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「大学制度改革論」:新規事業開拓で、大学の資金力を高める方法
はじめに.
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過去何十年にも渡り、大学の教授を始め、各種研究者の待遇の悪さや、各研究機関の資金力の不足により、研究自体が行えない等、各所の日本の研究者達から、様々な問題が指摘されておりました。
ですが、何の改革も施さなかった結果、人口当たりの論文数においては、日本は第39位にまで転落し、世界の大学ランキングで、上位200位以内に入っているのが、39位の東京大学と68位の京都大学のみであり、日本の学術界は、更なる悪化の一途を辿っております。
そして、その学問の衰退に関するあらゆる問題の根本に存在しているのが、大学の資金力不足であることは間違いありません。
しかし、現実問題、国の財政や社会保障等の問題があるため、大学に対する税金投入額を増やすという選択肢は、難しいと言えます。
ですから、本noteでは、各大学が、新規事業として、自力で資金を稼げるような方法を提唱したいと思います。
1.動画授業配信の解禁
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まず、大学の資金力を上げる方法として、正攻法で言えば、大学の入学者数を増やしたり、大学の授業料を上げたりする事が挙げられると思います。
ですが、国立大学は、生徒一人当たりに、218万の税金が投入されており、私立大学においても、17万円の税金が投入されているので、現実問題、生徒を増やせば増やす程、更なる税金による支援が必要となり、国の赤字は増える事になります。
確かに、別枠を設けて、高い授業料を払える生徒を、追加で入学させる方法もありますが、世界の大学ランキングで、たいした順位にも入っていない日本の大学に、高い授業料を払って入学する希望者はほとんどいないと思うので、大した効果は見込めないでしょう。
なので、動画授業を配信するという事業を行い、大学の収入を上げるという方法を提唱させていただきます。
全学部学科の全授業を、動画として、単科販売やサブスクリプション制にして、販売すれば、日本中の社会人や高齢者達から、授業料を払って貰う事が出来て、大学の収入アップに繋がります。
そうなれば、社会人のリスキリングにも、かなり役立つでしょう。
そして、その動画授業を翻訳し、世界に売り込む事が出来れば、世界中の人々から、授業料を集める事が出来て、更に大学の資金力が高まる事は間違いありません。
2.出版業の解禁
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世界の大学ランキング1位のオックスフォード大学では、出版業によって、予算の33%に当たる1092億円を稼いでいるようです。
ですので、日本の大学においても、各大学教授の論文やその解説をする本等、様々な本を出版し、収益を上げる事が出来るのではないかと考えております。
特に、電子書籍であれば、原価はほとんどかからないので、高い収益性が見込まれると考えております。
3.広告事業の解禁
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現在では、既に、大学内広告として、トレイ広告・POP広告・ポスター等の広告を手掛ける企業が存在したり、タダコピと呼ばれる、コピー用紙の裏に広告を貼り付けて、無料でコピー機を使用できるサービスを運営するベンチャー企業が存在するそうです。
なので、やり方は多少工夫する必要はあると思いますが、企業から大量の広告費を貰い、その見返りとして、大胆に大学のキャンパス内や大学の提供する商品サービスに広告を載せたりすれば、ある程度の収入は見込めるのではないかと思います。
また、海外においても、広告事業を行っている大学があると、目にした事があります。
おまけ.全国民を対象とした全学部学科の動画授業配信について
1章で挙げた、動画授業の解禁についてですが、私は、仮に利益が出ず、ビジネスとして成り立たなくとも、行うべきだと思います。
例えば、下図は、東京大学の収入内訳となりますが、運営交付金(税金)だけでも、予算の31%を占めております。
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また、運営交付金に限らず、税金の恩恵を受けた上で、各大学は成り立っているため、最低限、全国民が、学部レベルの授業であれば、いつでも受講出来るように、全学部学科の動画授業配信事業を、国が責任を持って行うべきだと思います。
そうする事で、"大学の学部レベルの知識なら、誰でも知ってる"と言えるまで、全国民の知識レベルを上げる事が出来ると思います。
そして、何時でも、大学の全学部全学科の授業が見れる状態となれば、社会人の再教育(リスキリング)には当然役に立ちますが、これから大学に入る事を目指している高校生や中学生と言った子供達にとっても、自分の進路を決める上で、重要な判断材料となり得るため、子供達にとっても、大きな利益があると言えます。
確かに、一部の大学の入学者が減ってしまったり、マイナス面も生じると思いますが、各大学生達は、動画授業で簡単に学べてしまうような、受動的な知識ではなく、能動的な学習や研究を行い、動画授業では得られないものを得るべきであると私は考えており、そうでなければ、国際競争では勝てる人材は育たないと思います。
ですが、長期的な視点で見れば、全国民の知識や能力が向上する事により、税収の増加や寄付金の増加によって、最終的に大学に入ってくるお金は必ず増えるため、各大学のためにも、私は今すぐにでも、実行すべきだと思います。
まとめ.
結局、大学制度の改革においても、官僚達の規制を撤廃する事が、最も重要だという事です。
現在の国立大学は、国からの運営交付金を貰ってますから、国や官僚達の意向には逆らえず、自由に事業を解禁したりする事は出来ません。
その点は、多少なりとも、国から助成金を受け取っている私立大学も同様です。
ですが、現実的に、日本の学術界の再興を成し遂げる上で、今から使える手段としては、各大学に、事業や資産運用を自由に行わせる以外の道は残っていない訳です。
確かに、原価やコストが多大に掛かるようなリスクの高い事業は、生徒や卒業生達のためにも、大学は手を出すべきではありません。
しかし、私が本noteで掲げたように、原価が対して掛からず、失敗しても、損失が少なく済むような大学に向いた事業があるもの事実です。
例え、その事業収入が、小銭稼ぎ程度にしかならなかったとしても、現状のまま、何もせず、衰退の一途を辿るよりは、少しずつでも浮上した方が良いに決まっています。
また、大学の資金力が高まれば、大学の定員数が増やす事も出来るので、子供達や学び直しを希望している社会人達にとっても、大きなメリットがあります。
教育への財政出動が大学の命綱である事は変わらない
しかし、仮に、大学の授業解禁が行われ、多少の追加収入を大学が得られる事になったとしても、国による教育予算が縮小すれば、大学が衰退するのは間違い無いと思います。
その証拠に、アメリカの私立大学である世界トップレベルの大学ですら、連邦政府の補助金に頼って運営されているという現状が挙げられます。
以下の円グラフは、『スタンフォード大学 21世紀を創る大学』という本からの引用となりますが、この本によると、スポンサー研究という項目の内、72%は連邦政府からの研究補助金だという事です。
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つまり、国家の科学技術のレベルや、国民の能力を高めたり、それを維持するためには、教育予算が重要であることは、不変であるという事です。
参考文献.
・スタンフォード大学 21世紀を創る大学
・大学の財政と経営
・私立大学の財政分析ができる本
・大学財政の基礎知識
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