資産の変動額のうち、当該企業の純資産に対する持分所有者との直接的な取引によらない部分をいう。当該企業の純資産に対する持分所有者は、当該企業の株主のほか当該企業の発行する新株予約権の所有者が含まれ、連結財務諸表においては、当該企業の子会社の非支配株主も含まれる。

包括利益の表示の導入は包括利益を企業活動に関する最も重要な指標として位置付けることを意味するものでなく、当期純利益に関する情報と併せて利用することにより、企業活動の成果についての情報の全体的な有用性を高めることを目的とするものである。また、「包括利益の表示に関する会計基準」は、市場関係者から広く認められている当期純利益に関する情報の有用性を前提としており、包括利益の表示によってその重要性を低めることを意図するものではない。

その他の包括利益の内訳項目は、その内容に基づいて、その他有価証券評価差額金、繰延ヘッジ損益、為替換算調整勘定、退職給付に係る調整額等に区分して表示する。ただし、持分法を適用する被投資会社のその他の包括利益に対する投資会社の持分相当額は、一括して区分表示する。

その他有価証券評価差額金に関する組替調整額は、当期に計上された売却損益及び減損損失等、当期純利益に含められた金額になる。

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