「平均値へ寄せる」から「バラツキを大きくする」という考え方へ
7月19日に「ゆる~くつながろう!メンバー雑談」を開催しました。
その中で、海外出身のメンバーが「日本は、食べ物が美味しいことと、トイレがきれいなことがとても気に入っている」と発言してくれました。
日本で生まれ育った私にとっては、当たり前だと思ってしまうことが、実は日本の強みだったりすることを感じた瞬間でした。
どちらかと言うと「失われた30年」という表現に代表されるように、凋落する日本をイメージしてしまいますが、日本の強みと弱みについて、私たち自身が客観的に認識することから始めないといけないな、と感じました。
次に、家庭農園をしている参加者からは、「いちごが大量に収穫できて驚いている。四季なりイチゴなので、一時期を除いてほぼオールシーズン収穫ができる。そのまま食べるだけではなくジャムにしたりと工夫をしている」という発言がありました。
その家庭農園は最初、色々な野菜を育てていましたが、いちごの繁殖力が強く、今はいちごがほぼ全体を占めているとのことです。
形や大きさはバラバラで、お店で販売しているように一様ではなく、収穫したその日に食べないと傷んでしまうくらい足がはやい、とのことです。
その話から、「日本は規格が厳しいので、規格から外れると販売できない、“訳あり商品”になってしまうが、そこまで厳しく規格を定める必要があるのかな?」という発言をしたメンバーがいました。
そこで思い出したのが、2022年11月に開催されたInnovative City Forum 2022における伊藤穣一氏の発言です。
※Innovative City Forum 2022のProgram Committee Sessionの概要はこちらの記事をご覧ください。
日本において、教育も商品の規格も、正規分布で考えると平均に寄せること、バラツキを小さくすることが優先されてきたと思います。
それはネガティブな面だけではなく、冒頭で紹介した「日本のトイレはきれい」というポジティブな結果も生み出していると思います。
しかし、多様性が重要になってくるこれからは、平均に寄せるのではなく、バラツキを大きくすることも重要だと思います。
それは、「まっすぐなキュウリだけではなく、湾曲したキュウリも同じキュウリで、甲乙つけなくても良いのではないか」と、言い換えられると思いました。
伊藤穣一氏の発言にある「秩序が好きで保守的なことは日本の良さでもある。このバランスがとても重要だと思う」の通り、バランス感覚を身に着けることが大切ではないでしょうか。
そこで、思い出した記事がこちらです。
これは、デンマーク在住のニールセン北村朋子さんに、デンマークの民主主義についてお話いただいたときの記事です。
その中で、「民主主義とは、プロがいるわけではなく、正解や完成形があるわけではないので、みんなで意見・考えを出し合って、誰一人排除せず最善の妥協点を探す必要がある」と、語ってくれました。
「議論によって最善の妥協点を探す」ためにも、バランス感覚が必要ではないかという考えに至りました。
では、バランス感覚とは何か?
これは宿題にさせてください!
メンバー雑談に参加したことで、色々な思いを巡らすことができました。
バランス感覚については、心に留めておきつつ、誰かの何かの発言から思いを巡らしてみたいと思います。そのときまでの宿題です!
アカデミーヒルズ 熊田ふみ子
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