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割引債でイールドカーブを構築する

割引債はいちおうマーケットに存在する日本証券業協会が毎営業日公表している「公社債店頭売買参考統計値」(以下、売買参考統計値)というものがある。公社債のマーケットデータとして実務上広く使用されている。 ◆公社債の価格・利回りのデータとして一定程度は活用できる 売買参考統計値は大雑把にいえば、日本で取引されている大量の社債国債の時価・利回りデータ群であり、毎営業日公表され誰でも取得できるものである。 これには以下のような特色や留意点がある。筆者が当該データを普段利用する際に

    • 割引の形式の違い(経済学および金融工学)

      大学での経済学に関する講義ノートに意外な記述を見つけたことをきっかけに本稿を作成した。経済学と金融工学における割引の相違点を詳らかにしていく。 経済学での割引率経済学においては割引率ないしは割引因子を表現する記号は、分野によって大きく異なる。本稿では筆者に馴染みのある$${ DF ( \cdot ) }$$という表記を行う。これはDiscount Factor(以下DF)を表しており、将来のキャッシュフローを現在価値に"割り引く"際に乗算する数値である。一般に0.9や0.7

      • 「0.5」という数字は何を指すか?(金利における単位)

        住宅ローンを借り入れたいと思い近場の銀行窓口に赴いたとしよう。そして「今の金利は0.5です」と行員から説明を受けたら、「金利は0.5%なんだな」ということが文脈で判断できる。一方でシステムのインプット/アウトプットにおける「金利:0.5」とは何を意味するのだろうか。 約定した住宅ローンの金利を銀行員がシステムに入力するとき、「金利」欄にはどんな数値を入れればよいだろうか?システムから出力されたデータの「金利」欄にある「0.5」という数字は何を表しているのだろうか? 結論人間

      割引債でイールドカーブを構築する

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