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分権組織

事業部長の業績測定においては、全社的な利害と事業部の利害が対立しないという目的生合成の観点から、投資利益率よりも残余利益が好ましいといわれる。 現代の代表的な組織構造は、職能別組織と事業部制組織に大別される。事業部制組織は、一般に分権的色彩の強い組織形態である。 本社費・共通費の各事業部への配布において、実務上、売上高など負担能力を示す配布基準が採用されることがある。 事業部長の業績測定において、残余利益は、管理可能利益から管理可能投下資本にかかわる資本コスト額を差し引

    • 差額原価分析

      差額原価分析では、代替案ごとに金額の異なる未来原価のみ集計する。 差額原価分析では、過去原価を差額原価に集計することはない。 機会原価は、現実の貨幣支出と結びつけて理解される支出原価概念と異なり、財務会計機構に組み込まれない。 埋没原価とは、意思決定において関係のない原価をいう。意思決定において、原価の全部または一部を考慮外におき、差額原価として取り扱わないとき、それが埋没原価とされる。

      • 直接原価計算 - CVP分析

        我が国の「原価計算基準」では、総合原価計算において、必要ある場合には、一期間における製造費用のうち、変動直接費および変動間接費のみを部門に集計して部門費を計算し、これに機首仕掛品を加えて完成品と期末仕掛品とに按分して製品の直接原価を計算し、固定費を製品に集計しないことができる。この場合、会計年度末においては、当該会計期間に発生した固定費額は、これを期末の仕掛品および製品と当年度の売上品とに配賦する。 費目別精査法とも呼ばれる勘定科目精査法は、過去の経験をもとに個々の費用項目

        • 個別原価計算

          自家用の建物、機械、工具等の製作又は修繕、試験研究、試作、仕損品の補修、仕損による代品の製作等に際しても、これを特定指図書よ発行して行う場合は、個別原価計算の方法によってその原価を算定する。 個別原価計算では、労働が機械作業と密接に結合して総合的な作業となり、そのため製品に賦課すべき直接労務費と製造間接費とを分離することが困難な場合その他必要ある場合には、加工費について部門別計算を行い、部門加工費を各指図書に配賦することができる。 個別原価計算では、特定指図書について個別

          部門別計算

          原価計算とは、原価の発生を機能別、責任区分別に管理するとともに、製品原価の計算を正確にするために、原価要素を分類集計する計算組織上の区分をいい、これを諸製造原価と諸補助部門とに分ける。 補助部門とは、製造部門に対して補助的関係にある部門をいい、これを補助経営部門と工場管理部門に分ける。工具製作、修繕、動力等の補助経営部門が相当の規模となった場合には、これを独立の経営単位とし、計算上製造部門として取り扱う。なお、副産物の加工、包装等の製造等を行わなういわゆる副経営は、製造部門

          部門別計算

          製造間接費の配賦計算

          我が国の「原価計算基準」において、個別原価計算における間接費は、原則として部門間接費として各指図書に配賦する。また、原則として予定配賦率を使用する。 生産設備が基準操業度の水準で稼働している場合、製造間接費予算について公式法変動予算を使用しても固定予算を使用しても、その予算差異の金額は等しくなる。 経営活動に関する比較的長期の実績数値を統計的に標準化し、これに将来の趨勢を加味した創業水準は正常操業度と呼ばれる。 我が国の「原価計算基準」では、予定配賦率の計算の基礎となる

          製造間接費の配賦計算

          原価計算基準

          経営の基本計画および予算編成における選択的事項の決定に必要な特殊の原価、たとえば差額原価、機会原価等を随時に統計的、技術的に調査測定することも、原価計算制度の範囲外に属するものとされる。 実際原価は、厳密には実際の取得価格をもって計算した原価の実際発生額であるが、原価を予定価格等をもって計算しても、消費量を実際によって計算する限り、それは実際原価の計算である。ここに予定価格とは、将来の一定期間における実際の取得価格を予想することによって定めた価格をいう。 製品原価とは、一

          原価計算基準

          分権組織

          事業部自体の業績測定の観点からは、ROIの方がRIよりも優れているといわれる。 職能別組織では、各部門はコスト・センター及びレベニュー・センターとして位置付けられる。これに対し、事業部制組織では、各事業部はプロフィット・センターまたはインベストメント・センターとして位置付けられる。 事業部制を採用している日本企業のなかには、事業部から本社への社内金利の支払を行わせて、資金や資産の有効活用を図ってきている企業がある。この仕組みが社内金利制度である。 事業部制組織において、

          設備投資意思決定

          設備投資意思決定モデルには、時間価値を考慮しない方法と時間価値を考慮する方法がある。時間価値を考慮しない方法には、回収期間法、投資利益率法などがあり、時間価値を考慮する方法には、正味現在価値法、内部利益率法、収益性指数法などがある。 正味現在価値法と内部利益率法は、単一の投資案の採否については、同一の決定を下す。 内部利益率法に基づき単一の投資案の採否を検討している場合、その投資案の内部利益率と資本コストを比較し、内部利益率が資本コストよりも大きければ採用と判断することに

          設備投資意思決定

          予算管理システムと部門予算

          部門予算の編成は、通常、販売予算、製造予算、購買予算の順で行われ、販売計画に従って製造計画が作られ、製造計画に従って購買計画が作られる。 予算の機能には、一般に計画機能、調整機能、統制機能があるといわれる。ここで、統制機能において予算は、経営活動を実行した個々の従業員、部門管理者のみならず、事業部活動や企業活動全体の業績を判断する枠組みとしての役割を果たす。 予算管理システムの体系において、その中心をなすものは総合予算である。総合予算は、企業全体の総合的、期間的利益計画と

          予算管理システムと部門予算

          管理会計総論

          会計情報システムの提供する情報のタイプは、実績記録情報、注意喚起情報、問題解決情報に分類される。実績記録情報と注意喚起情報は、財務会計目的にも管理会計目的にも利用される共通の情報であるが、注意喚起情報と問題解決情報は、管理会計目的固有の情報である。なお、注意喚起情報とは、計画と実績とを比較し、差異を明らかにすることによって、経営者の注意を喚起する例外管理のための情報である。注意喚起情報は、予算管理や標準原価管理で必要となる。また、問題解決情報とは、将来取りうる代替的コースの選

          管理会計総論

          原価計算基準

          標準直接労務費を算定する上での製品単位当たりの標準時間については、製品の生産に必要な作業の種類別、使用機械工具、作業の方式および順序、各作業に従事する労働の等級等を定め、作業研究、時間研究、その他経営の実情に応ずる化学的、統計的調査により、製品単位当たりの各区分作業の標準時間を定める。標準時間は、通常生ずると認められる程度の疲労、身体的必要、手待等の時間的余裕を含む。 製造間接費の標準は、部門別に部門間接費予算として算定され、その部門間接費予算は、固定予算又は変動予算として

          原価計算基準

          原価計算基準

          総合原価計算では、工程間に振り返られる工程製品の計算は、予定原価または正常原価によることができ、また必要がある場合は期末仕掛品を予定原価または正常原価をもって評価することができる。 等級別総合原価計算において、原価要素別に定めた等価係を個別的に適用せず、重要性を加味して総括した等価係数に基づいて、一週間の完成品の総合原価を一括的に各等級製品にあん分して、その製品原価を計算することはでできる。 組別総合原価計算では、異種製品を組別に連続生産する生産形態に適用する。組別総合原

          原価計算基準

          費用別計算について

          直接材料費、補助材料費等であって、出入記録を行う材料に関する原価は、各種の材料につき原価計算期間における実際の消費量に、その消費価格を乗じて計算するが、継続記録法の適用が困難なもの又はその必要のないものについては、たな卸計算法を適用することができる。 材料の原価購入は、原則として、購入代価に買入手数料、引取運賃、荷役費、保険料、関税等材料買入に要した引取費用を加算した金額又は、これらの金額に購入事務、検収、整理、選別、手入、保管等に要した費用を加算した金額によって計算するが

          費用別計算について

          原価計算基準

          企業の原価計算制度は、真実の原価を確定して財務諸表の作成に役立つとともに、原価を分析し、これを経営管理者に提供し、もって業務計画および原価管理に役立つことが必要とされている。したがって、原価計算制度は、各企業がそれに対して期待する役立ちの程度において重点の相違はあるが、いずれの計算目的にもともと役立つように形成され、一定の計算秩序として常時継続的に行われるものであることを要する。ここに原価計算に対して提起される諸目的を調整し、原価計算を制度化するため、実践規範としての「原価計

          原価計算基準

          帳簿組織について

          決算振替の方法には英米式締切法と大陸式締切法があり、英米式締切法に比べ大陸式締切法の方が転記の正確性に対する検証能力が高いと言われる。例えば、仕訳帳に記帳した仕訳を総勘定元帳へ誤って二重に転記した場合、英米式締切法では当該誤りを発見することはできないが、大陸式締切法では発見することができる。これは、英米式締切法では、正しく転記を行っていても仕訳帳の合計金額と合計試算表の合計金額は一致しないためである。 仕訳帳から総勘定元帳への転記が正しく行われていることを検証するために試算

          帳簿組織について