ブックナビクラブで紹介された本
メンバーズ・コミュニティ「ブックナビクラブ」の2023年最初の定例会が、1月14日に開催されました。そこで取り上げられた本を紹介します。
一冊目は、イアン・ブレマー氏の『危機の地政学』を三林さんが紹介してくれました。
人類が今、直面している危機として「パンデミック」「気候変動」「新技術」を説明されています。一方で人類の存亡に関わる危機について過去を振り返ったときに、それを避けるために協調の動きが起こっていることから、分断を乗り越えるために「危機の力」が必要と逆説的に述べているそうです。
今年のダボス会議(2023年1月16日~20日)では、「グローバリゼーションの行方」を議論するセッションが、イアン・ブレマー氏の進行で行われたそうです。
続いて二冊目は『未来の年表』です。
紹介してくださった志治さんによると、著者の河合雅司氏は「未来の年表」と題して定期的に出版されているそうです。
根底にあるのは「人口問題」です。人口が減少し続けると社会はどうなるのか?
例えば、「救急車の到着するまでの時間が、6.1分から8.9分に長くなっており、今後もその傾向は顕著になる」と予測されているそうです。
このような社会を迎えるにあたり、私たちはどう生きるのか、国はどうマネジメントするのか。「静かなる有事」と表現されているとのことです。
三冊目は黒木亮氏の『兜町(しま)の男』。
この本の副題は「清水一行と日本経済の80年」と記されており、経済小説家の清水一行の生涯を日本経済とともに描いています。
こちらを紹介してくれた南雲さんは金融機関にお勤めなので、本を読みながら、「あるある話だ!」や「こういう裏があったのね!」など日々の仕事と絡めながら楽しく読まれたそうです。
四冊目は、林真理子氏のエッセイ『成熟スイッチ』です。
この本をご紹介してくれた荒澤さんは、「林真理子さんの小説はあまり読まないけど、“成熟”というキーワードに惹かれて旅先でライトに読める本として購入した!」そうです。
本の中で「保守的とは、仲が悪い夫婦において、離婚の為に時間を費やすのではなく、それはそれとして自分のやりたいことに時間を費やすことができること」という定義に共感されたそうです。
他のメンバーからの感想として、「林真理子は、ある意味、男性作家でいう伊集院静という感じでしょうか!」という発言があり、私はとても納得しました。参考までに二人の対談記事が掲載されていました。
最後の一冊は『ワイン一年生』です。
今回の記事では、私の感覚になりますが「硬派順」に紹介してきました。
最後はゆるく楽しく読める本です。
この本を紹介してくれた伊藤さんは、基本的にお酒は飲めない体質だそうですが、この本は親しみを感じて読んでみたとのことです。
通常、ワインに関する本は蘊蓄を語る類が多い中、この本は初心者の素朴な疑問にイラスト付きで解説されており、分かりやすくお薦めだそうです。
お酒が弱い私はグラスで1~2杯が精一杯というタイプですが、ワインは大好きなので、ワインのことを知ると味わい方も変わってくるかな!と思い、読みたいと思っています。
毎回参加して感じることは、「世の中には本当に沢山の本があるんだな!」という事です。
自分一人だとほんの一部の本にしか出会えない、それも自分が興味のある分野になりがちです。
そこで、「自分は興味なし!」と勝手に思い込んでいる心を拡げてくれるのがブックナビクラブかなと思います。
アカデミーヒルズ 熊田ふみ子
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