テイルズ オブ ジ アビス(TOA) ルークを救うエンディング考察
ルーク、帰ってきます。
前書き
PS2版『テイルズ オブ ジ アビス』の最後に現れる青年の正体についての考察と諸々の解説をする記事となります。
事の発端は大空スバル氏🦢のTOA配信。配信が最終回へ向かうにつれ、楽しかった思い出とともに当時のモヤモヤが障気のように吹き出してきたわけです。
ゲームが発売されてから15年以上。プレイヤーの間でもその正体について様々な考察や議論が成され、依然として正体がハッキリしない青年ですが、この度関連する描写や台詞を念入りに調べ、『あれは間違いなくルーク』と自分なりに結論づけることが出来ました。
とんでもない文章量となってしまいましたが、どうしてルークが帰ってきたと言えるのか、その理由をアッシュ、ルーク、青年、おまけ…と順序立てて説明していきたいと思います。
イベントの画像とムービーを撮影できる環境が無いため、こちらはyoutubeにある動画(主に大空スバル氏)より引用させていただきたいと思います。
各画像のキャプションを押すことで、その場面の動画を開くことができます。
用語解説
予め関連する用語を記載しておきますが、必ずしも読む必要はありません。
6大音素と第七音素
記憶粒子とは
音素が分かりにくい方は『シャボン玉🫧』を想像すると良いでしょう。
呼気が記憶粒子で、ストローの先で張っている膜が音譜帯、
息を吹いて膜を通して出来上がるものが音素となります。
音譜帯も音素も7種類あるので、正確に言えば構造は少し違います。
プラネットストームとは
物語後半ではラジエイト、アブソーブともに稼働を停止させています。
ラジエイトゲートは記憶粒子を地核から音譜帯へ吹き上げます⛲️
アブソーブゲートは反対に音譜帯で出来た音素を地核へ吸い込みます🌪
この二つは北極点と南極点のような位置関係であり、これを利用して惑星全体に音素を循環させながら満たしていき、人類が音素の力を得る機関がプラネットストームです。
同位体とは
どちらも大爆発現象が併記されています。
大爆発(ビッグバン)現象とは
爆発要素はありません。
コンタミネーション現象とは
コンタミネーション現象では直感的に理解しづらく、名称の割に簡素な意味なので、簡略化して『融合』と表記させていただきます。
音素(フォニム)乖離とは
アッシュについて
アッシュの大爆発現象は不完全
早速ですが、アッシュが死亡する場面から始めていきたいと思います。
記載した用語解説の『同位体とは』や『大爆発現象とは』にある通り、完全な大爆発現象(以下大爆発)を起こすには音素乖離して力尽きなければならないのだと思われます。
そのため、本来ならば大爆発は…
オリジナルの力が徐々に失われる(大爆発の開始)
オリジナルが音素乖離によって肉体ごと消滅
レプリカとのコンタミネーション現象(以下融合)が発生(大爆発の終了)
音素乖離したオリジナルがレプリカの体へ入り込み、
正常に進行すれば人格の上書きが成され、レプリカは記憶だけの存在に
とされていますが、アッシュの場合は1と2の間で死亡してしまったため、本来消え去るはずの肉体が残ってしまい、この通りには進んでいません。
まず知らなきゃいけない事はどうやら1と2の間🎸のようです。
理論は存在しているが、理論に当てはまらない不測の事態が起きていることを念頭に置いておいてください。
音素乖離の必要性については語られませんが、『何故音素乖離が必要なのか』を考えると、恐らく自身を構成する情報を全て渡すには肉体も含めて全身を細かなパーツに分解しなければならないのだと思います。
ローレライの剣と宝珠を第七音素に分解された状態でアッシュとルークが受け取っていたり、ヴァンが取り込んだローレライの力をシンクに分け与えたり、音素として他者に何かを与える場面は作中でも描かれています。
ジアビスの世界では万物全てが『元素と音素』『音素振動数』『結合』で構築されており、それらの微細な違いによって個体差が生まれます。人体も例外ではありません。
レプリカはこのうちの『結合』を第七音素のみで行なっており、そこが通常の人間と異なる点になります。人間の場合もこの結合は音素が担いますが、第七音素を使わないので、使われる音素の種類が違うのでしょう。
音素、元素、細胞、粒子、そうした物質の最小単位…かは分かりませんが、そのレベルにまで全身をくまなく分解させ、外部から人体のフォンスロットを介して音素を取り込む譜術と似た要領で、もう一人の完全同位体へフォンスロットを通じ、音素など自身を構成する要素を送り込む事で、初めて人格の上書きをも可能とする『完全な大爆発に必要な融合』が完了するのだと推測します。
事実、大爆発は『音素乖離してレプリカを吸収し、オリジナルと再構成する現象』で、音素乖離は『細胞レベルで身体が崩壊してしまうこと』と記載されており、合わせると『音素乖離で体を崩壊させて吸収等を行う』と読む事が出来ます。
ですが、アッシュは音素乖離で体が崩壊したわけではありません。
レプリカネビリムは第七音素を用いらず、第一から第六音素で作られましたが、その際に一部の音素が欠落したため、精神の均衡が保てなくなりました。
彼女は総量というよりは結合に使われる属性の欠落のようですが、ただでさえ不純物が混じらない環境を作るなど、大爆発には綿密な下準備が必要なのに、肉体の分の音素が欠けても特殊な融合には影響がないと言うのは難しいはずです。
理論から外れた進み方となれば、後の工程が上手くいかない可能性が高まるのは自然なことでしょう。
明確に区別された死に方
ジアビスの世界では『死に方』に3つのパターンがあります。
死亡するが、音素乖離せずに死体が残るパターン
これはリグレット、ラルゴに抱き抱えられて去っていくアリエッタ、い組やめ組、アッシュの周りで横たわっている神託の盾騎士団達などのモブ達です。この場合は死体が残ったまま作中から退場していき、光を発して消え去る描写はされません。
レプリカが音素乖離するパターン
作中ではイオン、シンク、レムの塔のレプリカマリィやレプリカモブが該当し、皆一様に力尽きると黄色い光を発して消え去ります。
レプリカ以外が音素乖離するパターン
作中では人間であるラルゴ、バチカル廃工場のアヴァドン、ザオ遺跡のティランピオンが該当します。こちらは青白い光を発して消え去ります。
レプリカと差別化されており、人間のラルゴも魔物も同じ消え方をするので、第七音素を含まない一般的な生命体の音素乖離はこれに属するのでしょう。
注意点として、この光はフィールドで戦闘する人間や魔物の共通撃破エフェクトと同じです。戦闘中はレプリカと名のつく敵を倒して発する光であるため、この光の使い分けはムービーのみに適用する話📽とさせていただきます。
こうして見ていくとワイヨン鏡窟に登場した『チーグルの実験に登場するオリジナルのスター』は音素乖離を起こしたのでしょう。火の吹き比べ🔥からも体に認識票を付けたオリジナルの能力はしっかりと弱まっており、融合後にはオリジナルの体が無くなっていることから、無事音素乖離によって体が消滅したのだと思います。
死体を長時間放置すれば白骨化せずに音素乖離を起こすのかもしれませんが、少なくともアッシュは1番であり、作中で体が消えることはありません。
アッシュは記憶だけの存在へ
アッシュが死亡すると、同時にアッシュの音素がルークへ流れ込みます。
この死と融合を持ってアッシュの大爆発は終わったと考えます。
ルークは『温かいものが全身に降ってきたような』とその瞬間を感じ取っており、アッシュの音素が融合したことで第二超振動が使えるようになりました。
第二超振動は超振動に超振動を和えるだけの簡単レシピ🥗です。アッシュが離れた位置で生きていたら成せるものではなく、大爆発のゴール地点はこの融合(コンタミネーション)です。
アッシュの死因を映像で覚えていることや、ヴァン撃破後にルークがジェイドと握手🤝する際もジェイドの左手🫲に対して、左利きのルークがアッシュの利き手である右手🫱を出しかけたことからも、アッシュの記憶を持っていることは間違いないでしょう。
しかし、ルークとの融合は行われたものの、人格の上書きは見られません。
大爆発現象が不完全であろうことは先に述べましたが、特殊な融合を起こすには『他の物質や音素が混じらないようにする特殊な力場』も必要とされています。
アッシュが融合した瞬間を後述するルークの状況と比較すると『特殊な力場』のイメージとは大きくかけ離れており、音素乖離、融合ともに上手くいかなかったためにアッシュを構成する音素の一部が欠如してしまい、上書きには至らなかったのはないかと考えます。
結果、ルークの体はルークが主人格であり続け、アッシュはあくまでルークに宿した音素やそれに伴った力、記憶だけの存在に留まったのです。
とあるサブイベントの会話もこの件に関係していますが、そちらは後半にある『ジェイド、ディスト、スターについて』で詳しく触れたいと思います。
左右非対称の像の意味
アッシュと一騎討ちした部屋では奥の扉の左右に巨大な像🗿が立っています。
後のムービーで剣で貫かれたアッシュが手前の壁に寄りかかると視点がズームアウトしていき、アッシュの奥には髪の長い像、反対側にはルークを指しているかのような髪の短い像が見えてきます。
この像については二つの解釈が出来ます。
一つは肉体の崩壊を意味している、というものです。
この肉体の崩壊というのは死を指すものではなく、あくまで外見上の問題です。
この短髪の像(ルーク)が崩れるのはルークが地核へ降下する時であり、直後にルークは音素乖離を起こして肉体を失います。長髪の像(アッシュ)は最後まで崩れず、アッシュの体も消え去ることはありません。
精神(主人格)の崩壊とするならアッシュがルークと融合した時、どんな説であっても片方が崩壊を起こして良いはずで、短髪の像が崩れるタイミングの説明がつかなくなります。
ですが、ルークに入ったアッシュは終始表に出てこず、意識があるとは言えない状態。水面下で生きているということにするのも難しいのではないかと思います。
もう一つはアッシュの体へ音素乖離したルークが入っていくことの示唆です。
短髪の像(ルーク)は体が崩れない長髪の像へ、まるで手を伸ばして助けを求めるかのように体が崩れていきますが、長髪の像(アッシュ)は崩れる短髪の像に手を差し伸べ、覆い被さるようにして倒れていく風にも見て取れます。
後の展開ではこの像の通り、ルークは音素乖離によって体が崩壊し、アッシュの体があったことによって青年として助かる道が生まれます。
崩れ方は多種多様な表現方法があるはずです。
片方がもたれかかってその衝撃でもう片方も砕けたり、天井から瓦礫が落ちてきてその場で粉々になったり、後ろや手前に倒れても良いでしょう。
短髪の像だけが真っ二つに切られたかのように不可思議なスライドをし、二つの像が倒れながら互いに引き合っていく描写を見ると、そうした意味があるのではないか、と考えずにはいられません。
人によっては『体を失ったルークの記憶をアッシュが受け取ろうとする図』などの見方も出来ると思うので、こちらはやや説得力に欠ける解釈かもしれませんが、このように像の立ち位置や挙動から『体が崩壊するもアッシュの体を借りることで救われるルークと、崩壊しなかったことで図らずもルークを救ったアッシュを例えているもの』として捉えることも出来るのではないでしょうか。
ルークについて
ゲーム版とアニメ版で描写が少し異なりますが、全てゲーム版に準拠します。
音素乖離と特殊な力場を揃え、アッシュの体と融合するルーク
アッシュに起きた現象は整理できたので、次はヴァンを倒して第七音素の意識集合体ことローレライを解放しに行く場面から始めていきます。
ローレライの鍵を使って地核へと降下していくルーク。
その途中で鍵に宿していたローレライを譜陣から解き放ち、これによってローレライは遥か上空にある音譜帯へと昇っていきます。
その後、ルークはレムの塔で使った超振動の影響から、体が限界を迎えて音素乖離を起こし始めます。アッシュを抱えるルークの体がひどく透けていることからも間違いないでしょう。
地核の中は『記憶粒子(セルパーティクル)』で満たされており、地核を経由して音素を循環させるプラネットストームを停止させてあることから、干渉する音素や不純物が限りなく少ないはずです。
地上とはまるで異なる環境であり、アッシュの体を受け止めた場面ではローレライの鍵で作られた譜陣の力で瓦礫を弾く様子も見られるなど、他の物質や音素が混じらない(であろう)特殊な力場が確かに形成されています。
ルークの場合は完全な大爆発に必要な『音素乖離』と『特殊なコンタミネーション現象(融合)に必要な力場』の二つが揃いました。
ここから音素乖離が起きると同時にルークがアッシュの体と融合し始めます。
この時にルークの腕がアッシュの体に触れている所から黄色い光が広がっていく様子が分かるでしょうか?
これは第七音素が伝わっていく様子を表しており、黄色い光がアッシュの左手へ達した時に指がピクリと動くのは、ルークの意識が入って利き手を動かしたことを意味しているのだと思います。
つまりルークは音素乖離を起こすと同時に、アッシュの体へ乖離した自身の第七音素を流し込んでいるわけですね。
音素乖離せず死亡してしまったために、離れた場所から1回で渡せるだけ渡したアッシュとは全く違う現象が起きていることは一目瞭然でしょう。
何故この光が第七音素と断言できるのか?
それは第七音素が絡む描写ではこの色の光が随所に見受けられるからです。
第七音素の色は基本的に黄色です。ローレライとアッシュにはオレンジ色や朱色も見られます。
ヴァンがローレライの力を開放する時は黄色い光を放ちます。
ルークがローレライの装備を持った時にだけ使える隠し秘奥義『ロスト・フォン・ドライブ』も黄色い光を放ちます。
ルークが超振動の時に突き出した手の中にある光の色は黄色です。
イオンやシンク、マリィなどレプリカが音素乖離する時は黄色い光を発します。
ルークが融合時に渡している音素は黄色、
アッシュが融合時に渡した音素はオレンジ色か朱色であり、
ローレライはオレンジ色を中心に、黄色や朱色が混ざる色をしています。曜日の一つである『ローレライの日』は金曜日です。
ルークの朱色から黄色にグラデーションが掛かった髪の色も第七音素の色に由来したものである可能性があります。
これこそが『完全な大爆発』なのではないでしょうか。
そしてこの瞬間、アッシュの体とルークの精神が融合したのです。
ルークは髪を切ると黄色い部分はなくなりますが、『レプリカに囚われない生き方を見つける』『レプリカという存在からの脱却』をも意味しているのかもしれません。
レプリカであることへの引け目は思っているより長く引きずりますが…。
尚、音素乖離の時点では既にローレライは音譜帯に移動した後であるため、ローレライにルークの第七音素が取り込まれた可能性は低いと思います。
レムの塔後にベルケンドで検査を受け、モブ顔の割にやたら声の良い医者のシュウ🩺から入院を促されますが、『入院しても消滅からは逃れられずに遅らせられるだけ』と言われたことから、消滅するのは時間の問題だったのでしょう。
レプリカがオリジナルに入れる理由
これはルークとアッシュが第七音素同士で引き合ったからだと思います。
同じ属性の音素は互いに引き合う性質を持っています。
作中でもレプリカであるイオンは、パッセージリングの操作盤からティアの体内に流れ込んだ汚染された第七音素を自身の第七音素に引き寄せることで彼女を救いました。
『ユリアはチーグルから第七音素を操る術を学んだ』とイオンが話していますので、第七音素の力を使う場面は見られないものの、チーグルも所謂『第七音譜術士』に該当するのかもしれません。
第七音素はモースのように素養がない者が取り込むと正気を失ってしまうところですが、『実験に使われたチーグル(スター)では第七音素との関係性が分からないのではないか?』という懸念点もクリアできているはずです。
レプリカでない生命体には基本的に第七音素は含まれていませんが、汚染された第七音素を体内から除去出来ずにいたティア、ジェイドの瘴気を消滅させる超振動を起こすなら第七音譜術士を1万人も殺せば発言、素養がなかったモースを見るに、第七音譜術士は体内に第七音素を有している可能性が高いです。
アッシュは死亡した際にルークへ音素を渡していますが、音素乖離していない以上、死して尚肉体を維持するだけの第七音素やその他の音素が残っているのだと思います。
アッシュの体内にある第七音素と引き合ったと考えると、オリジナルがレプリカへ入るだけでなく、レプリカがオリジナルへ入ることも十分可能でしょう。
融合は意識して音素を取り込んだとは言い難い描写ですし、体内に第七音素がなければ引き合う理由がなく、どちらのパターンであっても融合自体があり得ないものとなってしまうはずです。
万が一『音素振動数』が関係していたとしてもルーク達、チーグル(スター)ともに完全同位体であるため、両者の結果に矛盾が生まれることもないでしょう。
青年の再構築はアッシュの体とルークの精神の選択肢しかない
第七音素には傷を癒す力があります。
ティアやナタリアが行使する癒やしの力は第七音素を利用したものであり、地核へ落下したヴァンやシンクも地核にいたローレライの力を利用することで音素乖離を免れています。
深刻なダメージを負っていたとしても第七音素、もしくはローレライの力を使うことで回復することが可能である一方、死者や音素乖離で地上から消え去った者を復活させる描写は作中では見られません。
ヴァンですら『乖離しかかっていた』と死の一歩手前で留まっています。
そのため、音素乖離したルークの体を元に戻したり、記憶だけの存在となったアッシュを復活させて精神を取り戻すことは、例え第七音素やローレライの力を持ってしても困難とし、アッシュの体とルークの精神(主人格)でなければ青年として舞い戻ることは不可能であると考えられます。
復活や蘇生の類である『レイズデッド(譜術)』や『ライフボトル(アイテム)』も『戦闘不能状態を回復させる』とありますから、死とは明確に区別されています。
ポケモンで例えるなら『ひんし状態』であり、『イベントで誰か死んでも復活の魔法でいいじゃん!』が通用しないのもこのような理由からでしょう。
『普段からハチャメチャな攻撃を食らっておいて、剣1本で命を落とすとは…』とRPGのタブーにツッコミたくなる気持ちは分かります。
ジアビスの世界には禁忌とした『レプリカ技術』がありますから、記憶を持たない点に目を瞑れば蘇生に等しい行為は可能ということになります…が、エンディングでやっていることではありませんね👓
青年について
青年の邂逅はティアが大譜歌を詠ったから
青年が現れるのはローレライを解放してから2年後、ルークの成人の日です。
ティアが譜歌を詠い終えるとローレライの鍵を持った青年が現れます。
ユリアの譜歌には次のような説明がされています。
ティアが詠った譜歌は7つ通して詠われた『大譜歌』であり、ヴァン同様にローレライとの契約は成立するであろう他、大譜歌と鍵の二つがあるわけですから、ローレライを召喚し、その力を操ることも不可能ではないと思われます。
このことからティアとローレライで契約が交わされた、またはローレライの召喚に必要な大譜歌と鍵が揃ったおかげでローレライの力を扱える条件が整い、青年の治癒や再構築を助けたのだと推測します。
地上のティア、地核の青年、上空のローレライでは互いに距離があり、悔しいところではありますが、似た例と比べても一致させられる描写がなく、どのような経緯を辿って復活したのかハッキリと断言することは難しいです。
ヴァンを例にすると『契約はローレライのいる地核で行われたこと』や『体内に一部を取り込んで治癒が行われたこと』、そして『契約を交わせば目に見える形で力を扱わなくても契約者(ティア)の願い通りに事を成してくれるのか?』が分かりません。
ユリアを例にすると『契約の時と鍵にローレライを宿す時で二度、大譜歌を用いているように見受けられること』と『召喚の条件を満たしていても一度で力を操るところまで行き着くのか?』など不明瞭な点がどうしても出てきてしまいます。
ただし、ルークが完全な大爆発に成功したとしてもアッシュの体は満身創痍。
元々ルーク達は治癒術を使えないため、これ以外の可能性は考えられず、第三者によるローレライへの干渉なくして復活できるビジョンが見えません。
もし肉体に異常がなければ、チーグル(スター)の例を見ても恐らく融合しても治療行為は必要ないはずで、自らの力で地核から抜け出すことも可能でしょう。
『力を操る』の根拠を弱めてしまう形にはなってしまいますが、指ピクのことから生きてはいても昏睡状態に近かったのではないかと考えます。
地核の安全性に関しては当のローレライも音素乖離の前に音譜帯でプカプカ🏄♂️しており、地核には第七音素を含むその他の音素はほぼ残ってないと見て良いと思いますし、シンクもある程度の期間を地核の中で過ごしていました🏝から、2年という長い歳月を彷徨ったとしても、記憶粒子しかないであろう(エンディング時点の)地核なら、体の音素と引き合いかねない外部の音素が混入する可能性も極めて低く、アッシュの体は音素乖離を起こしにくい状態であると解釈します。
(第一)超振動には『あらゆる物質を破壊し、再構築させるこの現象』とあるのですが、物質の破壊はしても再構築をする描写を見た記憶がなく、超振動で再構築ができるのか分かりません。
大気中の第七音素に干渉して超振動を使ってきたのなら、尚更地核には第七音素が殆どないと思われるので、それも合わせて念の為こちらは考慮しないものとしたいと思います。
その他にも文字や映像など分かる形でローレライの力を使ったのは譜歌で契約したヴァンとユリアのみで、契約せずにローレライ自ら力を与えることはありません。
シンクはヴァンよりも先にローレライがいる地核へと落下しましたが、直接ローレライの力を授かることはなく、ヴァンから延命処置として力を少し分け与えられただけでした。
また、レプリカは体の結合を第七音素が担っているため、第七音素の影響も人間より多く受けます。
ルークが音素乖離する前であればローレライが力を貸すことで、ヴァンのように乖離を免れることも出来たのかもしれませんが、それをしなかったとなるとローレライの力を借りるためには大譜歌が必要だったのだと思います。
アニメ版用語解説には大譜歌に『ローレライの力を引き出せる』とも記載されていますので、これを参考にするのならやはりルークには『力を貸してくれなかった』のではなく、『力を貸せなかった』のかもしれません。
青年はタタル渓谷のセフィロトを通じて地上へ戻った
青年が現れた場所、タタル渓谷には大地に点在する強力なフォンスロットである『セフィロト』の一つがあります。
その証拠にフォンスロットに群生しやすい『セレニアの花』と呼ばれる夜にしか咲かない花も存在しており、このフォンスロットからは地核内部にある記憶粒子が地上へ向けて吹き出しています。
外殻大地を降下させた時にセフィロトから生成される『セフィロトツリー』は崩壊してしまいましたが、エルドラントはレプリカのセフィロトのおかげで浮上していましたから、外殻大地を降下させてもセフィロトの機能が失われたわけではないはずです。
プラネットストームの根幹を担うラジエイトゲート、アブソーブゲートもセフィロトに含まれるので、基本的な流れは地核からアブソーブゲートのセフィロトを通じて戻ってきたヴァンと相違ないと思われ、ルーク達が地核にいたとしても、タタル渓谷にあるセフィロトを通じて地上へ戻ることは十分に可能であると考えます。
些細なことになりますが、例えセフィロトを通じて水辺に出たとしても『セフィロトが吹き上げる力で水が弾かれ、濡れることはない』とティアが話していたので、『感動のシーンなのにびしょ濡れのまま💦』なんて心配もしなくて大丈夫でしょう。
ホドを見渡せるの意味
青年の言う『ホド』は様々な解釈が出来るので明確にすることは難しいです。
解釈の例としてはエルドラントを『ルークから見たヴァンの墓』とするか、
『ルークから見たアッシュの墓』とするか、
『ローレライから見たユリアの墓』とするか、
タタル渓谷から見たエルドラントかホドに関連する何かの思い出、です。
今までルークとアッシュの話をしてきましたが、ローレライも彼らの完全同位体です。
完全同位体だからこそチャネリング(便利連絡網)が使えたわけで、ローレライの剣と宝珠を渡せたのもこれが理由です。
エルドラントは言わずもがなヴァンが散っていった地、それを墓と捉えることも出来ます。ヴァンを意識した言葉だとしてもおかしくはありませんが、ヴァンの墓というのは元々ティアの部屋の奥にあるセレニアの花畑にあります。
これはアブソーブゲートでヴァンを倒した後に作られ、ルークも一度目にして祈りを捧げています。
アッシュは記憶だけの存在とはいえ、ルークとともに在りますから、エルドラントを墓としてしまっていいのか、墓を作るならバチカルではないかと考えてしまいます。
おまけにタタル渓谷から見えるのはホドのレプリカである『エルドラント』です。
消滅したホド一帯を眺められるスポットにはなりそうですが、ルークやアッシュもモースが世界へ向けて声明を発表してからは『エルドラント』と呼んでいますし、二人とも生まれも育ちもホドとは無縁です。
そんな中でローレライは唯一ホドと大きな関係があります。
それはユリアがホドの生まれであり、彼女が眠る地もホドということです。
ユリアは大譜歌を詠い、ローレライと契約を交わした後、その力を使ってローレライの鍵を作り、人類の存続と発展に大きく貢献しました。
事実、レプリカと言えどエルドラントには『ユリアの墓』が存在しています。
ローレライの記憶があるとすれば『ホド』と認識しても何も問題はありませんし、ティアの大譜歌が青年に影響を与えたのなら、尚の事ローレライが関わっているはずです。
しかし、ルークの目線でエルドラントをホドと呼ぶことにも懐疑的ですが、ローレライは第七音素そのもので、星の誕生から消滅までの記憶を有しています。
ローレライならホドを呼ぶことに違和感はありませんし、ヴァンはローレライの一部を体内に取り込んでいたので『一部だけ混ざった』といった解釈も出来はしますが、『混ざる記憶のスケールが大きすぎないか?』という懸念もあり、やはりハッキリさせることは出来ません。
ルークはアブソーブゲートでプラネットストームを流れる音素と融合しかけ、地核に引きずり込まれて星の記憶の一部を垣間見たこともあり、こちらも関係ない描写だとは思いません。
地核にある記憶粒子は星の記憶を有していますが、預言の場合は記憶粒子を元にした第七音素を体内に取り込んでそれを詠むので、原理が同じなら地核に2年間いたとしても記憶粒子の段階で星の記憶を見ることが出来るのか疑問ですし、仮に第三者視点で記憶を遡ったとして『そこまでホドとして意識するのだろうか…』とも思います。
(ちなみに取り込んで詠み、体外へ第七音素を放出した結果、結晶化して現れる物体が譜石です)
筆者としては『ローレライの記憶が一部混入』か『地核の記憶粒子から星の記憶の一部を見た』に可能性を感じていますが、どちらも自信はありません🥺
ただ、青年の製造工程や主人格には関わらないので、ここは曖昧であっても青年の話には影響はないと考えます👷♂️
ローレライが主人格になる可能性を考える人もいるかもしれませんが、それはローレライの目的を考えると0に近いと思います。
自身が地核に留まっていると星に悪影響を及ぼすことから、地核から解放されて遥か上空にある音譜帯の七番目になりたかったのがローレライです。人の身になって地上へ降り立つことは初めから望んでいません。
また、ローレライはルークやアッシュと明らかに異なる口調で話します。
『約束してたからな』などと砕けた言い方をユリアが聞けば『ローレライはそんな事言わない!🤜💥』『解釈違い🙅♀️』と言い出すに違いありません。
ヴァンが自身の体にローレライを閉じ込めた際には、不足した第七音素を補おうとしてプラネットストームが活性化してしまう問題が生じました。
エルドラント進軍に伴ってプラネットストームは停止させてありますが、ローレライそのものが人の身に宿っても何も起こらないとは限りませんし、ルークらと融合して世界から消え去るようなこともしないでしょう。
青年の約束はティアとの約束
『ティアとルーク』『ルークとアッシュ』『ナタリアとアッシュ』が想定されますが、この時の『約束』はティアとルークの約束でしょう。
ルークとアッシュの場合は『一人で戦わせてしまうけど無事に生き伸びてくれ』『生きてまた会おう』という意味合いのはずですから、アッシュの約束は守られなかったと見て良いと思います。
アッシュが死亡した後のイベントやスキットではルークやナタリアが悲しむ描写も挟まれており、悲しまなかったということもありません。
おまけに約束を果たすためにアッシュが青年として戻ったとするなら、それは『生き残る』ではなく、『生き返る』になりますし、ルークとアッシュの約束なのにルークが欠けてアッシュだけが戻る形になってしまっては、約束を果たしたと言うのは難しいと思います。
アッシュは過去の経験から約束を軽視したり、守らない傾向にありますが、ルークは約束を守ります。
アクゼリュスで超振動を起こすことを秘密にするというヴァンとの約束。
過去の話(ネビリム関連)を人に言わないというジェイドとの約束。
無事に帰るなら外に出て仲間に会いに行っても良いという母親との約束。
ローレライを解放するというアッシュとローレライとの約束。
中には悪い方へ作用してしまったものもありますが、守ったか否かに観点を置けばどの約束もちゃんと守られています。
ナタリアとの約束(プロポーズ)は『幼い頃の元ルーク(現アッシュ)がした約束』である上、アッシュはアッシュと名乗る前の自分がした昔の話と捉えており、ナタリアも『過去のもの、無効となったもの』として決別しています。
また、ナタリアも最終的にはアッシュを待っているのではなく、ルークとともに在ると捉えています。
それでも尚アッシュと混合しないでルークを一人の人間、無二の存在と認めて、必要とあれば彼の力となる道ないし未来を選んでいますから、青年の約束はナタリアとアッシュのものではないでしょう。
これは元ルーク(現アッシュ)がした約束であって、レプリカが生まれる前の話ですから、現ルークの約束には入らないとカウントしますが、これも現ルークが代わりに責任を取るというのであれば『ルークがこれから果たす約束』と見て、『それにはルークが生きていなければならない』として青年の正体を後押しする解釈をしても良いと思います。
国を変えたり、戦争を起こさないことは出来たとしても『死ぬまで一緒にいよう』が国を支えていく王族では収まりきらないのなら、そこだけは難しくなると思われますが🥲
ティアとの約束であればティアとルークの両名が生存し、『待っている人と帰る人』の構図が成り立つので、自信を持って約束を果たしたと言えるでしょう。
生きたいルークと心の整理がついたアッシュ
二人とも『自分は死ぬ、音素乖離したその先はない』と思っていますが、未来に対する心構えは真逆です。
ルークは再三に渡って『生きたい、死にたくない😰』と言い続けてきました。
反対にアッシュは『スピノザによる少女漫画並みに端折られた大爆発の説明』によって誤解し続け、命が少しずつ削られていく状況に長期間晒されていたせいか、無駄死には避けたい様子ですが、ローレライ解放のためなら死ぬことに対して戸惑いは見られません。
アクゼリュスの件でヴァンに裏切られ、ルークに全てを奪われた(と思い込んでいる)アッシュはそこにしか存在意義を、あるいは生きた証を残せる道を見出せなかったのかもしれません。
ルークとの一騎討ちで敗北したことで自分自身とも決着がつき、自己確立、自己受容を遂げ、最期には『後は頼む』と遺してルークに全てを託したことからも、アッシュは死を受け入れる覚悟が出来ていたのだと思います。
ルークより生きることへの執着が薄いことは確かです。
個人的にもし青年がアッシュだとしたら、あのような笑顔🙂では帰らないと思います。
欲しいものは勝ち取るが信条のアッシュですし、レプリカを理由に卑屈になるのが気に入らないのだと思いますが、ルークからの施しは特に嫌います。
ルークに全てを託したわけですから、アッシュは万が一自分が運良く復活できたとしてもルークでないことへの苛立ちを抱え、もっと複雑な面持ちで姿を現した気がしてなりません。
話は少し変わりますが、『生きることが贖罪に繋がる』とルークは考えていますので、死して罪から解放されたいという感情もルークには無いと思われます。
あまりにもマブダチなガイや先程のナタリアの台詞からも、ある意味で死ぬことも許されず、生きることをひたすらに応援されているのがルークです。
体の癖が現れる外見的特徴が殆どルーク由来
その人の体の癖、もっと広く見るなら習慣は精神が軸になると思います。
青年の帯刀の仕方はルーク、利き手も左利きでしょう。
髪の分け方はルークが右分け、アッシュが左分けに対し、青年は右分けです。
ジャケットの色は白を基調としたまま、元の服と同様に黒や黄色も使われており、ハの字に広がるシルエットもそれを意識したものでしょう。
その下に着ている上下の服は黒と赤とアッシュを象徴する色使いです。
元々ルークが下に着ている服も黒ですが、新しく赤が混ざっていることから、ルークの中にあるアッシュの記憶もとい存在に影響を受けた色となっていると見て間違いないはずです。
毛先の色に関しては毛先の濃いアッシュの体を基に毛先の薄いルークを再構築したため、混ざり合って中間を取るように全体が統一された髪の色になったか、ルークがレプリカから人の身になったことで第七音素の色である黄色が毛先から取り除かれたか。
このどちらかの解釈で良いと思われます。
ローレライの解放に使われた『ローレライの鍵』は青年が持っていましたが、鍵は第七音素で構成されているため、譜陣を作る際に音素へと分解された後、一時的に音素のまま体内に取り込まれて保管され、後に復元されたのだと思います。
これはローレライから音素として剣や宝珠を受け取った時と同じ要領でしょう。
ローレライの剣はアッシュからルークに託されたものですので、アッシュに認められたルークが立っているという意味付けも出来るのではないでしょうか。
エンディングで映る月の謎
本来オールドラントから見える月こと『衛生ルナ』は白かったり、青白いです。
こちらは最後に映る月🌝です。不自然に黄色くないでしょうか?
しかもこの月は全体が黄色いのではなく、所々黄色くなっていて線で結ばれているような形をしており、解読することは出来ませんが、文字やパッセージリングを操作する時に浮かぶセフィロトの図的な…何らかの模様にも見えてきそうです。
意図的に黄色を加えたのなら、第七音素の関わりを示唆しているのでしょう。
あの場面に第七音素が関わっている→ローレライは第七音素そのもの→音譜帯にいるローレライが大譜歌に反応した→青年の復活に関与、と繋がりを見出すこともできます。
しかし、この黄色い光は月表面に刻まれているように見えますが、オールドラントの月に人類が干渉した痕跡はありませんから、仮に意図したものであったとしても第七音素の関与を仄めかすために演出の一環として、なんとなく光らせただけのような気がしなくもないです。
ローレライがいる音譜帯というのは外殻大地から高度150kmにあります。地核から外郭大地までが30kmなので、外殻大地を降下させた後ではもう少し距離が開きます。
実際の地球ではオーロラの見える高さは100-200kmとされているようなので、音譜帯は惑星(オールドラント)全体を覆っており、オーロラのように局所的なものではありませんが、高度で例えるなら近いでしょう。
地上から眺める月に黄色い光が重なっていると捉えるなら、それは音譜帯にいるローレライが関わらないとありえない現象だと考えられますが、表面に刻まれた光とするならローレライすら干渉できないほど遠いはずです。
正直なところ意味があるのかないのかすら分かりませんが、考察の材料の一つとして書いておきたいと思います。
帰ってくるのは片方だけ
ゲーム外から考察の材料を持ってくるのはあまり本意ではないのですが、見出しの点をハッキリさせておくならジェイドとディストの会話だけでなく、こちらも用いた方が良いと思ったので、関係者発言によるED解釈より引用させていただきます。
青年がルークかアッシュ、どちらか一方であることは確かです。
青年がルークでもアッシュでもない、未知の誰かにしたいのであれば『何者なのか』と言えば良いので、二択にして的を絞らせる必要はないでしょう。
下記のインタビューも合わせて読むと、その他の選択肢のためにあえてこの二つと誤認識させている可能性も薄いと思います。
こちらには『ティアが青年に抱きつく描写も当初検討されていた』と書かれています。
『抱きついてみたら実はアッシュでした!🎉』とドッキリENDをさせたかったわけではないでしょうし、『ティアが抱きつくとルークであると分かりやすく確定してしまう』と考える方が自然です。
このことから『元々あの場面はアッシュだと想定して作られていない』『ルーク以外の選択肢を生むために変更された』と解釈することができます。
現に抱きつかなかったり、表情を画一化させないこと、スターなどの理論でも武装することで、プレイヤーに生まれた気持ちは『最初はルークだと思っていたけど、もしかしたらアッシュなのかも…』のはずです。
プレイヤーは『帰ってきたのはルークという思考から始まる』ので、抱きつくシーンを無くすことで影響を強めるのはアッシュだけです。『ルークかも…』を強める効果はありません。ルークで一本化されるところにアッシュという分岐を生ませる、これが狙いなのでしょう。
開発側が『プレイヤーにはルークかアッシュで迷っていてほしい』と思っていることは明らかですから、ルークだと一目で分かってしまう描写は避けたいという理由からそのシーンは加えなかったのだと思います。
結論と主な流れ
ルークの同調フォンスロット開放がきっかけで、アッシュの大爆発が開始
アッシュは緩やかな音素乖離に伴い、体力、譜術力を失い始める約半年後にアッシュが音素乖離ではなく、外傷によって死亡する
直後、ルークへ自身の音素を受け渡すが、体が音素乖離せずに残るルークがアッシュの音素を受け取り、記憶継承とともに第二超振動を会得
アッシュは音素乖離や特殊な力場を揃えられなかったため、
受け渡す音素から自身を構成する情報が一部欠落
融合が上手くいかず、不完全な大爆発で終わり、記憶だけの存在へヴァンを倒し、ルークが地核へ移動
ローレライを音譜帯へ解放する地核でルークの体が音素乖離を起こす
同時に乖離していく自身の音素をアッシュの体へ流し込んで融合
その後、地核を彷徨い続ける2年後、タタル渓谷にてティアが大譜歌を詠う
ティアとローレライとの間で契約が交わされ、
大譜歌とローレライの鍵が組み合わさる事でローレライが召喚される
ローレライの力を使ってアッシュの体を治癒し、
ルークの精神を基に身体の再構築が成される地核からタタル渓谷のセフィロトを通じて、
アッシュの記憶を受け継いだルークが青年として現れる
これでルーク達が起こした現象から読み解いていくのは終わりになりますが、その他のキャラクターの台詞や、キャラクター間の構図、心境などを元にした考察や解説はもう少し続きますので、まだまだ気になる方は見てやってください。
主題歌のカルマについて
約束は果たされるの意味
『ローレライを解放する』というアッシュとの約束でしょう。
(ローレライを地核に)沈めた理由に、
(ローレライの鍵という名の)十字架を建てる時、
(ローレライを解放するという二人の)約束は果たされる、ということです。
これは作中で使われるBGMのタイトルでも表されています。
アッシュが死亡するムービーで使用されるBGMのタイトルは『promise』
ヴァンの第一形態で使用されるBGMは『time to raise the cross』
ヴァンの第二形態で使用されるBGMは『finish the promise』
これらのタイトルの通り、後は頼むと託されたアッシュとの『約束』から始まり、ヴァンを倒すことでローレライを解放するという『約束は果たされる』わけです。
尚、ローレライを地核に沈めた理由は譜術戦争で招いた障気と大地の液状化により、魔界が人の生きていける環境ではなくなり、絶滅の危機に瀕した人類がこれからどうすれば良いのか、その道を探るべくユリアが預言の力を必要としたためです。
ユリアは大譜歌によってローレライと契約を交わし、そのローレライの力を使って『ローレライの鍵』を作りました。
それから再び大譜歌を用いて鍵にローレライそのものを宿し、その力を自在に操り、譜術戦争で不具合の生じたプラネットストームを再構築した後に鍵を地核に沈め、2000年以上先まで分かる『惑星預言(プラネットスコア)』を詠みました。
ローレライを地核に沈めた2年後にユリアが惑星預言を詠んだこと、ローレライが地核に落ちたヴァンに取り込まれたこと、その直後にアッシュに剣、ルークに宝珠を渡したことから、ローレライは鍵に宿されたまま地核に沈められたのだと考えます。
オールドラントの誕生から消滅までの記憶を詠むには第七音素が必要で、人類が第七音素を行使するには惑星全体を音素で満たしてくれるプラネットストームが欠かせないので、ユリアはプラネットストームを修復した後、その循環の中心地点である地核にローレライを閉じ込め、人類の行く末を詠めるだけの第七音素を得ようと考えたのでしょう。
この辺りの話を時系列順に書いておくと下記のようになります。
物語終盤では各国がプラネットストームの停止と預言廃止宣言を行っており、プラネットストームを停止させると地上へ降り注ぐ音素が著しく減少し、ローレライを音譜帯へ解放すれば譜術などと同様に根本的に預言が読めない世界になる可能性も高いです。
『十字架』は単純に『ヴァンに対する十字架』『ローレライの鍵を差した』という絵面だけではなく、ローレライの鍵は人類が預言や音素の恩恵を捨てる、今までの世界に対する終止符としての十字架という解釈も出来るのではないでしょうか。
一般的には『沈めた理由』はホドかエルドラントなのかもしれませんが、ホドが沈んだ理由は幼いヴァンを利用して擬似超振動を引き起こし、偶然セフィロトツリーまで消滅させてしまったためです。
エルドラントに至っては崩れはするものの、アルビオールを押し潰そうと突っ込んできたがために傾いた姿をしているので、二つともローレライに比べると沈むとは言い難く、ローレライとの関係もありません。
十字架と約束を沈めた理由と繋げるなら一貫してローレライにまつわる話になると考え、このように解釈しました。
カルマ自体はルークとアッシュを歌った歌であり、『約束を果たした後、僕らは一つになる』のですから、歌詞の中の人物を見ても、時系列的に見てもティア、ナタリア、その他に対する約束ではないと思われます。
その場合は『一つになった後、約束が果たされる』ことになってしまいます。
ただし、『約束』には『もしかしたら…』と様々な見方ができるように含みを持たせている節は大いにあるでしょう。ローレライを解放するというのは、ローレライとの約束でもありますから。
ジェイド、ディスト、スターについて
彼らの発言は嘘は言っていない、一部しか知らなかった。
故にルーク達にそのまま当てはめてはいけない、が特徴です。
アッシュの話はしていないのに、鵜呑みにするとアッシュに見えてしまいます。
複雑な会話が多く、彼らは『プレイヤーの解釈をアッシュに誘導する役』ということになるのですが、その落とし穴に囚われないように読み解いていきたいと思います。
大爆発現象の理論は未完成
大爆発の理論はジェイドが過去の研究を基に提唱したもので、内容に間違いこそありませんが、実証には至っていない未完成の理論です。
用語解説にもありますが、大爆発の説明には…
これまで同位体が存在しなかったため、立証はされておらず、あくまで仮説に過ぎない。正確に大爆発が起きるには、特定の条件の元、あらゆる不測の事態が取り除かれていなければならないが、実験以外でそのような状態が作れるとは思えないため、疑問視されている
と、大爆発は理論だけ存在するが、実例のない現象であるとともに存在を怪しむ声すらあります。
完全同位体は世界でルークとチーグル(以下スター)の2例のみであり、ディストがワイヨン鏡窟で行っていたスターの実験が世界初の大爆発実験例です。
大爆発というのはご存知の通り、オリジナルから音素乖離が始まってしまいます。これはどう足掻いても免れることは出来ず、普通に行えばこれ以外を観測することができません。
もし研究者がルークの現象を再現しようとするなら『完全同位体を用意した後、オリジナルを音素乖離する前に殺して死体だけを残し、レプリカを外部の音素の影響がないまま人為的に音素乖離させ、損傷しているオリジナルの体を修復すること』が必要になります。
現実的に考えれば不可能に等しく、この結果を実験で証明することは途轍もなく難しいと言えるでしょう。
その結果、ジェイドもディストもオリジナルがレプリカに入ることしか知らなかった。ルークの件は見たことがなかったのです。
このジェイドの『出ていく感じは?』はスターにも聞いていない質問です。
時系列的にはスターへの質問→アッシュの死亡ですから、この場面よりも前に他の融合した完全同位体(スター)と接触していたにも関わらず、そこで聞いていない現象を突然ルークに尋ねるのは些か奇妙です。
しかし、ジェイドはオリジナルがレプリカに入っていくことしか知らないので、融合したのにアッシュが現れていないことがジェイドにとっては異常事態であり、自分の中の理論や答えを明確に否定できる未知の現象を探るべく、『入っていく感じはスターとの共通点だが…その反対はあるのか?』といったような考えから、このような聞き方をしたのでしょう。
出ていく感じなど存在しないのですが、もしあったとしたら『アッシュの音素が出ていった』と解釈でき、失敗例を見た事がないジェイドはアッシュの大爆発失敗に確信を持てるわけです。
そのため、この質問はアッシュの大爆発が正しく進行しているか確認のために聞いたわけではないと考えることができ、直後の『そうですか……』も想定通りに進んでいる事への納得や落胆と捉えることは出来なくなります。
ジェイドの心境を推察するとしたら『アッシュの音素がルークの中に入ったが、表には現れていない。時期に人格の上書きが起こるのか…?このままなのか…?これからルークの身に何が起こるのか分からない…』といったところでしょう。
それ故に『……いえ……なんでも……』は行く末を知っていて言葉を濁したのではなく、融合してもルークのままという未知なる現象を前にして答えに行き詰まったのだと思います。
エンディングでのジェイドも皆と同じくルークが帰ってきたのだと数瞬喜びはするも、ルークでない可能性が頭をよぎって視線を落としたわけです。
憂い顔をする前の横顔の間は笑顔ですし、初めから『戻ってきたとしてもアッシュ』だと分かり切っているなら笑顔になる理由はないでしょう。
ジェイドとディストの会話もアッシュを示す言葉
『そんなにあのレプリカが大事ですか?』の一言に引っ張られて、ついルークに向けた言葉だと思ってしまいますが、記憶しか残らないを体現しているのはアッシュです。
二人とも1回ずつ融合して大爆発を終えており、どちらも会話に当てはめられます。その上でこれを記憶だけになるとは限らないルークの話とするか、実際に記憶しか現れていないアッシュの話とするか…。
この会話はルークについて話しているようで、本当はアッシュを説明しているのです。
アッシュにとっては残酷な話になりますが、精神の割合は恐らく100:0。
スターを例にしても『自分は死んだと思ったら死んでいなかった』『その時はもう一人の自分はいなかった』と自他の区別ともう一人の死を理解しており、オリジナルとレプリカの二つが混ざり合った人格をしているようにも見えません。
主人格となった者が100で、記憶だけとなった者は0なのでしょう。
チーグルの実験はヒントと同時にもっともミスリードを誘う存在
このような解釈の仕方はまだまだ続きます。
幾度となく見てきた、話題にされてきたであろうこのイベント。
( 1個目 / 2個目 / 3個目 )
素直に見れば『レプリカが消え、レプリカの記憶とともにオリジナルが生き残る』と受け取ってしまうところです。
そのように思わせる手法は惑星譜術と言っても過言ではないでしょう🧙♀️
最後まで決定的なものはないかと悶々としてましたが、あることに気づいた時は思わず驚嘆🕖してしまいました。
これにはもう一つ、捉え方を変えることでスターの身に起きた現象そのままに、ルークが起こした結果と結びつけることが出来ます。
双方の結果を『記憶だけの存在となったAの体と、音素乖離してAの体へ入った後に主人格となったB』と捉えてみましょう。
すると『記憶だけの存在となったアッシュの体と、音素乖離してアッシュの体へ入った後に主人格となったルーク』として照らし合わせても矛盾は生じません。スターの場合は『Aはレプリカ、Bはオリジナル』になりますよ。
オリジナル発言が気になるようでしたら、試しに逆転させてみましょう。
『記憶だけの存在となったルークの体と、音素乖離してルークの体へ入った後に主人格となったアッシュ』です。
……如何でしょう。音素乖離しないルークの体、体を音素乖離させたアッシュ、どちらも存在しませんよね🕵️♂️
スターはほぼ確実にレプリカの体とオリジナルの精神でしょう。
オリジナルのスターは大爆発の影響で力が弱まっていましたから、後に音素乖離して融合を遂げ、体がレプリカになったことは間違いないはずです。
重箱の隅をつつくような形になってしまいますが、ほぼ確実に…としたのは万が一の可能性が考えられるからです。
『体を音素乖離させて融合しているからオリジナル』と言いたくなりますが、スターのいたワイヨン鏡窟では特殊な融合のもう一つの条件である特殊な力場が確認できていません。
檻にいたまま融合したのなら、それは満たすことが出来ない可能性が高いですし、ずっと檻にしかいないため、隣にある巨大な装置(音機関?)の中で融合してから戻されたのかまではプレイヤーが知ることは出来ません。
場合によっては他の物質や音素が混ざる環境が成立し、レプリカの精神もオリジナルの精神も可能性の一つとしてあり得てしまいます。
尚且つその場合、スターから得られる大爆発に関する情報は『大爆発はオリジナルから始まること』と『2人分の記憶を持っていること』に加え、『音素乖離したオリジナルがレプリカと融合すること』までとなってしまい、この後にオリジナルはルークと同じ完全な大爆発をして主人格となったのか、失敗してアッシュと同じく記憶だけとなったのかまでは分からなくなってしまうのです。
ですが、これに関してはどちらであってもルークと矛盾する現象は起きませんし、拘っても意味のない部分であるため、PS2という当時のゲーム機の限界なのか、開発の詰めの甘さなのか…ということにして、スターはレプリカの体とオリジナルの精神で話を進めたいと思います。
ルークの話に戻りますと、ルークは『アッシュの体しか使えない』という条件があり、スターとの間には『完全な大爆発を起こして音素乖離したBは、Aの体へ入って主人格となる』という共通点があるので、『アッシュの体とルークの精神』は一見間違っているようで、実のところ間違っていません。
むしろそれ以外の選択肢こそ理論やチーグルの実験と一致するのか、青年として再構築できるのかどうか、どちらかから外れてしまって成立しないことでしょう。
『大爆発が起きるとレプリカが消え、オリジナルが残る』という、
氷山の一角だけを分かりやすくプレイヤーに提示し、それが真相と思い込ませ、
『アッシュとして帰ってくる』と誤解の種を植え付けるのが、
この『テイルズ オブ ジ アビス』なのです。
まるで、スピノザから大爆発について一部しか教えてもらえず、
全貌を知らないまま誤解し続けたアッシュをプレイヤーへ重ねるかのように……
しかし、青年に関わる描写や設定を1つ1つ丁寧に紐解いていくと、ルークであることを裏付けする描写が数多く存在しており、プレイヤーでは答えを見つけられない、嵌められないパズルだったのではなく、明確な1つの答えをプレイヤーが実証できるように作られていたわけです。
青年となったルークが地上へ戻るまでの道筋も『ヴァン師匠』がお手本だと言わんばかりに示してくれました。
レプリカ→オリジナルの可能性を知らないまま、
オリジナル→レプリカとした理論オリジナル→レプリカで無事に大爆発が終わってしまったため、
レプリカ→オリジナルを確認できなかったスター、ジェイド、ディストオリジナル→レプリカに失敗したアッシュが肉体を残したことにより、
前例のないレプリカ→オリジナルを実現したルーク
仲間外れがいるように見えるヒント達は元々情報の欠けていたもので、説明や台詞通りに読むと矛盾が生じてしまいます。
不明瞭な点を取り除くためにオリジナルとレプリカに囚われない読み方、物事の見方をしてみると、3つの共通点は文字では記述されていない水面下で交わっていました。
ルークとアッシュには当てはめられないスターの発言
スターの発言は難解なので、『何かが入ってくる感じがした』をどう読み解くのかと、スターの過程はスターにしか通用しないことの二つについて、もう少し詳しく話していきたいと思います。
極めて誤解を招く『何かが入ってくる感じがした』から見ていきます。
読めば読むほど頭がこんがらがる文へと仕上げる、スター渾身の一節なわけですが、スターの状況を考えるとそう説明するしかなかったということが分かってきます。
理論やアッシュの例に則って話せばオリジナルは『まず入る側』であり、レプリカが『入られる側』ですから、オリジナルの精神でこう話すのは不思議ですよね。
話の殆どはオリジナル視点なのに、『何かが入ってくる感じがした』だけは明らかにレプリカ視点で話しているような異質さがありますが、これはその間オリジナルは死亡していて意識がなかったため、レプリカ視点でしか感知及び記憶できなかったのだと考えます。
尚、死亡と表現してはいるものの、音素乖離から融合や再構築までの間の死を『完全な死』としてしまうと『死者は復活しない』と矛盾してしまいますし、ルークの音素乖離を例とすると描写にも完全な死とは明確な違いがあるため、昏睡や仮死など純粋な生命活動の停止とは異なるものと考えていただければなと思います。
さて、時系列は『オリジナルが音素乖離により死亡→入ってくる感覚(オリジナルがレプリカと融合)→オリジナルの復活』であり、『入ってくる感覚』というのはオリジナルが死亡してから復活するまでの間に説明されています。
そのため、その瞬間だけはオリジナルの意識がなく、レプリカの意識しか存在しなかった、故にレプリカの視点と記憶で語ったのです。
これをルークに当てはめた場合はアッシュが完全に死亡しているので、ルーク→アッシュの際の『入ってくる感覚』というのは感知しようがなく、記憶に残らないということになるでしょう。
何かが入ってくる感覚はレプリカ視点、入ってくるものは音素乖離したオリジナルの音素ですから、本来はこの『その後何かが入ってくる感じがしたと思ったら』という言い方そのものが正しくありません。
正確に話すなら『入っていく感じ』になるのですが、先程述べた通り、この瞬間は『オリジナルは死んでおり、まだ復活していない』わけです。
ですので、スターがこれを説明するとしたら必然的にレプリカ視点となり、このような表現以外で人に伝えられる方法がなかったんですね。
例えるならあなたが突然死亡し、目覚めたら他人の体になっていたとします。
それを人に説明するとしたら、あなたは死んでいて意識がないわけですから、『途中で誰かに入っていく感じがした』とは言えないはずです。
『目が覚めたら他人の体になっていた』『死んだと思ったら死んでなかった』が恐らく精一杯。そこで元の人の記憶があったとしたら、それは『何か(あなた)が入ってきた』などと記憶されているのではないでしょうか。
そして偶然にもその記憶が残っていたため、前者の言い方だけで終わらせるのではなく、後者まで付け加えて話したのがスター、ということになります。
次にこれはスターが自分に起きたことを話しただけであり、その過程はスターにだけ通用する話であることを説明していきます。
実は1回の融合でこの順序のまま進行したのはスター以外にいません。
スターはオリジナルとレプリカを混合すれば成立しますよね。
オリジナルの記憶で『自分は1回死んだ』と話し、
レプリカの記憶から『何かが入ってくる感じがした』と引き出し、
再びオリジナルの記憶で『でも自分は死んでなかった』と話す。
こうすれば順序を崩さず、更に『1回の融合』で全て説明することができます。
しかし、ルークとアッシュは1回の融合で話そうとすると無理が生じます。
アッシュは外傷によって死にますが、ルークと融合しても死んだままです。
ルークは音素乖離を起こして1回死にますが、その後の『何かが入ってくる感じ』を感知するとしたら、それを担うのはアッシュの死体です。
ルークであれば『でも死んでなかった』と繋げれば一応は自然な形になりますから、これで良しとするなら『スターと一致する』と言いたいのですが、死体が感覚や記憶を持つのは無理があります。アッシュであっても、ルークであっても、スターの話をそのまま再現することは不可能なわけです。
アッシュの融合はアッシュが分かりやすく死に、ルークは『入ってくる感じ』を認識し、理論からも外れた見せ方になっています。
これによって、『アッシュの大爆発は地核に移動するまで終わっていない、スターと同じように1回の融合でオリジナル(アッシュ)が生き返った』と思われる方もいるかもしれません。
ですが、これでは融合と見受けられる描写が2回挟まった後にアッシュが復活すること、1回目の融合後も依然としてルークが主人格であり続けること、アッシュの体とアッシュの精神という結果になってしまうこと、いずれもスターなどのゲーム内で確認できる現象と共通する点が見出せず、説明がつきません。
『大爆発は起きた、でも互いの過程は一致しない』となれば、スターとルーク達は最終的に起きた結果を比べ合うことしか出来ません。
その結果を合わせて出来上がるのは、前述の『記憶だけの存在となったAの体と、音素乖離してAの体へ入った後に主人格となったB』という枠組みだけ。
それに当てはまるのは『アッシュの体とルークの精神』しかないのです。
スターの話の解釈例になりますが、以上の説明を踏まえた上で『1番』を読んでいくともっとも矛盾なく読むことが出来るのではないかと思います。
入ってくる何か(音素)をレプリカにすることは出来ませんし、入ってくるオリジナルに合わせようとして『2番』で読んでしまうとレプリカが主人格となるので、ジェイドの質問に対する自分はオリジナル発言が嘘になってしまいます。
…ということで、ルークは想定外のことをやってのけました。
おジェイ👓も大爆発の一部しか知らなかっただけで『失敗は』していませんし、ディスト🥀が話すコンタミネーション現象から免れることもしていません。
この考察を読んだ後ならあの場面でもニコニコスキップ😊🕺で青年の元へと駆け出していく🏃💨はずです。
作中の台詞や表現からの考察
ルークとティアは月と夜、アッシュとナタリアは夕日が象徴
この二つのペアにおいて重要な話、とりわけ二人だけの会話が展開される場合は特定の背景が使われる傾向にあります。
ルークとティアは月と夜🌃です。初めてのタタル渓谷、前夜の語らいが該当します。
カメラの影響で月は見えないものの、ルークの断髪、シェリダン、1回目のヴァン撃破後なども夜を意識しているのか、全体的に日の差さない背景が多いです。
付け加えるなら『セレニアの花』もティアの要素で溢れています。この花は夜にしか咲かず、タタル渓谷と魔界(クリフォト)でしか確認できません。
対してアッシュとナタリアは夕日🌇です。シェリダン、前夜の語らいが該当します。
シェリダンは夕焼けというよりは朝焼け、前夜の語らいはアッシュこそ現れませんが、夜ではないので同じカテゴリとさせてください😔
ローレライの解放を外から見届ける場面も夕焼けであるため、アッシュとナタリアに関わる意味も込められているのかもしれません。
ナタリアの実母であるシルヴィアは『夕日を眺めるのが好きな穏やかな女性』と記載されており、ナタリアが夕日を象徴とするのは母親の面影をも反映させた意図的なものだと思われます。
ちなみにティアは日の差さない魔界(クリフォト)生まれの魔界(のユリアシティ)育ちであり、出生からも夜の要素を含んでいます。兄のヴァンはホド崩落前に生まれたため、魔界ではなく、ホド生まれとなっています。
ティアとナタリアの会話イベントのとある場面も明と暗がハッキリと分かれていて気になりましたが、こちらは流石にこじつけかもしれませんね…。
色々列挙していきましたが、ラストのシーンではどうでしょう。
そう、満月の夜。あの再会はルークとティアのためのシーンとなるわけです。
ティアは悲しみの涙を流さない
ルークは自身の日記でこのように綴っています。
リグレットや兄であるヴァンとの別れや、ルークとローレライの解放を見届ける時、ルークのいないルークの成人の日、如何なる時もティアは涙を流しません。
どれだけ悲しいことがあっても涙は流さないのでしょう。
そうした中、青年と再会した時だけは涙を流します。
これは希望が潰えたことに対する悲しみの涙ではなく、ルークが帰ってきたことに対する嬉しさの涙を描いている、または嬉し涙を見せることでティアが願った通りの結果が訪れたことを表しているのだと思います。
もし『青年はルークではない、これは悲しみの涙だ』とするなら、上記で語った『私は泣かないわ。泣いても何も変わらない』と矛盾してしまう上、涙を流した後に青年へと駆け出していく理由も無くなります。
泣いても結果は変わらないから悲しみの涙は流さないのがティア、なんですね。
ルークとティアの物語はタタル渓谷から始まり、タタル渓谷で終わる
タタル渓谷はルークとティアが出会ってすぐ、擬似超振動で飛ばされた地です。
同じ満月の夜、海の見えるセレニアの花畑、二人の旅が始まった場所。
全てはここから始まりました。
旅を始めてから約1年後、ルークは世界を救うための犠牲となって、
仲間の前から姿を消しますが、時は流れ、再びタタル渓谷で出会い、
二人の約束を果たすとともにこの物語は終わりを告げる……
と、このようにテイルズオブジアビスは主人公のルークとヒロインのティア、
二人の始まりの場所と終わりの場所が同じ話になるのです。
『ルークの日記』の一番目の題名は『はじまりは歌とともに』
人となったルークの新たな人生もまた、歌とともにはじまります。
以上を持ちまして、当考察を終わりにしたいと思います。
本当はルークだけでなく、アッシュも幸せになってほしいと、出来ることなら融合しないで二人とも帰ってこいと言いたい方もいるでしょう。筆者にもそうした思いはありますし、理想を言えばそう思う方は多いと思います。
二者択一の酷な書き方をしておいて…という言いづらさもありますが、この考察は異なる考え方を改めさせるものではありません。
トゥルーエンドが存在せず、答えの定まらない円環の中で希望と絶望を反芻できることこそジアビスの良さ、または怖さであり、そのおかげでプレイヤーの心に残る作品になったのだとも思います。ここまで周到に準備した恐ろしい😈素晴らしい😇開発の方々には脱帽する他ありません。
ただ筆者は答えが知りたかった側です。ルークであれば嬉しいし、ハッキリ違えば諦めがつく。答えが出ないままが一番辛いと感じていました。『ルークが帰ってきたと思っていたのに…』と悲しんだ人もいるでしょう。
これは自分のわだかまりを解消するとともに、同じように感じた人達に向けたものでもあるんですね。
また、ご自身で導き出した結論であれば、それは大事にしてほしいのですが、『雑誌で開発側の誰かがアッシュだと匂わせたから』というだけで『あれはアッシュ』と決めつけてしまうにはあまりにも惜しい作品です。これとは食い違う発言も多々見受けられ、開発側も一枚岩ではないのでしょう。
ルーク(とティア)の物語として見ていくと話の筋が通っていて、約束を守るルークや悲しみの涙を流さないティアなど言動に一貫性があり、これだけ感動的な話をしているだけに、その一言で全てを片付けられてしまうのは、ただの1プレイヤーが言うには烏滸がましいかもしれませんが、勿体ないとか寂しく感じてしまうんですよね。
様々な見方を踏まえた上で『本当はそうだったのか』や『でも自分はこう思う』『やっぱりそうだよな』と思ってほしいと、考察を終えた今はそう思います。
さて、エンディングと関係のありそうな部分を拾い上げていたらここまで膨れ上がってしまい、こうした経験に乏しいが故に読み辛く、拙い文章であったと思いますが、ここまでお読みいただきありがとうございました。
当考察をするにあたり、やる気の超振動💥を起こさせた大空スバル氏🦢やタイムスタンプを事細かにまとめてくれた方、wikiやブログ、中古の攻略本など様々なものを参考にさせていただきました。
特にルークの日記や作中の会話をテキスト化されていたサイト様はゲームを振り返る上で非常に大きな助けとなりました。こちらの方々も本当にありがとうございました。
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