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パペットと話してみよう(毒親編)

では、本日のご相談内容です。
ペンネーム『毒親育ち』さんからのお便りです。

「堯友さん、こんにちは。私は世間でいうところの毒親の元で育ちました。母から、毎日のように『かわいくない子だ』『あんたなんか、幸せになれっこない』と言われて育ちました。肉体的な虐待こそ無かったものの、今でも母の言葉は私の心に焼き付き、ことあるごとにフラッシュバックします。私も社会人となり、実家とも距離をとっていますが、『自分なんかが幸せになっちゃいけない』って強く思ってしまいます。どうすればいいでしょうか」とのことです。

では、ですね、早速、わたくし堯友とパペットのオーちゃんこと、オータス君でこの方の悩みを紐解いていこうと思います。

「さて、オーちゃん、今回のお便り。『毒親育ち』さんのお話、どう思ったかな」

オータス君『そもそも、どうしてお母さんは自分の子供にこんなひどい言葉を言ってたんだろうね。不思議だねぇ』

「うん、そうだね。僕もごくごく普通の家庭で育ったから、子供に平気でこういう事を言っちゃう人って、どうしてなんだろうって疑問に思うよ」

オータス君『堯友さーん、何か良い智慧はないかなぁ』

「そうだね。観音経というお経の一節に ”呪詛諸毒藥  所欲害身者 念彼觀音力  還著於本人(呪いや毒薬で人を害そうとしても 観音様の力を念ずればそれはたちまち、本人の元に還っていく)”という言葉があるんだけどね、人に投げかけた悪い言葉っていうのは、自分にも跳ね返ってくるんだよ」

オータス君『そうなんだね。じゃ、この『毒親育ち』さんの場合だと、お母さんはお嬢さんに『かわいくない、幸せになれない』って言葉を投げかけると同時に、自分自身にも同じことを言ってるってこと?』

「そういうことなんだ。お母さん自身が自分のことを『かわいくない、幸せになれない』って思いこんでるってことでもあるんだよ」

オータス君『だからなんだ。自分が幸せじゃないのに、子供だけ幸せになるのが悔しいから、呪いの言葉を投げかけてるのかなぁ』

「オーちゃん、すごく良い発想だと思うよ。きっと、お母さんは満たされていないんだろうね。もしかしたら、旦那さんが家庭を顧みないようなタイプで、一人で悶々としているのかもしれないよ」

オータス君『なるほど。他に理由になりそうな事ってあるかな?』

「うーん、そうだね。お母さんの詳細が分からないから、断定はできないけど、例えば専業主婦をされているのなら家庭だけが居場所みたいなものだよね。そこで、味方であるはずの旦那さんは自分に全く構ってくれない」

オータス君『うんうん』

「仮にお母さんが働きに出ていたとしても、やっぱり職場や近所付き合いが上手く言ってなくて、そこでも不満をため込んでしまう。そのはけ口を子供にぶつけているのかもしれないね」

オータス君『なるほど。でも、そういうケースってどうすればいいんだろうねぇ』

「ちょっと難易度が高いんだけど、お母さんと「毒親育ち」さんの両方の心を癒さないといけないね。それで、健全な親子関係に持っていけたらベストだね。さぁ、オーちゃん、どうすればいいかな」

オータス君『難しい事は分からないけど、僕はヌイグルミだし、ギュッとされたり、頭をなでなでされると嬉しいし、癒されるよ』

「おぉ、いきなり核心をついてきたね。きっとお母さん自身が『誰にも愛されていない』っていう自己不全感を抱いているのが根本の原因なんだよね」

オータス君『お母さんも、寂しがってるってこと?』

「そうそう、本当は愛されたいのに、誰からも愛されてないって思いこんでるんだ。旦那さんも、もしかしたら家庭を顧みないほど働いているのは家族に不自由な暮らしをさせたくないからかもしれない」

オータス君「自分の仕事のことでいっぱいいっぱいで、家族の気持ちにまで心を向けられないんだね」

「あくまで、可能性の問題だけどね。感情表現の苦手な男性って多いからね。愛とか好きとか、口にするのが恥ずかしいって思ってるというか」

オータス君『うん、それ、多分、堯友さんにも言えるよね』

「あー、今回は僕のことには触れなくてもいいからね。だからね、「毒親育ち」さんには、いきなりはハードル高いかも知れないけど、一度母の日にでもお母さんを抱きしめてあげて『お母さんも寂しかったんだね。大丈夫、愛してるよ』って言ってあげてほしいんだ」

オータス君『それで、何かが変わるのかな』

「うん、きっと変わるよ。少しずつだけど、お母さんの心の鎖が外れていくと思う」

オータス君『そうなるといいね。僕も応援してるよ』

「というわけで、毒親育ちさん、どうかお母さんの凍り付いた心を少しずつ、溶かしてあげてください。それと同時に、あなたの心もほどけていくと思います。頑張ってくださいね」


※このお話はパペットカウンセリングの一つのケースとして、架空のお問合せを想定して作りました。こういう風にパペットと対話をしながら、自分であったり、相談者の問題を掘り下げていくのがパペットカウンセリングのひとつの方法です。
具体的な結論が出なくても、日常のグチや悩みをパペットにきいてもらうだけでも、気持ちが安らぐと思います。

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