「コルト」
私の地元には唯一の風俗ともいえる「コルト」というお店があった。高校生の私は近くを通るたびに、石造りで小さな窓が少しだけある建物に興奮した。夕方になると妖艶に反り立つ煙突からユラユラと湯煙が上がり、赤い看板がホワッと灯るのだ。いったいあの中で何が行われているのだろうか。「♪こんなこといいな、できたらいいな」とつい妄想を膨らませる。「♪エーロをじゆうに、させたいな」「はい!コルト行こーっ」そんな摘発されそうな替え歌を頭でめぐらせながら、透視するほど見つめていたのである。
ところがその妄想を現実化した友人がいた。友人の中でも抜群に性欲に満ちており、全身これ陰部みたいな生き様の男だ。その友人は勢い余って学生服のままコルトの扉を開けたそうだ。もう我慢ならなかったのだろう。すると受付の人に中の部屋に通され少し待っているよう言われたらしい。そして出てきた女性は
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