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地方創生・復興のためのコンパクトなスマートシティ構想

まず、本noteで掲げるスマートシティの概要を簡単に説明すると、現在のように、地方全土に点々と人々が住むのではなく、ある一か所に住む場所をまとめ、あらゆる資源を集中させ、防災・公共交通・デジタルインフラの全てを兼ね備えたコンパクトなスマートシティを、各地方に作っていくというものになります。

そして、何故、私が、このような案を提唱するに至ったかと言えば、未だ復興が進まない能登半島人口減少が止まらない地方の過疎地域については、普通に考えれば、今後も、割り当てられる予算は減少していく事は間違いないため、公共交通機関の縮小病院や小売店等生活に必要な施設の減少は進んでいき、益々、地方に住む人々の生活の質は落ちていく事は間違いないと考えているからです。


ですから、今後、地方財政が貧しくなっていく中で、"どうすれば、地方に住む人々の生活の質が、今以上に良くなるのか?"という事を考え、早急に対策を実行する必要があると思っております。

なので、本noteの以下の内容においては、そのための対処策の一つとして、各地方に、コンパクトなスマートシティを作るという案を掲げ、"それを実現する事によって、地域住民の方々に対し、一体どのようなメリットがあるのか?"について、私なりの考察を述べさせていただきたいと思います。




1.行政コストを削減できる

まず、地域住民が、ある一か所にまとまる事により、役所郵便ポスト学校等のあらゆる公共施設の数を最小限に抑える事が出来ます

そして、そうする事によって、行政コストが大幅に浮きますから、その分を年金等の社会保障に充てたり、公共交通サービス等に充てる事によって、地域住民の生活の質を向上させる事が可能となります。


2.災害に強い街作りが可能

現在、地方の各地域においては、頻繫に、震災や大豪雨による水害等、様々な災害に遭い、地域住民の生活が維持出来なくなるという事態が起こっております。

なので、どんな災害が起こったとしても、通常通りの生活を行い続けられるような災害に強い街作りをする事によって、災害が起きた場合の経済損失を最小限に抑える事が出来て、尚且つ、復興のためのコストも浮きますから、前章で述べたように、浮いた経費を地域住民の方々に還元する事が出来る訳です。

ですが、そういった災害に強い街作りを行うためには、予算の制約等がありますから、人々が住む地域を狭く限定させるという事が、必須となってしまう事でしょう。

しかし、そういった対価を払えば払う程、何が起きても微動だにしないような、鉄壁の要塞とも呼べるような強固なインフラを兼ね備えた街が作れる事は間違いありません。


3.完全自動運転車の導入やドローンによる配送も実装可能

自動運転車の普及に向けた今後の道筋

私は、仮にそういったコンパクトなスマートシティを作る事が出来れば、その地域内に、無数の完全自動運転車が走っているという夢のような状況を作る事も可能となると考えております。

やはり、完全自動運転車を実現するためには、地域内を走行する全ての自動車にGPSを取り付けたり、全ての信号機や標識にIoT機器を設置したり、街中にカメラやセンサーを設置し、その全てを協調的に連動させるという事が、必要になると思っております。

そして、予算の制約上、広範囲に、そういったIoT機器やカメラ等を無数に設置するという事は現実的ではありませんから、完全自動運転車の可動域をコンパクトにまとめる事によって、それが初めて実現可能となる訳です。

確かに、今後技術の進歩があれば、車に搭載されたカメラやセンサーのみで、地域に限らず完全自動運転を行えるようになるかもしれませんが、上記のような補強を施す事によって、より安全で正確な運送を行える事は間違いないでしょう。


4.富裕層や企業、大学等の誘致によって、地方経済の更なる活性化を図れる

また、地域住民の住む地域が、コンパクトにまとまる事によって、その郊外には、広域の空き地が出来る事は間違いありませんから、その空き地を使い、富裕層を誘致し、別荘を建てるための土地に利用したり、企業を誘致して、工場を建てるための土地として利用させる事も可能です。

そうすれば、その地域の経済は、より活性化しますから、税収等も増え、更に、地域住民の方々の生活が豊かになるという好循環も起こせると思っております。


5.過疎地や被災地だからこそ実現出来る

【都市計画家列伝】第1回 イルデフォンソ・セルダは現代バルセロナに何をもたらしたか ①歴史編

一般的に、欧州や米国等では、中世から、都市計画に力を入れており、動線が一直線に通っているような理路騒然とした街作りが行われております。

かたや、日本においては、東京等の各都市を鑑みても、様々な用途地域があらゆる所に点在している事からも解る通り、全体的に、非常にまとまりが無いような住宅配置が成されております。

しかし、そういった東京等の各都市について、一から全域を土地区画整理事業を行い、ヨーロッパの街並みにするという事は、予算の制約上絶対に行い得ない訳です。

ですが、人口が減少し続けていたり、災害等に遭う等の要因によって、地価が低くなっている地域であれば、ヨーロッパのような街並みを一から作れる可能性が高く、スマートシティを作る場合においても、同様の事が言えると思っております。


まとめ.

まず、これから、石破政権は、今年起きた能登半島の復興地方交付金を2倍にする等の地方創生案を実現する方針を掲げております。

ですが、現実的に考えて、地方が被災する度に、予算をポンポン出せるのであれば、全国的に空き家が放置されているというような状況にはなっていないと思うわけです。

ですから、消費税増税等も実施しないという意向も相まって、被災地の復興ですら、多くの年月を必要とし、復興の規模についても、完全に元通りにするという事は、非常に難しいのではないかと考えております。


やはり、地方創生や災害復興を行う上で、最も重要な事は、"地域住民の方々が、何かを諦める"事であると思っております。

具体的には、私が本記事で述べさせていただいたような、スマートシティ構想を実現するためには、"その地域の方々の所有権等の財産権"や"その地域の固有の文化"という物を、諦めていただく必要がある訳です。


例えば、中国においては、1949年の建国以来、共産主義体制を固辞し続けておりましたが、共産主義体制を一部切り捨て、資本主義を導入するという事を行い続けた結果、今現在においては、日本を超えるような経済成長を遂げている訳です。

更に、戦後の日本明治維新の際にも、それと同様に、これまでの文化や慣習を捨て去る代わりに、西洋列強に負けないような国力を手に入れるという事が可能となった訳です。

ですから、地域住民の方々が、経済的な豊かさを維持向上を図るためには、"何かを切り捨てて、賭ける"という事をしなければ、それを実現させる事は難しいと思っております。


しかし、逆に、何かを切り捨てて、それを賭ける事によって、数倍のリターンを産み出す事も出来ると思っておりますので、能登半島や衰退が続く各地域の方々には、かつての文化や権利を諦め、それを元手に賭けに出る事で、以前よりも、快適で豊かな生活を手に入れるという事を、是非、選択肢の一つに持っていただければと思っております。



本記事は以上となります。
ここまで、ご覧いただき、ありがとうございました。


参考文献.

・北欧のスマートシティ: テクノロジーを活用したウェルビーイングな都市づくり

・コンパクトシティを考える

・世界のコンパクトシティ: 都市を賢く縮退するしくみと効果


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