添乗員のお気に入り⑩【モザイクの宝庫・バルドー博物館@チュニジア】
北アフリカ、チュニジア。
ここに、ローマ帝国の残した美しいモザイクがたくさん展示されている博物館があります。北アフリカのルーブルとも言われ建物自体も昔の宮殿を利用したものです。
チュニジアは、日本語ガイドさんが少なく、英語のスルーガイドさんと見学することが多いのですが、モザイクの説明っていうのは、ストーリーを知らないと訳すのがとっても難しい。しかし、知っているストーリーは説明するのも楽しい。
ギリシャ神話を元にした、わたしの好きなモザイクをご紹介!
『オデュッセイスとセイレーン』
ある勇者のお話です。
地中海のあるところに、セイレーンの島という、航海最大の難所と言われる島がありました。セイレーンの島では大変な美女3人組(でも実は悪魔。下半身は鳥!)が、悪魔のメロディと言われる、美しく危険なメロディを奏でていて、島の近くを通ると、その音色に引き寄せられるように航海士たちは3人組に近づいてしまうんだそう。そうして半鳥人の餌となってしまい、航海士たちは帰らぬ人となってしまう。
多くの航海士たちがセイレーンの島で餌食となり、仲間たちは困っていました。
そこでオデュッセイスという人物。
よっしゃおいらがその難所を抜けてやるぜ!と作戦をたてます。
そのメロディさえ聴かなきゃいいんだよね、ってことで舵取りの仲間たちに耳栓を装着!聴くなよ!聴くなよ!ってやつですね。
(説明によると耳栓ではなくロウをぶち込んだとか。だいぶ乱暴だけどその後どうしたの?と聞きたい。)
でも待って、そんなに素敵なメロディなら、聴いてみたいな・・・。
うーん、ごめん俺は聴く。だからさ、俺の身体、船から離れないように柱にがっちり縛ってくれるかな?そしたら食べられないよね!よし、舵取りは任せたよ!!
いざ出航、いよいよセイレーンの島。
うっわーこれがあの有名なマジカルなメロディ!素敵ー!
3人娘もいつもの通り、よしよし聴いてる聴いてる♪ひっかかった~♪と
思いきや・・・
舵取り達は耳栓効果で、メロディが聴こえないのでしっかりルート通り漕ぎ続ける。
舵取りは前を向いてるけどオデュッセイスの目だけめっちゃ音の鳴るほうへ、という場面。バルドー博物館ではもっともっと大きなサイズで展示されているモザイクですが、私はここにいる人間たちの表情がとにかく臨場感に溢れ気に入って、人間部分をアップで撮っています。
こちらの3人鳥娘のお口あんぐりで驚いている表情、最高!
2000年前の作品たち。
モザイクって美しいし、とても豊かな香りがする!
バルドー博物館、また行きたい。
長くなってごめんなさい~。お読みいただきありがとうございました。