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窓枠にのぞくヤモリを見るワタシ
弦打ちて弓張り月よなが避暑や
言の葉を秋雨にたつにしき草
蝉のこえ遠き酷暑のエアコン
湯にひたり白鶺鴒の息をのむ
ささ鳴きがする ――ヒバリだ。 庭木と呼気を交わしあう ――一匹のヒバリ、 ふくんだソウゾウを口にする 「――――――」 胸のふくらみにささ鳴きがコダマしている
屋根のうえ手触りのある梅雨の空
ハスの葉に銀雲なびく雨だまり
梅雨空を搔き分けのぼるツバクラメ
二重窓かさねて梅雨の月かさむ
雨あがりの阿蘇 田にひく水のいきいき
背表紙の紐を忘れし午睡かな
つぐむのは姫女苑をや鷽の口
不自由な腕で すっくりと 盲目なかなたで 立ちつくす。 ことに冷たく、ごとに優しき 硬質なアナタのUNhold 樹皮下を脈うつUNcold 鼓動を静かに 重ね合い ココロの強かを 解きあい この星の一端ヲ――木霊する
ふいに、ただの道行きに ひらけた視界の新鮮さ 旧道木陰のふちの外、 広大無辺な光のもとに 小さき粒を連ねる空と―― のかんかく、と カチリ。 嵌り込んだ器。がこぼす、自然な 流れるモノの輝きを ――野のユリと 呼ばずにはいられない
たしなめに野良は甘噛み春の夕