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セレナーデ

一雨
一雨が

一滴
一滴が

真っ直ぐに通りすぎていく

急に表情を変える

もうあの日の記憶は遠くへ

つかの間の秋の気配

朝起きれば空気は新鮮に

冷たく一種の緊張感を帯びた空気をおびている。

訪れた季節。

慌てた時が帳尻を合せるかのように

秋の雨を降らす。

ええ。

季節が進みましたね。

もう11月。

やはり気温は正直なわけで…。

「暑さ」よ。

もう来年まで顔は出さないでくれ。

日中も充分長袖でもいける気温。

本当に過ごしやすい。

夜も。

やはり秋の夜は良い。

まだ本格的に寒くなる前。

そして暑さの記憶が拭い去られた後。

これからの短い秋を楽しまねば。

「芸術の秋」

ゆっくりと音楽を楽しもう。

「The Hearts Of Saturday Night」

「土曜日の夜」

トム・ウェイツの1974年リリースされた作品。

以前の記事でもこの作品のことに少し触れたが、個人的に凄く好きな作品だ。

ジャジーに、ブルージーに。

トムの声が渋く、枯れたニュアンスを漂わす。

この時トムは25歳。

演奏を聴いているともうちょい年齢が上なのかと思ったりしたが…。

激シブだ。

本当に良い作品。

んで個人的に秋から冬に聴きたくなる作品だ。

いや、それは人それぞれだが。

仕事を終えて夜にゆっくりと聴きたくなる。

落ち着いた朝や昼にも。

良い曲揃い。

「セレナーデ」

夜に窓の外で恋人を想って歌う、あるいは演奏される曲のこと。

日本語で小夜曲というらしい。

建物の窓辺にいる女性にむかって男性が恋の歌を歌ったり、演奏したりする。

今でいう「セレナーデ」は親しい相手や、そのほかの賞賛すべき人物のために屋外で夕方にしばしば演奏される音楽をさすそうだ。

恋人を讃え
全てを讃え

深静に奏でるセレナーデには何故か、深まっていく「秋の静けさ」と相性がいいように思える。

「サンディエゴ・セレナーデ」

トム・ウェイツの「土曜日の夜」に収録。

曲自体は昔好きな曲だなんて書いたことあるが、改めて今時分に合わせて紹介してみたい。

トムは10代の頃にサンディエゴに住んでいたそうだ。

高校を中退してピザ屋で働いていた時に、仕事の合間に作詞・作曲を始めた。

サンディエゴはトムにとって、多感な時期を過ごした地で、ある意味原点とも言える地。

その地を冠したセレナーデは深く、人生の切なさを表している。

大切なもの
大切な地
大切な人
大切な故郷

ピアノ演奏と共にトムの声が聴く人の心に寄り添う。

うん、やっぱり好きな曲だ。

この時期になって改めて「サンディエゴ・セレナーデ」を書いてみたくなった。

深まる秋
去りゆくこの一瞬…

そんな今を味わうのには良い季節であり、良い曲だと思う。

大好きな一曲だ。




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