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ヤコウタケ(夜光茸)Mycena chlorophos


時期

梅雨~秋にかけて(福岡県では梅雨時期によく観察されています)

発生環境

タケ・ヤシその他の樹木の枯幹・落枝などに発生します。

特徴

きのこ全体は白色で、直径3㎝ほどの小型のきのこです。傘の表面はぬめぬめのゼラチン質に覆われていて、柄は細長く、傘とヒダ部分の発光量がとても強いです。
福岡県内では広葉樹の倒木で観察されますが、時にタケ類の発生も確認されています。(タケヒカリタケと呼ばれています。)
小笠原諸島では「グリーンペペ」の愛称で親しまれています。

広葉樹の倒木に発生していたヤコウタケ。
この場所のヤコウタケの発光量はとても強かったです

「光るきのこ」の不思議

地球上で、光る生き物は数多く知られていて、「海」ではチョウチンアンコウやホタルイカなど。「陸」ではホタルやミミズなどが知られています。例えば、ホタルの場合はオスとメスの位置確認や敵を驚かせるために光ることが知られており、発光のメカニズムも解明されていますが、地球上で知られている発光生物の多くはいまだに発光の役割やメカニズムが解明されていません。

観察中、指先に飛来してきたゲンジボタル

「光るきのこ」もどうして光っているのか?その発光の役割はいまだ謎のままです。
一説には、光に集まってくる虫などに胞子を運ばせているという説。また、クモなどの捕食者を光で誘引してきのこを食害する虫を食べてもらっているのでは?説。一方で、発光きのこの光にはとくに役割がないとも言われています。「光るきのこ」はこれからも様々な人が思考していくミステリーなのです。

【参考】
山渓カラー名鑑 増補改訂新版日本のきのこ(山と渓谷社)
光るキノコと夜の森(岩波書店)


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