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“違い”を見つけることから多様性は始まる~SHARE SUMMIT 2022に参加して①~

11月1日に虎ノ門ヒルズフォーラムで開催された「SHARE SUMMIT 2022」のセッションでの気付きを記事にしました。
アカデミーヒルズのライブラリーメンバーは先着50名の無料ご招待の特典をいただいたご縁で、事務局の私も参加してきました。

今年で7回目を迎えるそうですが、御多分に漏れず、3年ぶりのリアル開催だったそうです。
私が参加したセッションからの気付きを紹介いたします。

「ダイバーシティ&インクルージョン」のセッションは、4名の登壇者のうち3名が男性で女性が1名でした。そこで登壇者の一人から以下の内容の発言がありました。


このようなイベントを開催するときに、「登壇者の全員が男性だと多様性がないから女性を1名は必ず入れる」ということが、当たり前になってきている。しかしながら、外見が多様だから多様性があるということではないと思う。
例えば男性4名でも、その4名のバックグランドが様々であり、キャリアが多様であれば多様だと思う。
一般的に人は、自分と同じところを相手の中に見つけようとするが、自分と違うところを相手の中に見つけようとすることから、多様性は始まるのではないか。


「ダイバーシティ&インクルージョン」のセッション(SHARE SUMMIT 2022より)

ところで、企業組織の多様性を考える場合、経営学ではデモグラフィック型ダイバーシティ(性別・国籍・年齢などの属性)と、タスク型ダイバーシティ(経験・知識・能力などの実力)という考え方があります。
また、多様性が組織の成果に良い影響を与えるという考え方に情報・意思決定理論があります。これは、多様な人が集まると多様な考え・意見が集まり、情報の種類が増えて、組織としての意思決定の質が上がるという考えです。
そのために、タスク型ダイバーシティが重要になってきます。そして、タスク型ダイバーシティを担保するために、デモグラフィック型ダイバーシティが必要になるという考えです。
だから、登壇者についても男女のバランスを取る必要があるのだと思います。

しかし、タスク型ダイバーシティを担保するために、デモグラフィック型ダイバーシティが必ず必要な訳ではなく、またデモグラフィック型ダイバーシティを確保したからと言って、意見や考えが多様になる訳ではない、ということに気付きました。
デモグラフィック属性が同じでも、「自分と異なる部分を見つける」姿勢で多様性は担保されるのではないか?
一方で、デモグラフィック属性が異なっていても、「自分と同じ部分を探す」姿勢では、本当の意味での多様性は発揮されないのではないか?
ということです。

多様な人を集めることは大切です。
しかしそれだけでは十分ではなく、私たち自身が「違い」を大切にする、「違いから新しい考えを創り出す」という姿勢が重要だということに気付いたセッションでした。

次に参加した「NEXTプラットフォーム」のセッションでは、WEB3やDAO(自律分散型組織)における新しいシェアリングエコノミーの在り方について議論が行われました。
その中で、登壇者の伊藤穰一氏の発言が印象的でした。


MITには自閉症の学生が普通に授業を受けている。そしてMITは今までに98名のノーベル賞の授賞者を輩出している。
この事実からでも、普通と違うことを受けいれることが大切であることが分かる。


「NEXTプラットフォーム」のセッション(SHARE SUMMIT 2022より)

一般的には、普通でないことを異常と捉えてしまいますが、そもそも普通って何か? 素朴な疑問が湧きました。
「普通ではないこと」は異常ではなく、違いがあるだけです。ここでも、自分との違いを大切にすることだと気付きました。

類似性・アトラクション理論をご存じですか?
類似性(自分と似ていること)は個人間で魅力や好意を増大させるという考え方です。自分との共通点がその人との交流を促すことになります。そのために人は共通点を見つける傾向にあるのかもしれません。

今回紹介した2つのセッションは、あえて「自分と違うところを積極的に見つけ出し、その違いを受け入れる」ことが、多様性を生み出すために重要であることを気付かせてくれる機会となりました。

※記事内の発言については、発言から私が読み取ったことを記載しています。

アカデミーヒルズ 熊田ふみ子


#アカデミーヒルズ #ダイバーシティ #SHARESUMMIT2022 #インクルージョン #自律分散型組織 #多様性




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