B.LEAGUEアリーナ探訪: 西宮ストークス編
4月2日時点で東地区の4位である西宮ストークスと同1位にしてB2二地区間1位である我らがアルティーリ千葉の今シーズン5、6戦を観戦。
この2試合で今シーズン西宮ストークスの試合7試合観ることになる。
アルティーリ千葉との試合はホーム、アウェーを問わず観ているので本来なら6試合となるところだが、西宮市立中央体育館での対越谷戦も観戦したので数字が狂う。
千葉県印西市での2試合、宝塚市立スポーツセンターでの2試合を経て、初めての西宮ストークスのホームアリーナである西宮市立中央体育館での越谷戦はなかなかのカルチャーショックだった。
ゴールエンドから間近で容赦なく審判にヤジが飛ぶ様はもしや阪神タイガースのオフシーズンはストークスを応援しているのではと思えるぐらいによく言えば人間味に溢れていた。
脱線が過ぎたが4月8日と9日は西宮ストークスの運営が「4000人で闘おう!KOBE満開プロジェクト」の名の下に勝負に出た。
神戸市営地下鉄西神・山手線の終点駅にあるニュータウンの西神中央駅の三宮寄りの手前に位置する総合運動公園駅にあるグリーンアリーナ神戸での開催。
千葉ジェッツふなばしや東京ユナイテッドBCの試合で4,000人以上を呑み込んだアリーナの体験はあるが楽しみでしかない。
今節は三人で観戦。
まずは金曜日の7日に神戸入りしてアルティーリの応援仲間の友人と合流。
神戸は年に30回近く来ることもあり、観光がてら案内しようと考えていたが、生憎の雨のためレンタカーを借りて軽く観光を。
観光といっても神戸ポートアイランドに位置する来シーズン限定で西宮ストークスが使用するワールド記念ホールを観てから何が考えようという軽いノリ。
ワールド記念ホールは正式名称を神戸ポートアイランドホールといい、神戸空港がある神戸市中央区の人工島であるポートアイランドにあり、その外観は重厚というか風の谷のナウシカの王蟲というか、とにかく異彩を放つ造形。
ちなみに収容人数は8,000人とのことだが、バスケットボールのコートを設営した際に何人入るかは分からない。
名称のワールドは神戸市に本社がある㈱ワールドが建設にあたり20億円を寄付したことに由来する。
軽く外観を見学した後に明石へ向かう。
途中、ヴィッセル神戸のホームスタジアムであるノエビアスタジアムを観るために寄り道しつつ2号線に。
サッカーは代表戦ならテレビ観戦する程度のライト層なので建物が凄いという以外に余り込み上げてくるものとかはなかったりする。
国道2号線沿いに海が見えてきてしばらく走り、これがブルータス誌の企画で安藤忠雄が建てた4m × 4mの家、あれが135度の日本標準時子午線の直上に建設された『明石市天文科学館』でカールツァイスのマニュアル式のプラネタリウムがある、これが『燃やしてしまえ』交差点だよ、などと車を停めもせずに雑に案内。
途中、小腹が減ったので明石駅最寄りの魚の棚商店街のとり居で玉子焼(明石焼)を食べたりしつつ車を進める。
神戸市西区は玉津ICもよりにあるお気に入りの珈琲豆焙煎所『Fist Bump Coffee Roastery』に寄って珈琲豆を調達。ここは数年間神戸に来る度に豆を購入しているお店で、オーナー焙煎士に相談すれば自分好みの豆が見つけられること請け合い。
そうこうしているともう一人から伊丹空港に着いたと連絡があり、三宮のホテルにて合流して阪神電車にゆられつつ甲子園球場駅へ。
今回のバスケ旅はプロ野球観戦のオプション付き。
正直、かつては熱狂的な中日ドラゴンズ・ファンだったが、今では地元の千葉ロッテマリーンズの試合を何となく年に1回観戦に行く程度で、阪神タイガースも相手の東京ヤクルトスワローズにも何の思いもない。
タイガースの信者のつどいとスワローズに在籍する熊本のありがたい神様のお告げもといホームランを観てみたいというのはあって、一緒に観に行くことにしていた。
天気予報の信頼を失わせる様に雨が止むことはなく、駅を降りてグッズ売り場で応援グッズのカンフーバットを買って入場口に。
信者は祭服ならぬタイガースの雨ガッパを着てありがたい試合を観戦しているが、殆どの時間を通路で過ごして雨がおさまってきた3回あたりから途中座席に着くも余りの寒さに7回表に一人退散して駅前のスタバに。
もちろんマイストアスタンプを集める目的も。
近くの普通は東京読売ジャイアンツみたいな橙色のはずの吉野家が黄色かったりと流石は猛虎信仰のメッカだけのことはあり、スタバの店舗内にも虎の絵が飾られている。
タイガース信者の信仰心を試すかのごとく試合終了に合わせた様に雨は上がったのが印象的。
ところでアルティーリ千葉アパレル類は試合会場で販売されているベーシックラインの他にスポンサーでもあるZOZO TOWN限定発売のプロラインがある。
こちらはベーシックラインに比べて価格的に財布は薄くなるが生地は肉厚で作りがいい。
フーディー×1、Tシャツ×2、スカーフタオルにオーセンティックユニフォームにハリセンとお泊まりグッズ、B5ノートPCといった内容だけで呑み込む量が半端ではなく多いはずのCote&CielのISAR Lがパンパンになるぐらい。
明けて、西宮ストークス対アルティーリ千葉のゲーム1の日。
神戸市中央区御幸通5丁目にあるお気に入りのブーランジェリー、ル・クロワッサン・ド・バカンスでアリーナ飯を事前に仕入れ、レンタカーを借りて六甲山山頂へ。
六甲山山頂はおよそ3年ぶり。
安藤忠雄の教会三部作の一つである旧オリエンタルホテルの庭園内に建てられた風の教会の限定公開の時以来。
同行する二人は六甲山は初めてなので雑に景色を見せた後に教会に向かう。
今は立ち入り禁止のため、建築の一部が木々の隙間から覗くだけだったが感慨深い。
下山して昼食。
3人中2人が阪神タイガースの熱烈なファンなので、かつてタイガースに在籍していたランディ・メッセンジャーがお気に入りで登板前にいつも食べに行っていたという二宮の中華そば丸高に。
この店は和歌山ラーメンと味付けの濃い炒飯がウリ。
一時期、これに凝ってしまい神戸に来る度に通っていたぐらい中毒性が高い。
店内にはメッセンジャーのサイン入りユニフォームと、今年から広島カープで指揮をとる新井貴浩のユニフォームが飾られている。
いざグリーンアリーナ神戸へ。
新神戸駅とかつてのニュータウンである西神中央を結ぶ神戸市営地下鉄西神・山手線の総合運動公園前駅に位置している。
駅構内の改札の外にコンビニはあるが、混むので先に仕入れておけばよかった。
ちなみにストークスの興行は西宮市中央体育館もここもアルコールを含む缶類の持ち込みは自由。
アリーナに向かう道中のかなりの人の多さから、4,000人近く集まるのでは、という期待が湧いてくる。
アリーナの外観は信州ブレーブウォリアーズのホワイトリングを彷彿とされるアダムスキー型もといUFOライクなもの。
正式名称を神戸総合運動公園体育館といい、収容人数は4,852人。
いつもの如くアウェーのアリーナで観るアルティーリの選手たちの白いユニフォームに新鮮さを覚えつつ、座席へ。
1階席は収納式の折り畳み席だが、かなり造りが良いので助かる。
如何にも関西のアニキ的なお馴染みANI MCの司会進行によってティップ・オフまで。
この日は兵庫県知事に加えて神戸市長も来賓として来ており挨拶を。
神戸市長は新アリーナにも言及し、ストークスへのサポートを約束していた。
肝心の試合はジョーダン・ハミルトンの3ポイントシュートが先導するストークスの攻撃に始終押され気味なアルティーリが4Qで爆発して逆転した。
序盤はファウルの少ない展開でゴリゴリ来るイメージのストークスにしては意外な様相。
最終的にはトレイン・ポーターがファウルアウトするなどファウルトラブルを招いた。
終わってみれば、76-87でアルティーリの勝利。
アルティーリのパスワークが冴えていたのと大事なところでファウルをもらえたのが功を奏した。
立ち見客まで出て相当入っていると思われた観客は軽く4,000人を超えて4,607人。
バスケットボール観戦後はアルティーリの勝利を肴にして酔うために三宮の老舗居酒屋である森井本店に。
日本の居酒屋100選という本で紹介されたこともある老舗中の老舗。
三宮で一人で呑む時は大概ここに来ることにしている。
おいてある店が少ない金盃の樽酒が何よりもお勧めだが肴も美味い。
お気に入りは蓮根のはさみ揚げ、どて煮などなど。
酢でしめた刺身は由緒正しく"すし"と呼ぶのが流石は老舗。
普通に鮨と言われてイメージするのは握り鮨であったり、箱鮨や押し鮨。
仕事が為された刺身である鮨がベース。
2軒目はバーテンダーが別な店にいた頃から贔屓にしているBar Blickに。
店内ではちょうどAmazonプライムでの寺司拳四郎の世界戦が始まったところ。
まずは馬鹿の一つ覚えのテリー・レノックスに教えてもらったギムレット。
"I suppose it's a bit too early for a gimlet." ということもない時間。
続けてアードベッグをトゥワイスアップ。
初見のお客さんを交えて映画の話、ボクシングの話、そして阪神タイガースと西宮ストークスの話で盛り上がって退散。
やけにスポーツに詳しいお客さんと新開地の映画館での名画リバイバルにハマっているお客さんとはまた呑んでみたい。
ゲーム2。
プロ野球&バスケ観戦旅を共にする三人のうち一人がここで欠ける。
高速バスで伊丹空港へ。
アルティーリ仲間が姫路城を見たことがないので新快速に揺られて一路姫路に向かう。
この日のティップオフは14時からのため、姫路駅に到着次第に真っ直ぐ姫路城に向かって簡単に見学をして退散。
思えば初めて姫路城の城内を見学したのは20年ぐらい前の話。
3月の熊本城の雄々しさに比べ、歌舞伎の女形の様な優美な白鷺城。
城マニアでなくても一度は見ることをお勧めする。
乗り換えに手こずって到着したのはティップオフの20分ほど前。
1時間前に着いた前日とは違い入場口には長蛇の列が。
これは昨日の観客数を超えるのではとの期待が膨らむ。
そして、招待してあった勤め先の神戸の二人と合流。
一人は同じ部課の若手で既に2月の宝塚で試合を観戦した経験あり、もう一人はB.LEAGUEしいてはプロ・バスケットボールの試合観戦が初めてだが、このグリーンアリーナ神戸にて実業団バレーの試合でコートに立ったことがある。
神戸市他兵庫県在住の二人はストークスの応援。
試合は2Qまでストークスに前を行かれるも、3Qで逆転し終始差をつける展開。
最後は杉本慶を経由したスティールをイヴァン・ラベネルが単騎駆けからのダンクとほぼ同時に4Qは競る場面もあったが、終わってみれば81-88でアルティーリの完勝。
ジョーダン・ハミルトンのスリーが不発に終わる場面が多くドライブを多用していた印象。
アルティーリはキャプテン大塚裕土が顔に相手の肘が入ったらしく途中でコートを去ったが試合終了時には戻ってきていたので一安心。
ティップオフ前に席に着いて見回した際に昨日より多い様に見えたが、やはりというか5,443人のB2新記録だった。
立ち見客も多かったし、アリーナ内が円形の様にコートを取り囲んでいるので実際の人数以上に圧力を感じて迫力がある。
両日共に応援するアルティーリ千葉が勝利を納めた一方で試合後に悔しさを隠すことなく挨拶を行う森山HCと選手たち。
西宮ストークスのyoutubeチャンネル『STORKS CHANNEL』はお笑い芸人が出ている番組なんかよりもずっと面白く、自分自身が熱心なチャンネルのファンのため、普段は明るく愉快な選手や気さくなHCのこういう姿を見るのは忍びない気分に。
神戸、しいては兵庫県は頻繁に訪れるので余り目新しさはないが、それでも初めてのグリーンアリーナ神戸は試合内容も含めて素晴らしかった。
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