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自分の足で走る
学生時代、私は足が遅かった。
50mは9秒台、100mはピッタリその倍の18秒台。
わかりやすすぎて10年以上経った今でも覚えている。
さて、そんな私はクラスリレーで同級生達の頭を悩ませる種の一つだった。
もう一人、頭を悩ませる種がいた。
特別学級のEちゃんだ。
彼女は知的障害があり、運動会の時は私のクラスと合同で出ることになっていた。
あーでもないこーでもないとリレーの走る順番を考えている同級生を遠目に、私はボケーッとどこか他人事のように眺めていた。
そして、同級生は作戦を立てた。
「私とEちゃんをトラックの半々で走らせて、遅れた分を一気に巻き返す」というものだ。
その作戦は見事成功し、私たちのクラスはリレーで一位になれた。
私の地域は何かと走るイベントが多かった。
小学校では朝運動としてグラウンドをひたすら周回したり
中学校では周回駅伝のイベントがあったり
高校ではクロスカントリーで30km以上走るイベントがあった。
私の基礎体力はもしかしたらこれらの積み重ねで育まれたのかもしれない。
社会人になった時や障害を負った今、基礎体力がある事に随分助けられている。
今の私は走ることが出来なくなった。
しかし、リハビリの監督から「また走れるようになる」という言葉を貰った。
いつかまた自分の足で大地を蹴って風を感じるのが目標の一つだ。