深夜の裏路地にて
駅を降りれば寝静まった町
重たい足を引きずるように家路を辿る
夜でも比較的明るく広い道があるのだが
私はいつもその広い道から樹木の生い茂った横道に入り、街灯もほとんど無く蛇のようにうねうねと続く細い道を歩く
近道だから、という訳では無い
しんと静まり返り一際暗いその道が好きなのだ
道沿いにある家の、センサー付き玄関灯が
時折パッとつき私の影が向かいのコンクリートの
壁に黒く映る
そこに私以外の影が見えるような気がするのは
単なる疲労のせいか
歩きながら心のどこかで待っている自分がいる
足音も立てず近づいてくる通り魔
その手に握られた月に輝く銀色の鋭い刃物
今夜も蛇のような細道を歩きながら
疲弊しきった私は……それを待っている
間もなく、満月
名津乃 綾
来て下さって 本当にありがとうございます! 読書が大好きで 気がつけば自分でも数え切れない程 詩や短編を 書き続けてきました いつか 本を出したいです! これからも自分ペースで 書き溜めたものを載せていきますので お時間がある時には また是非 覗いてみてください(○´ω`○)ノ