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Curry草枕@新宿
新宿駅は巨大なダンジョンだと未だに思っている。上京10数年目。大学生だった頃、待ち合わせ時間を過ぎても待ち合わせた出口にたどり着けないことが多く、冷や汗をかきながら駅の中や外を右往左往していた。
呆れた顔をしながら探しに来てくれてた友人たちとも久しく会っていないなあと思いながら、御苑の方へ歩けば知ってる街並みが現われてきた。歩行者も少ない甲州街道を降りて四谷方面へ歩く。日差しが眩しいお昼時。
新宿は東京ネイティブの友人たちのホームであり、御苑のあたりでよく過ごした。スタバに行き、カフェボエームでお昼を食べ、映画をみて、高島屋でジェラートを食べて解散した。自分が夢中になっていることを分かち合いたいという気持ちをガソリンにして各々が話すので、あっという間に時間が過ぎて行く。合いの手は反射的に、何を言ってもそれなりに許される気楽さって素晴らしい。(もちろんそれで喧嘩もした)
出かけたくはなかったが、行かなくてはいけない用事があった。
それで、懐かしの素朴なカレーを食べて、元気になろうと思い、カレー草枕に立ち寄った。
すんなりと席に通していただき、ナスましのチキンカレーを注文する。
席の前には本が並んでいて、三浦じゅんの「ない仕事の作り方」や三月のライオンを監修されている先崎先生の鬱病九段が並んでいた。
読みたいなあと思いながらも、知らない人の触れた本に食事前に手を出すことが憚られて、やめにした。コロナめ。本棚のある店は好き。そこで働いている人の雰囲気を察することができる気がする。
スタンダードな3辛で、玉ねぎの甘味とガラムマサラの苦味がチキンの肉と出汁に程よく絡まり、カレーはすっと体に吸収されていった。過剰なところをを削いだ優しい味だけど、癖がないという意味ではない。
材料の味がしっかり分かる、カレー。正直な味は美味しい。
汗を拭いて、また真夏の街に出た。